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思惟石

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『海の帝国: アジアをどう考えるか』

2024-11-14 20:39:20 | 日記
『海の帝国: アジアをどう考えるか』白石隆

植民地時代から現代にかけての
東南アジア事情を書いた一冊。

ラッフルズという人物から始まるのがいいですね。
父親がイギリス系の商人(?)で、
ジャマイカ沖の船上で産まれたと言われる人物。
なので、イギリスの東インド会社社員として
植民地執政官を務めていた人物ですが、
イギリスで暮らしたことはあるのかな?というくらい
東南アジアの人でもある。
シンガポールを「建設」したと言われており、
有名なラッフルズホテルの縁の人。

のっけから面白い人を出すなあ、と。

当時の植民地運営に関しては、
たくましい中国系商人の協力が必要だったそうで。
いわゆる華僑ですね。
他にも苦力(クーリー)として出稼ぎに来たまま定着し、
多言語を操るため重宝される人々も多かった模様。

東南アジアの島々は、
イギリス、オランダ、フランスなどが
奪い合ったり利権をせめぎ合ったりして
植民地化が進む一方、
東アジア、中国と日本のことですが、
どちらも閉じる政策によって
植民地化を奇しくも避けていたとのこと。

とはいえアヘン戦争や黒船襲来で扉がこじ開けられたあとの
挙動や行く末は周知の通りだけれど、かなり異なる方向。

東南アジアから世界を見る視点は新鮮で、
なるほどなあ、と思う一冊。