思惟石

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『少年時代』 郷愁が欲しい大人のための一冊

2023-10-06 18:11:25 | 日記
『少年時代』
ロバート・マキャモン
訳:二宮磬

1964年、
アメリカ南部の小さな町ゼファーで暮らす
12歳のコーリー少年の物語。

「郷愁!!」って感じの一冊ですね。
ロバート・B・パーカーの『初秋』を思い出したけれど、
それよりも真っ直ぐと言うか、素直というか、
健やかな郷愁だな!って感じです。よくわからんけど。

文庫上下巻。
コーリー少年12歳の、春夏秋冬に分かれています。

冒頭で父と共に殺人事件(?!)を目撃し、
それが底に流れつつの1年間。
小さな町での人間関係やいじめっ子との対決、
小さな事件、不思議な出来事等々。

謎の生命体や、黒人の老女ザ・レディなど、
ちょっと昔のちょっと不思議が詰まっているのも良い。
現代よりちょっと昔には、居たのかもしれないな。
という絶妙な不思議たち。愛しいね!

もうね、郷愁を掻き立てられまくるエピソードが
てんこ盛りの一冊です。
いや、アメリカに住んだことないけど。
1964年は生まれてすらないけど。
という一冊。

殺人事件が出てきたり人種差別が出てきたりするけれど、
コーリー少年と父親は
「完全な悪人はいない」と信じている。
とにかく平和で平凡な幸せを追う、
そのスタンスも、良い感じ。

個人的には、コーリー、なかなかハードな
経験をしてるよ…!と思いましたけど笑
コメント
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