思惟石

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『ネットワーク・エフェクト』 弊機がかわいい。

2022-09-07 18:37:38 | 日記
『マーダーボット・ダイアリー ネットワーク・エフェクト』
マーサ・ウェルズ
中原尚哉:訳

マーダーボット・ダイアリー>シリーズの、
一応、5作目になるのかな。
とはいえ、シリーズの中篇4作は
単行本上下にまとめて収録されているので、
発行作品としては2冊目です。

まあいいか。

一人称が「弊機」の自称「マーダーボット」が
ぐちぐち言いながらかんばるシリーズです。

相変わらず「弊機」がグチっぽくて、文句も多い割に
ちゃんと人間を助けています。
大変人間臭いボットです。

尊大な性格である探索船のARTも再登場。
人間より人間臭いボット同士のやりとりがとても良い。
すっごく良い。
仲良いなお前ら。

プリザベーションの人々の倫理観(ボットも人格を尊重する)に
ずーっと戸惑っている「弊機」は、今回もかわいいです。

と思いつつ、
対照的に、企業リムに所属する企業人は、
めちゃくちゃ尖った営利主義。
利益のためならすぐ殺人するし惑星を破壊する。
なんなら、奉公制度という建前の奴隷制も現役です。
企業の方が、倫理観って何?状態なのが読むにつれて明らかになる。
ディストピアかよ、と。

そして今回は、前作にはなかった要素、若者!
「弊機」の保護者であるメンサー博士の娘で、
惑星的に未成年者(学生?)であるアメナが登場。
ただでさえ人間とのコミュニケーションが苦手な「弊機」が、
10代とのコミュニケーションに辟易している様子が微笑ましいです。

アメナは、まあ、普通の10代(思春期!)なので、
ARTと「弊機」のロマンスを邪推したり(若さ!)、
言動がおもしろかったです。

あ〜おもしろかった。
アンディ・ウィアーの最新作に続いて、
マーダーボットの最新作も読了しちゃったよ〜…
とロス気分になったら、もう四作目も出てた。
わーい。
(「弊機」の虚無状態のわーい。は最高に良かった)
コメント
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