思惟石

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【読書メモ】2011年4月 ②

2019-08-28 20:43:00 | 【読書メモ】2011年
<読書メモ 2011年4月 ②>
なんだかエッセイをせっせと読んでますね。
時間があったんだか無かったんだか、よくわからんラインナップです。
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。


『横道世之介』吉田修一
『悪人』とは違ったおもしろさ。なんか友人Sに似ている。

(吉田修一は『パーク・ライフ』で芥川賞(2002)を獲ったときに
 寄藤文平さんのイラストの表紙が目について読んでました。
 個人的には、受賞直後の旬のものを読むのって珍しい。
 その時は、なんか日常エンタメの人~って感じで
 それっきりになっていたので、
 『悪人』でヒットしたときに同一人物か?と驚きました。
 『横道世之介』はお人よしで流されやすい田舎出身の大学生
 世之介くんの壮大ではない日々を壮大に描いた物語。
 誰の友人にも、ひとりはいそうな、絶妙な男子である。
 おすすめ。
 鹿島田真希の『ゼロの王国』をちょっと連想しますよね。
 そうでもない?)


『春になったら苺を摘みに』梨木香歩
(メモなし。
 梨木さんの第一エッセイ集です。
 英国留学中の下宿先の大家さんや、異国で出会った人々のお話し。
 『家守綺譚』『村田エフェンディ滞土録』が好きな人には
 ぜひ読んでほしい一冊です。
 つまみ食いでも、集中して一気に読んでも良い、
 デスク置きのお菓子みたいな常備本です。
 第二エッセイの『ぐるりのこと』はまた違った味わいですが)


『ゆっくりさよならをとなえる』川上弘美
(メモなし。
 こちらもエッセイ集。
 川上弘美の川上弘美らしい日常のエッセイ。
 3ページ程度の短いエッセイ(どこかの連載だったらしい)で、
 近所の居酒屋やスーパーや生ガキやらへの思索と執着と妄想と。
 相変わらず、パーツはオッサンなのに、全体的にステキである。
 憧れる)


『柿の種』寺田寅彦
(メモなし。
 明治の偉大な物理学者であり、猫好きであり、
 夏目漱石の弟子というか友人であり
 (あの内田百閒が敬意をもって遇しております。なんと…)
 理系にあるまじきレベルの随筆の名手です。
 そんな寺田先生の短文集。
 “ゆっくりした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでもらいたい”
 とのことですので、ありがたく、ゆっくり読むべし)


『念力家族』笹公人
『抒情の奇妙な冒険』の歌人。
「中央線に揺られる少女の精神外傷(トラウマ)をバターのように溶かせ夕焼」
「シャンプーの髪をアトムにする弟 十万馬力で宿題は明日」
「落ちてくる黒板消しを宙に止め3年C組念力先生」

(笹公人の第一歌集。
 念力を持った家族の日常を詠んだ句集。
 って、何言ってんだって感じだと思いますが、
 本当にそういう内容の句集なんです。
 おもしろいですよ!
 まさかのドラマ化も実現したそうです。
 『抒情の奇妙な冒険』は第三歌集。
 昭和のノスタルジックな文化を多く詠んでいます)
コメント
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