彼に金魚のえさを、リュックから取ってこさせる。
金魚のえさが、果たしてこの川の魚に有効かどうかは、まったくわからない。
でも彼は鼻うたまじりに、とても嬉しそうに、お魚ホイホイにえさを入れている。
「あ~そんなに入れるなよー」
彼は驚いて手を止め、僕を見た。
「まあ、入れちゃったものはしょうがないな~、出せないもんな」
「出せないよね~」と嬉しそうに彼もうなずく。
そう、僕にもこんな年だった時があったんだな、すべてが新鮮で 、
何もかもが、輝いていて、知っている世界はすごーく狭いのに、感じている世界はすごーく広い。
もちろん、「そうだった」って、今だからわかる。
ザリガニ取りや、虫取り、魚釣り・・・
父が、まだそんなに偉くなくて、貧乏なくらいだった頃、
近所の子供たちと一緒に、よく連れて行ってもらったような気がする。
もしかしたら、「よく」じゃあ、なかったのかもしれないけど・・・。
彼にも、今しか体験できない事を、いや、今しか感じられない事を、させてあげたい。
僕らは、橋のたもとの川に、ひもを付けたお魚ホイホイを投げ入れた。
ダメだ沈まない。
「どうしたらいい?」彼に聞く。
「石を入れれば?」なるほどいい考えだ。
「じゃあ、石を探してきてくれ。」と彼に言うと、
「どこにあるの?」ほ~らきた。
「自分で考えて、探してみろ!石はどこにあるんだ?」
彼はさっきミミズを掘ったシャベルで、土を掘り出した。
そうすると、OK!と人差し指と、親指で作る、丸ぐらいの石が何個か出てきた。
僕らは、その石をホイホイに入れ、再び川に投げ入れた。
今度は沈んだ。僕らはそれを確かめると、いつものように親指を立てて、
僕は軽くウインクしながら、彼は軽く両目をつぶりながら・・・顔の前に突き出した。
次回へ続く
金魚のえさが、果たしてこの川の魚に有効かどうかは、まったくわからない。
でも彼は鼻うたまじりに、とても嬉しそうに、お魚ホイホイにえさを入れている。
「あ~そんなに入れるなよー」
彼は驚いて手を止め、僕を見た。
「まあ、入れちゃったものはしょうがないな~、出せないもんな」
「出せないよね~」と嬉しそうに彼もうなずく。
そう、僕にもこんな年だった時があったんだな、すべてが新鮮で 、
何もかもが、輝いていて、知っている世界はすごーく狭いのに、感じている世界はすごーく広い。
もちろん、「そうだった」って、今だからわかる。
ザリガニ取りや、虫取り、魚釣り・・・
父が、まだそんなに偉くなくて、貧乏なくらいだった頃、
近所の子供たちと一緒に、よく連れて行ってもらったような気がする。
もしかしたら、「よく」じゃあ、なかったのかもしれないけど・・・。
彼にも、今しか体験できない事を、いや、今しか感じられない事を、させてあげたい。
僕らは、橋のたもとの川に、ひもを付けたお魚ホイホイを投げ入れた。
ダメだ沈まない。
「どうしたらいい?」彼に聞く。
「石を入れれば?」なるほどいい考えだ。
「じゃあ、石を探してきてくれ。」と彼に言うと、
「どこにあるの?」ほ~らきた。
「自分で考えて、探してみろ!石はどこにあるんだ?」
彼はさっきミミズを掘ったシャベルで、土を掘り出した。
そうすると、OK!と人差し指と、親指で作る、丸ぐらいの石が何個か出てきた。
僕らは、その石をホイホイに入れ、再び川に投げ入れた。
今度は沈んだ。僕らはそれを確かめると、いつものように親指を立てて、
僕は軽くウインクしながら、彼は軽く両目をつぶりながら・・・顔の前に突き出した。
次回へ続く
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます