ある晩僕は、例によって営業後の厨房で、「カニー」を肩に乗せ、仕込みをしていた。
その日は久し振りに、いい鰯が入ったので、半分はマリネ、半分はエスカベッシュにする事にした。
マリネ用に三枚下ろしにした身に、塩をしている間にマリネ液を作り、
残りの半分は、二枚下ろしにして粉をつけサラダオイルで揚げる。
僕は、鰯に粉を付け油で揚げていった。
「カニー」は、僕の肩から腕づたいに下りてきて、手首の周りを回ったり指の先まで行ったりした。
その度に僕は、
「危ないよ、カニー、落っこちたらどうするんだよ!!」
と、注意した。
でも彼はやめなかったし、僕も、「まったく、しょうがないな~」ぐらいの気持ちだった。
でも、それはその時、起こった。
僕の手の甲で、バランスを崩したカニーは、「あっ!!」と言う僕の叫び声より先に、手の甲から落ちていった・・・。
彼には、本当に悪い事をした。もっと強く止めていれば、今日も一緒に仕込が出来たのに・・・。
僕は、息子と一緒に「カニー」のお墓を作った。
カニー・・・安らかに眠ってくれ。
それでは、また。
その日は久し振りに、いい鰯が入ったので、半分はマリネ、半分はエスカベッシュにする事にした。
マリネ用に三枚下ろしにした身に、塩をしている間にマリネ液を作り、
残りの半分は、二枚下ろしにして粉をつけサラダオイルで揚げる。
僕は、鰯に粉を付け油で揚げていった。
「カニー」は、僕の肩から腕づたいに下りてきて、手首の周りを回ったり指の先まで行ったりした。
その度に僕は、
「危ないよ、カニー、落っこちたらどうするんだよ!!」
と、注意した。
でも彼はやめなかったし、僕も、「まったく、しょうがないな~」ぐらいの気持ちだった。
でも、それはその時、起こった。
僕の手の甲で、バランスを崩したカニーは、「あっ!!」と言う僕の叫び声より先に、手の甲から落ちていった・・・。
彼には、本当に悪い事をした。もっと強く止めていれば、今日も一緒に仕込が出来たのに・・・。
僕は、息子と一緒に「カニー」のお墓を作った。
カニー・・・安らかに眠ってくれ。
それでは、また。