どれくらいたっただろう?
僕らは、地下広間に出た。なぜ広間か分かったかと言うと、
そこだけ薄明るかったからだ。
どこから光が入ってくるのか?明るいと言っても寝室ぐらい、
暗さになれると、何となく、どこに何があるか分かる程度。
もちろん色など識別できない。
今までの真っ暗闇に比べれば、薄明るいってことだ。
僕らは、しばらく立ち止まって中を見回していたけど
「よし入ってみよう」と僕が言うと、
「しんくん、待ってる。」と、彼。
「ひとりで、ここに・・・?」と聞くと、
「行く。」と、彼。そして僕らは歩き出した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/1a/c083c9e73b601f07cabedebd77783053.jpg)
地下広間の中央には、結構大きなイスとテーブルがあった。
さわってみると、どうやら、石でできているらしい。机の上は、ちゃんと平らになっていて、意外にきれいだ。
僕は、彼の手を離し、背負っていたリュックを机の上に下ろした。
そして、僕らはイスに腰掛け、周りを見回した。
暗闇の濃淡の加減で、4号公園の半分ぐらいの広さじゃあないかと推察した。
「パパ、ここ何処?」と、彼。
「地下広場だよ。お茶でも飲もうか?」って、僕だって、ここが何処かはわからない。
「あー、しんくん、のどからからだよー。」
そうだろう。ポンプ室の扉を入ってからここまで、一滴の水も飲んでない。
それほど夢中だった。
彼には、お茶のペットボトルを渡し、僕は、少し考えた末、保温ポットの珈琲にした。
いつもはカップも持参するのだが、今日に限って忘れてしまった。
何処にでも、持っていくので妻にも笑われる。
でも今日はない。仕方がないので、ポットのふたで飲む。やっぱりイマイチだ。
「あっ、なんか動いた!!」と、彼。
「えっ、何処?」と、驚く僕。
僕らは、飲み物を持ったまま、暗闇に目を凝らした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/c4/2665d9f64c1b72b2295119e10affd712.jpg)
その時だった。
目の前のリュックが消えた。そして何とも不気味で、不吉なうめき声。
たぶん「ヤミクロ」だろう。
僕は彼の手をつかみ、引き寄せ、しっかりと抱きしめた。
彼は、ペットボトルをつかんだまま僕にしがみついた。
僕は彼にささやいた、「大丈夫、パパがついてる。」
僕は、五感を研ぎ澄ますと、目だけを動かし、注意深くあたりを見回した。
しかし何も見えなかった。
次の瞬間、体を何かに強く押され、僕らはイスから転げ落ちた。
何がどうなったかは、わからないが、僕は彼を抱いたまま、落ちた勢いで地面を2~3回転した。
そしてすぐ起き上がると彼を隣にしゃがませ、「大丈夫か?」と声をかけると
左ひざを地面につき、右ひざを立てて、次の敵からの攻撃に備えた。
冒険8 (その2)につづく
僕らは、地下広間に出た。なぜ広間か分かったかと言うと、
そこだけ薄明るかったからだ。
どこから光が入ってくるのか?明るいと言っても寝室ぐらい、
暗さになれると、何となく、どこに何があるか分かる程度。
もちろん色など識別できない。
今までの真っ暗闇に比べれば、薄明るいってことだ。
僕らは、しばらく立ち止まって中を見回していたけど
「よし入ってみよう」と僕が言うと、
「しんくん、待ってる。」と、彼。
「ひとりで、ここに・・・?」と聞くと、
「行く。」と、彼。そして僕らは歩き出した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/1a/c083c9e73b601f07cabedebd77783053.jpg)
地下広間の中央には、結構大きなイスとテーブルがあった。
さわってみると、どうやら、石でできているらしい。机の上は、ちゃんと平らになっていて、意外にきれいだ。
僕は、彼の手を離し、背負っていたリュックを机の上に下ろした。
そして、僕らはイスに腰掛け、周りを見回した。
暗闇の濃淡の加減で、4号公園の半分ぐらいの広さじゃあないかと推察した。
「パパ、ここ何処?」と、彼。
「地下広場だよ。お茶でも飲もうか?」って、僕だって、ここが何処かはわからない。
「あー、しんくん、のどからからだよー。」
そうだろう。ポンプ室の扉を入ってからここまで、一滴の水も飲んでない。
それほど夢中だった。
彼には、お茶のペットボトルを渡し、僕は、少し考えた末、保温ポットの珈琲にした。
いつもはカップも持参するのだが、今日に限って忘れてしまった。
何処にでも、持っていくので妻にも笑われる。
でも今日はない。仕方がないので、ポットのふたで飲む。やっぱりイマイチだ。
「あっ、なんか動いた!!」と、彼。
「えっ、何処?」と、驚く僕。
僕らは、飲み物を持ったまま、暗闇に目を凝らした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/fc/a139ad8bae8ad8a35187f98eae91f4c8.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/c4/2665d9f64c1b72b2295119e10affd712.jpg)
その時だった。
目の前のリュックが消えた。そして何とも不気味で、不吉なうめき声。
たぶん「ヤミクロ」だろう。
僕は彼の手をつかみ、引き寄せ、しっかりと抱きしめた。
彼は、ペットボトルをつかんだまま僕にしがみついた。
僕は彼にささやいた、「大丈夫、パパがついてる。」
僕は、五感を研ぎ澄ますと、目だけを動かし、注意深くあたりを見回した。
しかし何も見えなかった。
次の瞬間、体を何かに強く押され、僕らはイスから転げ落ちた。
何がどうなったかは、わからないが、僕は彼を抱いたまま、落ちた勢いで地面を2~3回転した。
そしてすぐ起き上がると彼を隣にしゃがませ、「大丈夫か?」と声をかけると
左ひざを地面につき、右ひざを立てて、次の敵からの攻撃に備えた。
冒険8 (その2)につづく
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