語る、シェフ

小さなレストランのオーナーが、日々の出来事を語ります。

  冒険8 (その2)  パッコーン  

2008-06-16 23:55:28 | 冒険






今日は、メトロに買い出しに行った。何もかもが値上がりしてから、食材を買うのが計画的になったし

使う時もロスを無くそうと、すごく努力するようになった。

前から駅前の銀行や近場の買物などは、環境を考え自転車にしていたが、ガソリンが高くなったせいで

ますます気をつけるようになった。値上がりするのも、悪い事ばかりではないかもしれない。

さて、そんな訳で、冒険だが・・・






   
目鯛  煮てよし焼いてよし値段よしで、僕はお薦めです。



再び背中に衝撃を受けると僕は前に転がった。

「あ、パパ!」彼の叫び声。

その時、右手に何か触れた。僕はそれを手で確かめるように触り、掴んだ。

どうやら木で出来た棒らしい。まるで、映画の都合のいいワンシーンのようだ。

ちょうど剣道の竹刀の柄(つか)ぐらいの太さで持ちやすい。

僕は「しんくん!!」と呼び、走り寄ってきた彼に

「いいか、しっかりパパの足を掴んでいるんだ。決して離すなよ。」



僕は小学校3年生から高校卒業まで剣道をしていた。一応、三段の免状を持っている。

だからといってもちろん、今はその実力はない。

でも、間合いとか、打撃のコツみたいなのは、今でも、分かる。



僕は思った。暗闇の中で、目で見ようとするから見えないのだ。そう、心で見るのだ。

相手は幸いな事に、一人らしい。一人なら何とかなる。

僕は立ち上がり、木の棒を正眼に構えると、目を閉じた。

左足には彼がしっかりつかまっている。それをかすかに感じながら、僕は心を研ぎ澄ませていった。



どれ位そうしていただろう。僕には見えた。ヤミクロがみたび攻撃を仕掛けてくるのが・・・。

僕は、間合いをはかった。

「今だーっ!!」

僕はすばやく振りかぶると、渾身の気合を込め、棒を振り下ろした。



    僕の作った、だんご剣と刀赤鬼と共に



「ダメだ・・・はずした。」

「しんくん、逃げるぞ!!」

僕は足元にいる彼を抱き上げると、とりあえず走った。

もちろん、足元がはっきり見えないので、本当に「とりあえず走った」程度だ。

僕らは壁まで行き着くと、壁を背に息を殺し、しゃがみこんだ。

僕は、小さい声で

「しんくん、怖いか?恐くても頑張るんだ。いつもウチで怪獣をやっつけるみたいに

2人で力を合わせて、やっつけよう。」

しんくんも小さい声で

「よし、やっつけよう。」というと僕の手を握り締めた。



僕らは、壁を背にして左に少しずつ移動して行った。

とにかく目の前の敵を倒す事に集中するんだ。

相手は僕らが見えているはず。ただ、敵も僕らの事を警戒していることは、確かだ。

なぜなら、一気に攻めてこない。

それは、僕らにとってプラス材料だ。ただ、仲間が来るまでに決着をつけなければならない。

もちろん、逃げるのも一つの方法だが、それを選択すると気持も逃げてしまう。

とにかく、ここは攻めるんだ。





さて、果たして2人は見事ヤミクロを倒し、脱出する事が出来るのだろうか??

次回へ続く。



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