金沢大学の生命倫理学の授業で観る最後の映画は「あん」でした。
樹木希林がハンセン病の役を演じていましたが、見事な演技でした。
主人公の永瀬正敏も控えめないい存在感を放っていました。
感想をひと言で云うと、「とても優しい映画」だと思いました。
傷ついて生きて来たからこそ人の傷を受け止めることができる・・
そんなことを感じさせてくれました。
映画の中では、ハンセン病を全面に出す話には
なっていませんでしたが、ハンセン病患者が
差別を受けてきた歴史を感じることはできました。
人と人との出会いや繋がりは不思議なものです。
人間は、人の間と書きますが、人はそれぞれ
自分が出会った人に影響をうけ、励まされて
成長していく生きものものかもしれません。
映画を観たあとは、ハンセン病について少し学び、
映画の感想をみなで話し合いました。
映画は、違う人生を垣間見ることができる貴重な時間だと思っています。
一人ではなかなか映画を観る時間を作れないので、
こんなふうに授業に参加させていただくととてもありがたいです。
若い学生たちの感想も、なかなか新鮮だったりします。
それにしても徳江が作ったあんの
「どら焼き」を食べてみたかったです!
以下、ストーリーの紹介〜
物語は、罪を犯して出所し、借金を抱えながらどら焼き店で働く千太郎(永瀬正敏)の店に、年老いた徳江(樹木希林)がアルバイトを志願することから始まる。徳江が小豆に語りかけながらゆでる餡(あん)のおいしさに、店は評判となり繁盛する。徳江はハンセン病療養所に住み、所内で菓子作りを学んでいた。しかし店主は、徳江の曲がった指を見て仙太郎に命じる。「あの人、『らい』よ。やめてもらってちょうだい」。風評が広がったのか、店への客足は遠のき始める。徳江もいつしか店を去るが、千太郎と常連客の中学生ワカナ(内田伽羅)は、ハンセン病療養所に住む徳江を訪ね、交流を深めていく。