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訳あって主家を出奔し、料理人として生きる季蔵。だが先代の塩梅屋長次郎からは料理だけではなく、北町奉行所同心の隠れ小者も引き継いだのだった。シリーズ第9弾。
第一話 下り鰹
第二話 菊花酒
第三話 御松茸
第四話 黄翡翠芋 長編集
30年前の呉服屋やまと屋一家皆殺しの一味だった松島屋から、事件にかかわる簪が盗まれた。疑わしきは、骨董屋千住屋。北町奉行の烏谷椋十郎にそう告げられた季蔵は、新たな椋十郎の手の者となった内与力の清水佐平次と真相を探る。
先に後作の「ひとり膳」を読み、今回はシリーズで2冊目となったのだが、「ひとり膳」と比べ、料理の比重が高く料理説明に大分ページを割いているといった感想である。
そして、本題に行き着く迄に、ぐるりと遠巻きに幾多もの話があり過ぎて、どうにも読んでいて散漫になった。読み手の視線が定まらない感が否めない。
主要登場人物
季蔵(堀田季之助)...日本橋一膳飯屋塩梅屋の主(料理人)
おき玖...塩梅屋先代長次郎の娘
三吉...塩梅屋の追い回し
瑠璃...季蔵の許嫁
烏谷椋十郎...北町奉行
清水佐平次...北町奉行所内与力
繁乃...佐平次の母親
安徳...芝光徳寺住持
沢崎幾之進...松原藩石本家江戸家老
文左衛門...日本橋長谷川町菓子屋万福堂の主
喜平...隠居
田端宗太郎...北町奉行所定町廻り同心
松次...岡っ引き
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