山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

夏山レポート~妙高山(いもり池より)

2009-08-12 06:44:04 | 登山記録
下山した3日の夜は近くの赤倉温泉でゆっくりと疲れを癒し、翌日はの朝は

昨日登った妙高山が一番美しく見られるという、いもり池を散策しました


いもり池から見た朝の妙高山、うわさ通りここは絶好の場所です。




もうお別れなのに、頂上は顔を見せてくれません。ここはしばらく池の周りを歩いて待つことにします。


池の水面には白い睡蓮が花を広げています。爽やかな朝です




オオハンゴンソウ<キク科 オオハンゴンソウ属> 帰化植物

環境省の特定外来生物に指定されているところを見ると、かなり繁殖力が旺盛なのでしょう。
背丈は2mを超えています。このあたりでは頻繁に見られますが、在来種保護の観点からは
あまり好ましいことではありません。




ソバナ<キキョウ科 ツリガネニンジン属>

ヒメシャジンなどが比較的、山の高い所に生えているのに対して、このソバナは主に山麓の林の縁
などでよく見られます。茎の上部は斜めになることが多く、そこから優しい青紫色の花が垂れ下がる姿は
中々風情があります。





オオカメノキ<スイカズラ科 ガマズミ属>  別名ムシカリ

オオカメノキに美しい赤色の実が成っていました。この実は9~10月にかけて熟すると黒くなります。





オオウバユリ<ユリ科 ユリ属>

関西でも見られるウバユリに似ていますが、全体に頑丈で大きく花の数もずっと多く咲きます
妙高山の山麓では道端でも普通にみられる花です。





池の周りを一周した頃、ようやく頂上が少し顔を出しました。
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夏山レポート~妙高山(下山の道すがら)

2009-08-10 23:08:06 | 登山記録
行きと違い、好天に恵まれた下山ルートでは、雨の登りで気付かなかった花や

雨の中、カメラを出す機会を逃していた花が目に入ってきます。

しかし、その中のいくつかは7月の初めにくれば見られたであろう花の後の

姿もあります。計画が延び延びになったのは異常に長引いた今年の梅雨の性です。

しかし、山行の2日目に好天にめぐまれ、予定通りの登頂が達成できたのは幸いでした。



チングルマ<バラ科 ダイコンソウ属>

残念ながら、この時期では花は見られません。しかし放射状に並んだ羽毛が風になびく姿も
中々、風情があります。名前の由来は稚児車というのが転訛したもので、放射状に並んだ
この羽毛の姿を風車に見立てたものでしょう。



キヌガサソウ<ユリ科 ツクバネソウ属>

葉の様子を昔高貴な人にさしかけた衣笠に見立てた名前です。
輪生する大きな葉が花を引き立てていて、かなり好きな花の一つですが今回は
花の状態のいいものが見つかりませんでした。



トリアシショウマ<ユキノシタ科 チダケサシ属>

和名は、よく枝分かれした円錐花序を鳥の足に見立て、葉がショウマに似ていることから、
穏やかな風に揺れる純白の花穂はまるで妖精のようで清楚な美しさを感じさせます。




ベニイチゴ<バラ科 キイチゴ属>

初見の花ですが、ベニイチゴだと思います。たった一輪だけ咲いていました。 



サンカヨウ<メギ科 サンカヨウ属>

これも花期は終わって、黒い実ができています。但し、がっかりするには及びません。
この実は食べてみると甘い味がするんです。一度お試しあれ
和名は漢字にすると「山荷葉」ですが、漢方に使われる中国の「山荷葉」とは別の植物です。




シロバナエンレイソウ<ユリ科 エンレイソウ属>

これも花が見られるのは、せいぜい6月半ばぐらいまで、これは蕾ではなく果実です。




サワヒヨドリ<キク科 フジバカマ属>

いよいよ登山口も真近です。止まって吸蜜している蝶はアサギマダラ、よく見る構図ですが
正に名コンビ、絵になりますね~


       続きはまた明日
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夏山レポート~妙高山(湿原の草花)

2009-08-08 10:19:13 | 登山記録
妙高山の登頂を終えてから、再び荷物を預けている黒沢池ヒュッテに戻り、

当然を買って無事登頂できたことに乾杯!

シーチキン入りのラーメンで昼食をとりました。

お天気も良くなったことだし、下山は昨日の黒沢池の湿原を散策しながらゆっくりと

時間をかけて下ることとします。

この湿原は黒沢の源流で、冬季の積雪が多いため、あちこちに池塘ができていて

少しメルヘンティックな雰囲気を醸し出しています。

風も穏やかで歩いていて気分がよく、今更ながら、もう少しこの世界に浸っていたくなりました。





イワイチョウ<リンドウ科 イワイチョウ属>

この湿原では大きな群落となってかなり目立っています。
葉は美しい光沢があり、花冠は深く5裂し、縁に皺があるのが特徴。




マイズルソウ<ユリ科 マイズルソウ属>

名前の由来は、花の形ではなく、葉脈の曲がった様子が鶴が羽根を広げたように見えるところから




ゴゼンタチバナ<ミズキ科 ゴゼンタチバナ属>

科名を調べてみて意外や意外、ヤマボウシと同じミズキ科であることを知りました。
そう言えば花の雰囲気はヤマボウシに非常によく似ています。当然4枚の花弁のように
見えているのは総苞片ということになります。




ワタスゲ<カヤツリグサ科 ワタスゲ属>

白い綿毛をそよ風になびかせている光景が美しい。別名のスズメノケヤリは
花穂が大名行列の毛槍に似ているところから、雰囲気をよく現わしています。





ミヤマアキノキリンソウ<キク科 アキノキリンソウ属>

アキノキリンソウの高山型変種、背の高いアキノキリンソウが下から上まで疎らに花を付けるのに対し
ミヤマアキノキリンソウは背が低く、花は頭頂部に集中して咲きます。
花はやや大きく華やかな雰囲気があり、別名でコガネギクとも呼ばれます




ヨツバシオガマ<ゴマノハグサ科 シオガマギク属>

名前は葉が4枚づつ輪生するところから、茎の先端に4個づつ輪生する花を数段つけます。
花冠は普通、紅紫色ですが、多少の変異が見られます。




ハクサンフウロ<フウロソウ科 フウロソウ属>

すこし紫がかった優しいピンク色の花です。石川県の花の名山、白山の名を冠していますが
アルプスをはじめ夏山では毎度おなじみ、小さいながらも心癒される花です。





ミズバショウ<サトイモ科 ミズバショウ属>

唱歌「夏の思い出」に歌われていますが、実際に花が咲くのは初夏の6月末ぐらい迄のようです。
この時期には純白の清楚な仏炎苞は姿を消し、肥大化した花穂と大きな葉だけが残っています。




クルマユリ<ユリ科ユリ属>

花径が5~6㎝とオニユリの超ミニチュア版です。名前は葉が中央部付近で輪生することによります。



オニアザミ<キク科 アザミ属>

中部地方以北の日本海側の山地に咲く固有種のアザミです。近似種にはジョウシュウオニアザミがありますが
草丈はこれよりかなり低いそうです。





タカネニガナ<キク科 ニガナ属>

ハナニガナの高山型変種、見たところハナニガナとあまり変わったところはないようです。




ヤマハハコ<キク科 ヤマハハコ属>

頭花は茎の上部に散房状に多数かたまって付きます。白い花はドライフラワーにしても美しく
よく土産物の押し花のしおりに使われています。


 
        続きはまた明日
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夏山レポート~妙高山(2日目)

2009-08-05 22:28:09 | 登山記録
今回の山行で2日目の行動計画は、晴雨二通りの場合に備えていました。

晴れた場合は妙高山の山頂に登り、その後時間に余裕があれば高谷池まで池塘巡りをしてから下山する。

朝から雨が降っていれば、山頂へは行かず、高谷池までの池塘巡りをしてから下山するというものです。

結果、2日目の朝は 山頂を目指します。

先ず何はともあれ朝食、黒沢池ヒュッテ名物のクレープの朝食を食べます。

食べ方は、3種類あるジャムをクレープに巻いて食べますが、出されるクレープの量の凄いこと、

一人前は10枚位あるのでしょうか、とても食べきれません。

朝食を済ましてから、荷物をヒュッテに預け出発します。

ヒュッテのすぐ前から始まる大倉乗越までは比較的楽な登りで、およそ40分で大倉乗越に到着、

ここから登ってきた方向を振り返ると、火打山が優雅な姿を見せています。





↓ 大倉乗越から見た妙高山、頂上へのルートはここから鞍部に向かって下降します。

少し下ると言うより、どんどん下っていく感じ、次なる登りの苦労が頭をよぎります。



鞍部に降り切ったところでは色んな高山植物が花を咲かせています。


ヒメシャジン<キキョウ科 ツリガネニンジン属>


こちらもヒメシャジンだと思いますが、花の形がちょっとふっくらとしています。
生えている場所によって多少花の形に変化が見られるのか? 



モミジカラマツ<キンポウゲ科 モミジカラマツ属>

葉の形がモミジに、花がカラマツの葉に似ていることからこの名前とか・・・
どう見てもカラマツの葉には見えませんけど・・・


オオバミゾホウズキ<ゴマノハグサ科 ミゾホウズキ属>

いかにもゴマノハグサ科らしい唇形の花です。


ノウゴイチゴ<バラ科 オランダイチゴ属>

小さいながらも、オランダイチゴと形も色も、そして味もほとんど変わりません。
甘くて美味しいイチゴです。チューブ入りの練乳がほしくなります。


ミヤマホツツジ<ツツジ科 ホツツジ属>

高山にのみ生えるツツジの仲間、花冠は3個に分かれ、先はそりかえっています。
花柱は約9㍉で先が上に曲がった形に趣があります。


頂上向かう急登を一時間余り登ったころで頂上の鋭い岩峰が見えました。
目指す頂上はもうすぐそこです。


午前9時35分、ようやく妙高山の頂上に到着で~す。
ヒュッテからご一緒させて頂いた、Tさんご夫妻のご主人にお願いして撮ってもらいました。


ガスがどんどん上がってくるので、視界は今一つ、しかし昨日までの雨に比べれば

これでも上々天気、雨の予報が出ていたほどなので、ここは山の神様に感謝しなければ・・・

この後、下山は同じコースを辿りました。

余裕があれば高谷池方面を通りたかったのですが、今回は相棒の足のコンデーション等の問題もあり、

無理はしませんでした。明日からは黒沢の湿原を中心に色んな花を少しづつご紹介させて頂きます

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夏山レポート~妙高山(1日目)

2009-08-04 20:29:15 | 登山記録
今年の夏山計画は、以前から登ってみたかった新潟県の妙高山です。しかし

長引く梅雨、7月中はとうとう今年の夏山計画は週末毎の雨予報で実行に移せませんでした。

先週の土曜日になって、梅雨明け宣言を待ち切れずとうとう出発することにしました。


前日泊の池の平温泉から、小雨の中に妙高山が見えています。

雨は降っているとはいえ風もなく穏やかな天気



笹ヶ峰登山口に向かう途中に立ち寄った「苗名滝」、連日の雨のため水量は多くなっている


登山口から黒沢の出合までは木道のコースが延々と続きます。


コースはブナと白樺の混じった、明るい林の中を歩きます。雨は降っていますが、それほどでもありません



黒沢橋に到着、ここから本日のコース最大の難所、「十二曲がり」の急登が始まります

黒沢、「十二曲がり」の急登はこの沢を右下に見て尾根を目指します。


稜線に出ると目の前に広々とした湿原が広がります。木道もあって歩きやすく快適、ここまで来れば本日の宿、
黒沢池ヒュッテはもう間近です。


黒沢池に到着で~す はいチーズ


天文台のような八角のユニークな形をした黒沢池ヒュッテの本館


黒沢池ヒュッテの内部、天井の中央はガラス張りの明り採りがあり、晴れていれば星が見られるそうです。


寝る場所はこの様に壁に沿って円形に配置されています。場所も広く快適です。


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