夏の河川敷で一番目につく昆虫と言えばやはりバッタです。
特に大型で立派な体を持つトノサマバッタと言えば、嘗ては昆虫少年達の憧れの的・・・
ここでは、このトノサマバッタの近似種の代表的な数種をコレクションしてみました。
この仲間は分類上ではバッタ目・バッタ科・トノサマバッタ亜科となります。
トノサマバッタ
この仲間の代表的な種類で、胸部背面から頭部にかけての緑色が美しく、体長は
♂が35~45㍉、♀は55~65㍉ ♀は特に立派な体格をしています。
此方はトノサマバッタの褐色型、この体色の個体も結構います。
クルマバッタ
体長は♂が35~45㍉ ♂が55~65㍉とトノサマバッタとほぼ同じ大きさのバッタです。
トノサマバッタに似ていますが、胸部背面が盛り上がっていることと、前翅に明確な白い帯があることで
見分けることができます。和名は後翅に黒い帯模様があり、飛ぶと半円形に見えることから。
クルマバッタモドキ
前翅に明確な白い帯模様があるところがクルマバッタに似ているのでこの名が付けられています。
個体数ではクルマバッタより此方の方が多いようです。
体長は♂が35~45㍉ ♀が55~65㍉と此方も大きさでは前2種とほぼ同じです。
クルマバッタとの違いでは胸部背面の盛り上がりがクルマバッタほどではないことと、この部分に
一対の「く」の字形の模様(上から見るとX形に見える)があることで見分けられます。
この個体は褐色型ですが、緑色型もいます。
マダラバッタ
雰囲気はクルマバッタモドキに似ていますが、体長は♂が27~31㍉ ♀が34~35㍉と全体に
やや小型で、胸部背面には盛り上がりが無く、一対の「く」の字形模様もありません。
前翅に白い帯は見られず、かわりに前翅の縁に見られる緑色の帯は同定のポイントになると思います。
カワラバッタ
これも雰囲気からはトノサマバッタの仲間ではないかと思いますが、トノサマバッタ亜科に分類されて
いるかどうかはよくわかりません。
名前が示すように河原にだけ生息するバッタです。
体色は灰褐色で淡い模様があり、砂礫の多い河原ではこれが強力な保護色になっています。
しかし飛び立つと後翅の内側にある美しい青色がよく目立ちます。
近年、河川改修や帰化植物の繁殖等で著しく棲息数を減らし、京都府のRDBでは絶滅寸前種に
指定されています。
城陽市域の木津川河川敷での生息は貴重なものですが保全策はどうなっているのでしょうか?
ただ現行、バッタごときに行政当局が動いてくれるとはとても思えませんが・・・
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