「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

新政権で期待膨らむ日本とJAL撤退報道で沈む静岡県

2009-09-16 20:59:00 | 日記
鳩山新政権誕生で日本中が沸く中、ここ静岡県だけは取り残されたかのように暗いニュースが駆け巡った。
JALが2011年度までの静岡空港から撤退を検討していることが判明したからだ。
これを受け、川勝知事は「県と日本航空が交わした覚書は、搭乗率を上げ、利用を促進するための覚書であり、その精神に反する。 (報道内容は)残念というよりもけしからん行為という印象で、(事実なら)道義的責任を問いたい。」(静岡新聞) と、かなりご立腹の形相が夕方のテレビに映し出されたが、みっともない限り。
当然に予想される事態なのに。
搭乗率保証中のJAL福岡便の搭乗率は昨日15日までで62.5%とのこと、ここから推計すれば、9月半月(1~15日)の搭乗率は55.8%。8月の67.8%から急落である。
これを知ってか、昨日の知事会見では搭乗率保証廃止に並々ならぬ決意を表明したばかりだったのに、JALに先手を打たれた格好だ。
路線を維持してほしいなら搭乗率保証やスタッフの宿泊補助などを続けるしかないがどうするんだ、とばかりのJAL要求に激怒する気持はわからんでもないが、自業自得の面が強い。
先月8月27日の敗北(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/459.html)で経営の素人、交渉の素人と、完全に足元を見られたようだ。
経営を知らない経済学者というのも変だが、経済学者といっても経済史(歴史)だからさもあらん。数字にも弱そうだ。

搭乗率55.8%ということは、9月上半期で1日当たり167万円がJALへの補償金に上積みされ続けたということ。すなわち、わずか半月で2千5百万円が消えたことになる。
8月27日こそ最初で最後のチャンスと見通せなかった己の愚かさをかみしめてほしいものだ。
それにしても彼を押した県議らは何をやっているのか。少しは交渉のタイミングやノウハウとか政治の駆け引きについて教えてやればよいものを。一人で空回りしているようで、かわいそうだ。

知事、空港地元へ釈明に

2009-09-14 22:16:00 | 日記
9月議会に年度途中の空港部廃止条例をあげた川勝知事。
議会の多数を占める野党自民党から「説明不足」を指摘され、明日夜、空港の地元である牧之原市で関係団体などに空港部廃止の理解を得るための説明会を行うという。
空港部廃止条例は、空港部を廃止して空港利活用や就航促進部門などを企画部に、管理や整備部門を建設部に移管するというもので予算が削減されるというものでも人員整理が行われるというものでもない。
すなわち、県民にとってメリットは無いに等しい。
むしろ、年度途中の組織変更というのは(システム変更、異動作業、標識等の書替え、文書管理の分割移管、等々)事務量的に負担は大きく、コストアップにつながるものでよほどの理由がないとすべき合理性はない。
役割が終わったというなら、業務を縮小し、余分な人員の他部署への異動だけで済むことだ。
果たして「費用対効果」があるこのなのか、疑問である。
まして、自民県議でさえ「バスの搭乗率保証」とよぶ、バス会社に生じる赤字補てんの事業まで補正予算で空港事業に増額して行おうというときに空港部廃止とは、意味不明。
9月議会の論戦が興味深い。
特に「バスの搭乗率保証」については、どの政党が賛成し、あるいは反対したのか、後世のためしっかりと明記しておきたい。

追記:バス会社に生じる赤字ってどうやって認定するのだろう。言い値でやっていたら相手に収益が生じかねないだろうに、経営分析でもして原価を認定するのだろうか・・・

新型インフルエンザ流行時の最大入院患者数推計

2009-09-13 20:43:00 | 新型インフルエンザ
昨日はテニスの試合の予定が突然の雨で中止に。
そこで、以下の推計を行ってみたので公開する。

厚生労働省から平成21年8月28日付けで発出された「新型インフルエンザ患者数の増加に向けた医療提供体制の確保等について」(厚労省HPに原文あり)で示された「新型インフルエンザ(A/H1N1)の流行シナリオ」。
ここで、中位推計で国民の20%が、高位推計で国民の30%が発症するとの前提の下、
全国で重症化した入院患者のために必要な病床数(最大入院患者数)は、
中位推計時で46,400人分、
高位推計で69,800人分
が必要との試算が示されている。
この厚労省の資料をもとに、昨日、私的に本県における県内市町単位の必要病床数(一人5日間の入院を要するとして推計された「(時点)最大入院患者数」)を試算したのが以下のHP上の試算である。
http://hp1.cyberstation.ne.jp/shizuoka/suikei.htm

静岡県は全国に比べ入院率の高い高齢者と15歳未満の子どもの構成比率が高いため、
高位推計時、
全国で10万人当たり54.5人の最大入院患者数が、
静岡県では、10万人当たり55.1人
と、高くなっていることが分かる。
市町単位でも、高齢化率の高い地域で比較的最大入院患者数が多くなる傾向が認められる。
さて、川勝県政の下、果たして十分な体制が取れるのか?見鰍ッ唐オにならなければいいのだが。

行政委員報酬見直しへの障害は、やはり役人 (第二部)

2009-09-10 21:34:00 | 行政委員報酬
今日は2部構成。前段http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/470.htmlの続きです(先に第一部からお読みください)。

今日開催の「静岡県特別職報酬等審議会」委員の構成と出欠状況は以下のとおり。
・天野敬久(日本労働組合総連合会静岡県連合会事務局長):欠席
・海野泰男(常葉学園大学学長):出席(会長に選任)
・佐々木右子(弁護士):出席
・土屋京子(静岡県消費者団体連盟副会長):出席
・長野蝶子(静岡県地域女性団体連絡協議会会長):出席
・増田恭子(静岡県商店街振興組合連合会理事長):欠席
・増田玲司(静岡経済同友会静岡協議会代表幹事):出席
・御室健一郎(静岡県商工会議所連合会副会長):出席
・望月眞佐志(静岡県信用農業協同組合連合会経営管理委員会会長):欠席

個々の委員の主要発言の要氏i行政委員報酬に係る審議部分のみ)は以下のとおり。
以下、発言順

御室健一郎委員:
・非常勤行政委員のの活動実績1日とは8時間相当のことか。
(1回の会議等を1日とカウントしている。1日に2回なら2日とカウント。)
・非常勤行政委員の活動実績に係る(日ではない)時間の資料はないのか。
(県人事室長:実際何時間なのか手元に資料がない)
・非常勤行政委員の時間当たりの報酬額を出してほしい。

増田玲司委員
・非常勤行政委員の報酬は日額にすべきではないか。

長野蝶子委員
・非常勤行政委員は何時間くらい勤務しているのかわからない。

佐々木右子委員
・非常勤行政委員の責任、勤務実態、審議内容、いずれも不明。明らかにしてほしい。

土屋京子委員
・(県が資料として示した全国第3位の)県民所得は大きいかもしれないが、行政の収支が厳しいことはよく知られていること。(非常勤行政委員の報酬が)こんなにたくさんあったと初めて知った。月額から日額は賛成。

海野泰男会長総括
・非常勤行政委員会各委員の、職務内容、勤務実績、責任の度合いを明らかにしてもらって、報酬にどう反映させていくか考えたい。次回、各委員会の事務局から説明をお願いしたい。

以上が概要である。

開催されてもされなくても、さらに、出席してもしなくても毎月報酬が出るという非常勤行政委員の月額制がおかしいことは議論を待つまでもないことだろう。
内容が高度で事前準備が必要な職責なら、国の審議会委員同様日額をその職責に見合った額にアップすればよいこと。
委員の意見はもっともなものである。

さて、今回はかなりまともな意見が相次いだが、問題はこれから。
空港関係含めこの手の第三者機関審議を多く傍聴してきたが、威勢がいいのは最初だけということが多い。
というのも、第一回後に何があったのかというように最後は行政(事務局)よりの意見になびく姿を何度も見てきているからだ。
さらに、今回欠席の委員の巻き返しも予想される。
というのは、大津地裁で違法とされた労働委員会の非常勤委員月額報酬の恩恵を最も受けているのが労働組合の連合だからだ。川勝知事の支持母体であもある。
今回欠席の労組委員が日額制にどう抵抗するのか、注視していきたい。

行政委員報酬見直しへの障害は、やはり役人 (第一部)

2009-09-10 21:33:00 | 行政委員報酬
今日は「静岡県特別職報酬等審議会」の傍聴のため静岡に行ってきた。
審議内容の中に「非常勤の行政委員の報酬の額及び支給方法」が入っていたからだ。
というのも、9月2日に公文書開示請求を行っている(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/464.html)のが行政委員の報酬・審議実績に関する文書で、この問題がターゲットになっている最中の審議ということでグッドタイミングの動き、見逃せるわけがない。
行政委員の報酬問題についてはこのブログでも既に何度か取り上げているところであるが、発端は今年1月の大津地裁判決(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/328.html
オンブズマンの提訴で勝訴し、滋賀県は控訴して現在高裁で審議中であるが、第3回弁論期日の10月2日後のそれほど遅くない時期に月額支給違法の判決が確定することは確実な情勢となっている。
全国でも行政委員の報酬に関するオンブズマンの追及が始まっているが、7月14日に全国知事会がまとめた「国の施策並びに予算に関する提案・要望」の中でさえ「各都道府県においても、行政委員の報酬や再就職先における職員の退職金のあり方等について、各都道府県の実情を踏まえて検討・実施するなど、住民の理解を得るためにさらに一層の行革を進めるとともに、国に対し徹底した無駄の排除を求めていく。」として無駄のあることは認めているところであり、今後の焦点は、違法か適法かの問題から、いつ見直すか、既に支給された違法な報酬を不当利得としてどこまでさかのぼって返還させられるのかというところである。
オンブズマンの分科会の中では、5年にさかのぼって返還請求できるとして、一人1千数百万に及ぶ返還額になる例もあるとの説明もあり、早急な条例改正をしなければ受給者の被る被害額は増える一方との指摘もあった。

さて、問題の今日の審議であるが、冒頭知事が「たとえば活動頻度が低いものは日額へ」というように誘導が見られたように、配布された資料も恣意的なものだった。

お粗末な収用をした収用委員会を例にあげれば、平成20年度の年間活動実績は18日で月額報酬は会長が172,000円(年間2,064千円)委員が146,000円(年間1,752千円)。
つまり、県の役人が作成した資料では一人1日当たり約十万円の報酬ということだが、手元にある他県の資料と比べると活動実績日数が多いことに気付いた。
委員と県の質疑などから明らかになったのは同じ日に委員会と会議を連続して行った場合は2日とカウントしたり、視察なども含めているとのこと。
審議の実時間が今日の審議会同様1時間程度とすれば、時給十万円ということになるわけだ。正しい数字・算出根拠を示すべきが世間の常識ではないのか。

県民に正しい情報を隠し、そこまでして守りたいものとはいったい何なのか、お役人に問いたいものだ。

(長文のため今日のブログは2部構成の第2部http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/471.htmlへ)