明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

ロードサイドのほのぼの食堂 西立川『ふじみ食堂』

2023年02月19日 | 定食、食堂
以前、『喜楽』さんのときにも記したが、立川駅の周辺は、気軽に利用できる個人経営の大衆食堂が見当たらない。
今回紹介する『ふじみ食堂』も、立川駅からは徒歩約30分と、歩くのはしんどい距離だ。
最寄り駅はモノレールの柴崎体育館になるが、ややマイナーなので、ブログタイトルはJRの西立川駅にしておいた。
立川駅からバスも出ており、なぜか「バス停」と書き込んである(笑)、富士見町七丁目停留所からはすぐだ。


こちらがお店の外観。タバコ屋さんと、昔懐かしい公衆電話も併設してある。

※看板中央のキャラクターは後述

入口のノレンには、「創業55年」と印刷してあるが、このノレンは数年前から変わっていない(笑)。
食べログでは1962(昭和37)年オープンになっているが、調べたところ1963年説もある。
まあとにかく、60年近い歴史を誇る老舗食堂なのは間違いない。
お店は、交通量の多い新奥多摩街道沿いにあるため、車でやってくるお客さんも多く、大きめの駐車場も完備。
ファミレスやコンビニがなかった昭和の時代は、ドライバーにとってロードサイドの貴重な食堂だったはずだ。

こちらのお店は、先月ここで、「2023年初食堂」として紹介している。
食べたのは「スタミナ丼セット」+生玉子だったが、このときが通算3度目の訪問。


初訪問は今から2年前。コロナ禍で公共の交通機関使用を遠慮し、ウォーキングを始めた頃である。
こちらは卓上メニューの麺類、ご飯もの、別紙のおつまみ類。「ラーメン」500円など、全体的にお手頃価格。


初代店主が中華のコックを雇い、現二代目店主が引き継いだので、中華メニューが多い。
こちらはメニュー裏側。一品料理にセット、そしてドリンク類。


「オムレツ」「ポークチャップ」などの非中華メニューもあるので、カテゴリーも「定食・食堂」にした。
どちらのメニューも、撮影したのは今年だが、初訪問以来、ありがたいことに価格は変わっていない模様。

初訪問時に頼んだのは、大好物の「五目そば」650円と「餃子」500円。当時、酒類提供は禁止されていた。
厨房のおじちゃんが手際よく調理し、ほぼ同時に料理2品が運ばれてきた。


餃子は、多めの油で焼いたのか、パリッとした食感。ニンニク控えめで、中華屋さんというか家庭寄りの味わい。


個人的に、五目そば=塩スープという印象があったが、ふじみ食堂さんのは醤油スープ。


伊達巻きやカマボコなど具だくさんで、五目どころか十目はあったはず。これで650円は嬉しい。
すべてたいらげ、お会計をお願い。店内はそこそこ広く、4人用テーブル×9と、客席も多いのだが、
おばちゃん店員が常に3人ほどいるので、料理も会計も、待たされることはない。

2度目の訪問は昨年の冬。酒類は解禁され、飲んでいる先客も数人いた。
私は珍しく仕事があり、この日もお食事だけ。頼んだのは「ポークライス」600円と「水餃子」550円。
まずはポークライスが、スープと一緒に登場。彩りにグリンピース、スプーンの下には福神漬けも。


チキンライスのポーク版、要するにケチャップご飯を予想していたが、味付けは…醤油ベースだと思うがわからん。
食べたことはないが、「ニラレバー炒め」などの炒め物に使用するタレを、ポークライスに流用しているのかもしれない。
焦がしたような香ばしさが食欲をそそる、「チャーハン」とも異なるテイスト。甘口の福神漬けも合う。
少し遅れて水餃子が登場。焼き餃子と同じものが、具材と一緒に醤油スープに入っている。


ポークライスのと同じスープだと思うのだが、水餃子の方がほんのりゴマ油が香る。


ただし、飲み比べてみると、ネギなどの具材で薄まったのか、ポークライスのスープの方が濃くてウマい。
具材は普通のラーメンとは違い(さきほどの「ミニラーメン参照)、チャーシューや青菜はなく、
形状が異なるネギとナルト、そしてメンマの代わりに竹の子とマッシュルームが入るのが面白い。


水餃子のスープだけ少し残し、会計を済ませてお店を出た。さっき書いたように、目の前は交通量の多い道路。
信号待ちは面倒なので、横断歩道から離れた場所から、車が来ないスキに渡ろう…と様子をうかがっていたところ、
お店のおばちゃんが外に出てきて、「お客さ~ん!」と呼び止めるではないか。
ムチャな横断を怒られるのかと思いきや、「忘れ物ですよ」と、客席に置き忘れていたネックウォーマーを届けてくれた。
わざわざ駆け足で届けてくれたご厚意に、「ありがとうございます!」と最敬礼し、
その後は、いいトシこいておばちゃんに怒られないよう(?)、ちゃんと信号のある横断歩道を利用した。

ふじみ食堂さんのようなロードサイド食堂は、勝手な印象で申しわけないが、気の荒いドライバー客が多く、
酒を飲んで騒いだり、時には店内で暴れるのかと思っていた。※元ネタは昭和の映画『トラック野郎』
50年くらい前は、そんな輩もたまにいたかもしれないが、現在はそんな時代錯誤な客はいるはずもなく、
明るく元気なおばちゃんたちが仲良く働く、ほのぼのムードのお店である。
また、写真はないけれど、お店の外では金魚や亀(現在は冬眠中)も飼っており、お子さん客を喜ばせている。
さらに、ほのぼのムードに一役買っているのが、壁に貼ってある7コマ漫画「ふじみ食堂物語」。


常連客だった漫画家さんの作品らしく、入口看板にも描かれていた、主人公のモデルは若い頃の現店主だとか。
店内に数枚貼られており、それぞれ内容が違う模様。漫画のとおり、かつては出前もやっていたらしい。


ほのぼのとした雰囲気の中、ゆっくりお酒を楽しみたくなり、つい最近、通算4度目の訪問をしてきた。
最初のオーダーは、とりあえず「ビール(大瓶)」600円と、「もつ煮込み」550円。
アサヒスーパードライとグラスが運ばれた直後、厨房から「お通し出まーす」と声がかかり、ミニサラダがやって来た。


ドレッシングで味付けされた野菜をつまんでいると、そこそこ大きな鍋に入ったもつ煮が登場。


「熱いのでお気を付けください」というおばちゃんの忠告に従い、用意された取り皿に分ける。
具材はモツの他、大根、人参、コンニャク、豆腐、ネギ。


味付けは濃すぎずやさしめだったので、卓上の七味をたっぶりかけて食べた。
ビール大瓶を飲み終わり、メニューの「焼酎(各種)」400円について、「ウーロン茶割り」があるのかたずねてみたところ、
「できますよ」と応えたおばちゃんが、すぐに作ってくれた。やっぱり、煮込みには焼酎の方が合うよね。


ビールと煮込みをたいらげ、まだお腹に余裕があるのを確認してから、おツマミを追加。
前々回の『だるまや』さんのときみたいに、最近は急に満腹感に襲われることがあるので、注文が慎重になった。
といいつつ、頼んだ料理は、ボリューミーな「焼肉」650円。前回食べた「スタミナ丼」が美味しかったので。
数分後、焼肉&千切りキャベツという、シンプルイズベストなお皿が登場。
あとから、マヨネーズが容器ごと提供されたので、キャベツにかけまくった。

※一品料理は+250円で定食にできる

分厚いステーキのような肉より、薄い肉を何枚も食べるのが好きな私にとって、こちらの焼肉はまさに望み通りの一品。
タレは甘さ控えめで、量も少なめ。キャベツに浸みこむくらいたっぷりだと、さらに嬉しかったのだが。
ポークライスとは違うテイストだったので、焼肉専用のタレがあるのだろう。
ウーロン割りをお替わりし、だいぶ食べ進めたところで、シメのお食事を選択。
麺類の気分だが、水餃子も含め醤油味は3度食べたので、今回の希望は塩味のスープ。
どれが塩味かたずねたところ、厨房のおじちゃんが「タンメンやちゃんぽんはそう(塩味)だよ」と教えてくれたので、
「チャンポンメン」600円をオーダー。「タンメン」550円と50円しか違わないのならば、お得なはず。
数分後にはちゃんぽんが登場。確かに塩味スープだが、意外にもあんかけタイプであった。


今まで、麺類の横アングルを載せていなかったので撮影。丼は一般的なサイズだ。


ちゃんぽんだけ太麺のお店もあるが、ふじみ食堂さんでは、醤油ラーメンなどと同じ麺を使っていた。
具材はモヤシ、キャベツ、人参、玉ネギ、青菜、きくらげ、ナルト、豚肉など。残っていた焼肉もゲスト参戦。


前回の『弘前軒』と同様、細切りナルトを重用(?)してくれているのは、愛好家としては喜ばしい限り。
スープの塩分はきつくなく、つい調子に乗り、ほとんど飲み干してしまった。
もちろん満腹にはなったが、この日は胃の調子もよかったのか、苦しむことなくお会計。
おばちゃんたちの「ありがとうございましたー」という朗らかな挨拶もあり、帰路の歩みも軽やかであった。

立川駅周辺では相変わらず、新たな飲食店が開業したと思ったら、数ヶ月後には廃業し、別の店に代わっている。
失礼ながら、「ダメだったら撤退すりゃいいじゃん」と、軽い気持ちで出店していないか?  特にチェーン店。
そんな店には、どうせバカな店員&バイトしかいないし、常連客もバカ揃いだろう。 ※該当例多数
私は今後も、そんなお店には一切近寄らず、駅から多少遠くても、
ふじみ食堂さんのように安く美味しく、なにより居心地のいいお店に足を運ぶよ。



ふじみ食堂
東京都立川市富士見町7-37-22  ※「食べログ」と「散歩の達人」の住所は誤り
JR西立川駅から推定徒歩19分 立川駅からは約30分、多摩都市モノレール柴崎体育館からは徒歩約15分
営業時間 10時~14時半、16時~20時
定休日 水、日、祝
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