明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

名前のない餃子店 田町『-』

2018年04月17日 | 餃子
日々働かず、チンタラ過ごしている、ロクデナシの私。
これではいかん、と最近はほんの数日ながら、都内各地で日雇い労働に励んでいる。
職種は一応、自称ジャーナリストなので、出版・マスコミ関係のことをボチボチ。
先日は、浜松町の某社に派遣されたのだが、出社初日に「正田さん、座席割り」と渡されたのが、以下の表。


「なぜこうなる!?」と問いただしたくなるハブんちょぶり(笑)。
ひとり広々とした机でさみしく仕事し、夕方にはお役御免。退社後は、浜松町の隣駅・田町へ。
一生懸命(実際はテキトー)働いた自分に、ご褒美の餃子とビールを与えなくては。
目的は、一部マニアの間で話題になっている、通称「名前のない餃子屋さん」
お店の前に来てみると、「餃子」の赤ちょうちんとのれんはあるが、確かに店名を記した看板はない。


店内はカウンター席のみ。やや古めかしい造りだが、なんだか落ちつく、私の好きな雰囲気。
以前は、夫婦でラーメン店を営んでいたが、その時代から屋号はなかったとか。
現在、夜の営業時間は奥様がひとりでお店を守っており、メニューは定食、弁当もあるが、ほぼ餃子のみ。


私は「ビール中びん」と焼いた「餃子」と「水餃子」を1人前ずつオーダー。
おばちゃん店主は無言のまま、ビールとグラス、豆を盛り付けたお通し皿を出し、調理に取りかかった。


しばらくすると、付けタレと一緒に、焼餃子と水餃子が運ばれてきた。どちらも1人前6個で450円。


調理時間が異なる餃子を同時に提供できるよう計算し、ちゃんと見事な焼き色に仕上げている。
一見、寡黙で不愛想な印象を受けた店主だが、このへんはさすがプロだ。
具が詰まった焼餃子をかじってみると、結構ニラが多く、なかなか個性的な味。


しかし、次の1個をかじると今度は肉が多く、さらに次の1個は、海老の甘味を感じる。
これは、肉、ニラ、少々の海老を、わざと均等にならないように混ぜているからだそうだ。
このやり方だと確かに、肉多めだったり、ニラ多めだったり、いろんな味が楽しめるからね。
なお、上記情報は店主に聞いたわけではなく、置いてあった雑誌の取材記事に載っていたのを読んだだけ。
次々とお客さんが来るので、忙しそうな店主に話しかけて、ジャマするわけにはいかない。
この日の客層は、女性ひとり客や学生コンビ(近くに慶応大学がある)など、若いお客さんが多かった。
もっと偏った、具体的に言えば常連のおっさん客ばかりだと思っていたので意外だった。
ここの餃子は、老若男女に愛されているんだね。

一瞬、店主の手が空いたときを見計らって、ビールのお替りと、無料の「にんにくタレ」をお願いしたところ、
今使っている付け皿に、刻みニンニク主体のタレを追加してくれた。


水餃子の上に、ニンニクつぶを乗せて食べてみたら、中の具材がさらに引き立ったよ。
そういえば、まだ説明していなかったけど、水餃子も焼餃子も中身のアンは一緒。


どちらも、具がパンパンに詰まった、メタボちゃんな餃子だね(←共食いじゃねえか)。
以前はこの他に、キャベツやネギも入った「野菜餃子」もあったけど、最近は滅多に仕込まないそうだ。
これは、雑誌からではなく、私が店主に直接聞いた情報だから、間違いない。
さっき書いたように、おばちゃん店主は基本的にはあまりしゃべらないが、
忙しくないとき(←これ大事よ)に話しかければ、ある程度の受け答えはしてくれる。
営業はもちろん、毎日何個も出る、餃子の仕込み自体も、女性ひとりでは重労働なのは間違いなく、
「最近疲れちゃってね…」と、私の前でつい、自嘲気味につぶやいたおばちゃん店主だが、
彼女の餃子を楽しみにしているファンは多いはずで、これからも元気に営業を続けてもらわなくては困る。
この日、新たにファンの仲間入りをした私もそのひとりだ

ビール2本と具だくさんの餃子2人前で、お会計は1900円。「美味しかったです、また来ます」と告げて店を出る。
田町駅に向かう帰路で、ふと振り返ると東京タワーが。田舎モンの私は、思わず撮影。


高度成長期に建てられた、昭和の象徴でもある東京タワー。
そのふもとでひっそりと営む、餃子店の末永い繁栄と、おばちゃん店主の健康を、願ってやまない。


追記:残念ながら、2019年末に閉店なさったようです

名前のない餃子店 -
東京都港区芝5-25-2
JR田町駅から徒歩約6分 地下鉄三田駅からは推定徒歩約5分
営業時間 11時半~14時くらい 18時~20時くらい
定休日 土、日、祝日
※食べログの営業時間は信用しないように!


コメント
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