しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ファウンデーションへの序曲 上、下 銀河帝国興亡史6 アイザック・アシモフ著 岡部 宏之訳 ハヤカワ文庫

2012-12-09 | 海外SF
ファウンデーションシリーズ第6段ですが時代的にはシリーズで一番古い設定、心理歴史学を見出したばかりの若きセルダンが主人公です。


あらすじ(裏表紙記載)
銀河紀元12020年、惑星ヘリコンから銀河帝国の首都惑星トランターにやってきた若き数学者ハリ・セルダン。トランターで10年ごとに開催される数学者大会で、セルダンは、心理歴史学を応用することにより人類の未来を予言できるという理論について発表した。ところが、故郷へ帰ろうとしていたセルダンに銀河帝国の皇帝クレオン一世から、召喚の知らせが届いた……。伝説の天才数学者セルダンの若き日の八面六臂の大冒険!

銀河帝国の皇帝クレオン一世は、セルダンの心理歴史学を利用して銀河の平和をいつまでも維持しようと考えていたのだ。だが、この理論が銀河帝国の転覆をはかる敵の手におちれば、帝国は崩壊しかねない。その場合はセルダンを殺したほうがましだ、と皇帝は決断する。身の危険を感じたセルダンは、皇帝と敵勢力の追っ手から逃げまわりつつ、心理歴史学を完成させようとするが……絶大な人気を誇る巨匠の傑作シリーズ第6弾

本作も絶版となっており、アマゾンで古本を購入しました。

前作「ファウンデーションと地球」の何やら異様なまでのテンションの高さと比べると肩の力を抜いた感じの展開です。

ただトランターの中での様々な世界の冒険は前作に続き「理想の世界とは?」というところでの迷いがある感じを受けました。

この巻でトレヴィズを主人公にした前二作では出てこなかった「銀河百科事典」の引用が復活しています。
シリーズ1~3の設定ではファウンデーション歴1020年の「銀河百科事典」からの引用ということで物語を進めていましたが、前二作でセルダンプランはおしゃかになったはず...。

セルダンプランは復活するのか??、アシモフ自身も迷っていて本作と、次作「ファウンデーションの誕生」を書きながら成り行きを見極め「ファウンデーションと地球」後の展開を書こうとしていたのかもしれませんね。
(今となっては永遠の謎ですが)

作品としてはファウンデーションシリーズを読んできて煮詰まったところで、肩を抜いて若きセルダンの活躍を楽しむという位置づけかと思います。

アシモフにしては物語を通じて仕掛ける「謎」のキレもないですし、ヒューミンの正体はシリーズをここまで読んできた読者ならすぐにわかってしまうでしょう。
ヒューミンについてはもう一つ仕掛けがあったのですが、次作「ファンデーションの誕生」の裏表紙のあらすじをちらっと覗いたらわかってしまいました....。

ハヤカワさん反則ですよ~

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