十数年前に古本屋で購入(どこで買ったかは覚えていない...)したと思いますが定かではありません。
作品自体は小~中学生くらいの時に(80年代前半)読売新聞の書評で紹介されていて気になった記憶がうっすらあります。
(その記憶があったので買ったのですが)
訳者も私の好きな(訳ではなくその著作がですが)矢野 徹氏。
入手してから十数年、手持ちの未読の本の中でも「読もうかなぁ」という気になる頻度が多い本で、しょっちゅう手にとってカバンの中にまで入るのですが、なかなか読み出しはじめられないでいました。
おかげで表紙はぼろぼろになっています。
![](http://farm9.staticflickr.com/8179/8054910173_77a94d64b2_n.jpg)
なお最近はこちらの表紙になっているようです。
![](http://farm9.staticflickr.com/8450/8054917526_06452f0d41_n.jpg)
新しい表紙の方が内容には合っている感じではありますが、私の中の「人間以上」は古い表紙のイメージです。
今回、意を決して読んでみました。
ざっくりした内容は、「一人ひとりでは社会に適合できない子供たちが実はエスパー的能力があり集まって....」というもの。
読む前のイメージでは、エスパー達が、なにか大きな敵役(宇宙人とかギャング団)と戦うという、アメリカンでマッチョなストーリーを想像していました(ヴァン.ヴォクトの「スラン」的展開、もしくは七人の侍的イメージ...)が、その類ではなく、なかなかしっとりした物語でした。
読了後の第一の感想は、「構成が巧み」ということ。
3章構成ですが、3章とも冒頭は「???」と感じますが、各章「やられた!」という感じで話しがつながっていき、第1章での伏線をしっかり使って終わりまでもって行きます。
「うまいなー」と感心しました。
第1章ははじまりだけあって、かなり力が入っている感じです。
登場人物、エピソードがしっかり描かれており、読むのにも力がいりました。
1章目の主人公「ローン」、1、2章目のヒロイン(?)であるアリシア・キュー及びその父親とのエピソード(ゲド戦記でのテナー的立場と感じた)など強烈に印象に残りました。
1章目で次章以降に登場する主要登場人物は出揃い、「この話はこんな風に進めていくのかなぁ?」という予想が「2章目」で裏切られ、「3章目」でも裏切られうなります。
2,3章目は1章と比べると軽く読み進めれますが、巧妙な構成になんだかとてもやられた気分になります。
ネットの評価など見ると、「ラストが楽観的、安直」という意見もあり、確かにそんな感じもしました。
しかし、こうでもしないと皆殺しにするか、中途半端に終わるかしかないかと思います。
まぁこんなラストで良いのではないでしょうか?
その他感じたこと
・1章目の力の入り方で続いていたらすごい作品になっていただろうなぁ。
作者的に続けられないというのもあるでしょうし、読者がついてこないという事情もあったのかもしれません。
・赤ん坊が出てきますが、サイボーグ009の001のモデルでは?という気がしました。
全体的にサイボーグ009の設定、この作品を下敷きにしているような気も...。
作品発表は1953年、ありそうですが邦訳はこの矢野徹氏の1978年、う~んどうかなぁ、石ノ森氏は原書読んだのだろうか?
(まったく根拠ありません)、う~ん謎だ。
・派手なドンパチはないですし、人間描写も決して言い過ぎることがなく、読者にいろいろ考えさせます。
伏線もきっちり使い切っているし、ガンダムとは違うなぁ(笑)。
・映像化しても映えそうですが、未だされていないようです。
ブラッドベリなども映像化されているようなのでそのうちされないかな??
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作品自体は小~中学生くらいの時に(80年代前半)読売新聞の書評で紹介されていて気になった記憶がうっすらあります。
(その記憶があったので買ったのですが)
訳者も私の好きな(訳ではなくその著作がですが)矢野 徹氏。
入手してから十数年、手持ちの未読の本の中でも「読もうかなぁ」という気になる頻度が多い本で、しょっちゅう手にとってカバンの中にまで入るのですが、なかなか読み出しはじめられないでいました。
おかげで表紙はぼろぼろになっています。
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新しい表紙の方が内容には合っている感じではありますが、私の中の「人間以上」は古い表紙のイメージです。
今回、意を決して読んでみました。
ざっくりした内容は、「一人ひとりでは社会に適合できない子供たちが実はエスパー的能力があり集まって....」というもの。
読む前のイメージでは、エスパー達が、なにか大きな敵役(宇宙人とかギャング団)と戦うという、アメリカンでマッチョなストーリーを想像していました(ヴァン.ヴォクトの「スラン」的展開、もしくは七人の侍的イメージ...)が、その類ではなく、なかなかしっとりした物語でした。
読了後の第一の感想は、「構成が巧み」ということ。
3章構成ですが、3章とも冒頭は「???」と感じますが、各章「やられた!」という感じで話しがつながっていき、第1章での伏線をしっかり使って終わりまでもって行きます。
「うまいなー」と感心しました。
第1章ははじまりだけあって、かなり力が入っている感じです。
登場人物、エピソードがしっかり描かれており、読むのにも力がいりました。
1章目の主人公「ローン」、1、2章目のヒロイン(?)であるアリシア・キュー及びその父親とのエピソード(ゲド戦記でのテナー的立場と感じた)など強烈に印象に残りました。
1章目で次章以降に登場する主要登場人物は出揃い、「この話はこんな風に進めていくのかなぁ?」という予想が「2章目」で裏切られ、「3章目」でも裏切られうなります。
2,3章目は1章と比べると軽く読み進めれますが、巧妙な構成になんだかとてもやられた気分になります。
ネットの評価など見ると、「ラストが楽観的、安直」という意見もあり、確かにそんな感じもしました。
しかし、こうでもしないと皆殺しにするか、中途半端に終わるかしかないかと思います。
まぁこんなラストで良いのではないでしょうか?
その他感じたこと
・1章目の力の入り方で続いていたらすごい作品になっていただろうなぁ。
作者的に続けられないというのもあるでしょうし、読者がついてこないという事情もあったのかもしれません。
・赤ん坊が出てきますが、サイボーグ009の001のモデルでは?という気がしました。
全体的にサイボーグ009の設定、この作品を下敷きにしているような気も...。
作品発表は1953年、ありそうですが邦訳はこの矢野徹氏の1978年、う~んどうかなぁ、石ノ森氏は原書読んだのだろうか?
(まったく根拠ありません)、う~ん謎だ。
・派手なドンパチはないですし、人間描写も決して言い過ぎることがなく、読者にいろいろ考えさせます。
伏線もきっちり使い切っているし、ガンダムとは違うなぁ(笑)。
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