テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

自分のペースで『予習シリーズ』を積極的に活用しましょう  

2018-06-02 21:19:08 | 中学受験


 2月以降、新しく入会してきた子どもたちも、家庭学習の型(エデュコ流)を身に付けつつあるように感じられます。例えば5年生の場合、『予習シリーズ国語』の読解練習、『漢字とことば』の「漢字の書き取り」と「ことばの知識」、『予習シリーズ算数』の「例題・類題・基本問題・練習問題」、「算数名門」「算数御三家」授業の「ドジ問題」等を手がけてくるのですが、この一連の課題を安定的に手がけられるようになり、足並みもそろってきたとも言えます。
 そして、前回の本欄で指摘したような「正解だらけの家庭学習」もかなり改善され、授業前に「この問題タイプがわからない…」などとリクエストする子も出てくるようになりました。本稿では、『予習シリーズ』の自宅学習の意義について再確認してみましょう。

 エデュコの指定教材は、四谷大塚出版の『予習シリーズ』ですが、授業で「予習シリーズを教える」ことを目的としているものではありません。本書は「的確な解説」のついた「自学自習が可能な優れた教材」であり、自宅での「自学自習」を促すものといえるでしょう。
 とはいえ、文字や資料だけから自力のみで、「概念の理解」「問題の構成」「問題の解決方法」などをわかりきることは難解なことです。エデュコが考える自宅での予習的学習の狙いは、「自学自習の学習スタイル」と「課題意識を持って授業に臨む姿勢」の涵養です。大げさに言えば「課題意識を持ってエデュコにくる」ということ、単純に言えば「あれがわからない…、これもわからない…」と言えるようにして塾に来るということですね。

 授業の際、私たちエデュコスタッフの念頭にあるのは、「子どもたちの疑問を解決してあげよう」というものであり、権威主義的に「ものを教える」ことではありません。子どもたちから見て、「あ、そういうことか…」「え、そんな理屈なんだ…今わかった…」「なるほど、この方法はいいな…」「うーん、自信がつくな…」など、と言ってもらえるような授業運営です。
 必然、授業問題は既に答えを知っている『予習シリーズ』の問題そのものを手がけるものではなくなります。「問題の構成」を理解するために、子どもたちに問題条件を提示させながら、協働で白板問題を創ります。「問題の解決方法」を示す際には、「講師と同時に解法図を作成する手順」に徹底的にこだわります。スポーツ競技の練習に喩えれば、得点ではなくフォーム作りに徹底的にこだわるということになります。子どもたちにとって、進歩を感じられる手ごたえのある練習でなければなりません。
 エデュコ通いの評価を「点数ではなくノート評価」とすることは、「綺麗なノート」ではなく、「確かな考え方・確かな手順の滲むノート」「手が動いているノート」に拘ることです。

 ところで、授業教材とレクチャー方法について極端に単純化して言えば、「①教科書を教える」「②教科書で教える」「③オリジナルプリントで教える」等に分けることもできるでしょう。
 仮に、「①教科書を教える」であれば、通塾の必要はなく自宅学習で十分であり、学生講師でも十分ということになるでしょう。その対極と言えそうな「③オリジナルプリントで教える」場合、主体的な学びの楽しみがなく、受講者は戦々恐々とすることすら考えられます。皮肉を込めて言えば「俺様は実力者。だから、言うことを聞け」と講師が押し付けているようにも思えます。
 個人的には、「②教科書で教える」が最も効率的な学習になると考えています。つまり、「教科書を通じて課題を共有し、課題解決を図る」ということです。よく、「中身の濃い授業」という言葉を耳にしますが、それを言い換えると「受講者にとって無駄な時間が少ない授業」と言えるのではないでしょうか。授業前に、『予習シリーズ』を手掛かりとして「課題意識」を共有し、「中身の濃い授業」=「受講者にとって無駄な時間が少ない授業」を展開しようと心がけています。
 念のために言えば、通塾前の自宅学習は「授業で出来るための学習」ではなく、個々の「課題を確認する学習」と定義したいのです。となれば、個々の家庭学習量も異なって当然ですから、エデュコに来たら「ここまで頑張った。でも、これが出来なくて、あれが出来なくて…」と言えるようになれば頼もしい限りですね。
 
 学習の達成度に差がつく一番の要因は、「一人の時の学習の仕方=自学自習力」と言って過言ではないでしょう。「自学自習が可能な優れた教材」といえる『予習シリーズ』を、自分のペースで積極的に活用しましょう。
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