テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

どのような大学で学ぶかまで考えて中学を選択する

2012-10-26 14:05:43 | 中学受験



 日本私立学校振興・共済事業団によると、2011年度には、私立大学572校の39%にあたる223校が定員割れを起こし、2009年度決算では、約4割の226校で赤字だったということです。これまでにも、三重中京大学の募集停止の発表、東京女学館大学の2016年閉校、そして、昨日発表された創造学園大学を運営する群馬・堀越学園への解散命令など、大学存続が予断を許さない状況であることは確かです。
 これらのことは、大学で学ぶということが、社会階層的なステータスを示すものではなくなり、個人のキャリア形成と敏感に関係することへと変化し、受験する側が、厳しく大学を選択する時代になったことを示しているとも思えます。

 大学の側も時代の変化に対応すべく、新しい学部・学科の新設や留学制度の充実などをもって、改革を試みています。グローバル社会を意識して国際教養的な学部学科を新設したり、次世代の強い農業ビジネスを見据えて農学部を新設したり、授業料・渡航費用を援助し留学支援制度を充実させたりと、積極的な方策を打ち出してきています。

 一方、保護者の大学選択意識も強まり、ベネッセ教育研究開発センターが2011年秋に実施した調査によると、「できるだけいい大学に入れるよう、子どもに成績を上げてほしい」と答えた母親は、小3~小6で27%(2007年20%)となり、確かなキャリア形成(生きる術の獲得)につながる大学選びを望む保護者意識が鮮明(露骨)になってきているとも感じます。

 このような状況の中、エデュコ生の中学受験も、将来の大学進学を考えて行わなければなりません。
 個人的にいえば、生徒の多様な進学意欲にこたえられる中学・高校を好ましく思っています。たとえ、全入を保障する大学の付属校であっても、それが大学経営の安定のためだけであれば、お断りでしょう。
 また、進学校であっても、学校の名を上げるためだけに、一部の成績優秀者へのトリートメントだけが目立つ学校も、感心できません。
 
 いよいよ、次年度以降に向けた学校説明会も佳境に入りました。雰囲気はもちろんのこと、説明や資料から、各学校の具体的な様子をかぎ取り、我が子の進学する中学を検討する必要があります。
 一般的な偏差値は、必ずしも、学校の善し悪しを表しているわけではありません。ましてや、立ち止りができない高校受験と異なる中学受験では、偏差値で自己評価をする必要もありません。
 それぞれの学校のシステムが、「我が家の求め」にあっているか、慎重に考えて学校選択をしていきましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6年生 2月1日まであと14週(100日)

2012-10-20 20:12:54 | 中学受験


 今日(10月20日)、エデュコ6年生(20期生)の保護者会を開催し、9割以上の保護者の参加を頂き、2月1日までの「残り100日の学習」を確認いたしました。残り100日とはいえ、言い換えると約14週に過ぎず、週ごとに課題を設定するとすれば、用意周到な活動が求められることになります。

 14週あるとはいえ、冬期講習に2週を要することから、家庭学習とすれば、12週が残されるに過ぎません。
 新しく過去問研究に充てられる週は9週(9回)、2巡目の練習に充てられる週が3週と見積もられます。第二志望、第三志望の過去問研究にそれぞれ4週ずつ費やすとすれば、1週たりとも無駄にはできません。
 第二、第三志望まで含めた受験計画の完成に、猶予はない時期となりました。平日の9時以降でもかまいませんので、個人面談を利用してください。もちろん、電話はもとより、メールでのご相談も歓迎致します。

 また、過去問を手掛ける際の新たな要領も本日確認しました。同意を頂ける部分は早速実行していただきたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6年生 過去問の得点はどれくらいあれば…

2012-10-12 21:00:36 | 中学受験


 「エデュコの答案練習会では合格ラインを超えているのに…、合不合判定テストでもある程度の合格可能性を示されているのに…、でも過去問を採点すると合格最低点を超えられない」という戸惑いは、皆さんが感じていることでしょう。

 さて、この3種のテストのうち、どれをあてにすればいいのでしょうか。答えは、いずれもそれなりの説得力を持ち、あてになるということになります。特徴を確認してみましょう。
 まず、答案練習会での合格可能性判定は、過年度エデュコ生の同時期の実力と比較して行っているものであり、あくまで実力完成途上での見込みといえます。
 また、合不合判定テストでの合格可能性判定も、合格最低点を意識したものではなく、あくまで受験生集団における現時点での相対的位置づけを示した見込みといえます。
 これに対して、過去の入試問題に示された合格最低点は、実力が完成されたとみられる2月の合格者の力量を示しています。

 これらの特徴を踏まえて考えれば、答案練習会で示される合格基準点は、暫定的なものであり、仮に合格点を超えていても予断を許さないといえるでしょう。もちろん、ゴールを間近にした時点での点数ですから、スポーツ競技の予想タイムと同様、かなりあてになるといえるでしょう。逆の見方をすれば、過年度の合格者は、同時期にその点数を取っていたわけで、そのうちその点数になればという考えは、成り立たないということになります。

 合不合判定テストで示される合格可能性も、現時点での相対的位置づけとして、とても参考になります。ただし、このテストは、特定の学校を想定したものではなく、極端ないい方をすれば、受験する学校の入試問題には見られないレベルの問題まで含むものともいえます。実際の入試問題は、高難度の問題が多くを占める学校、逆に基礎的な問題が多くを占める学校というように多様であり、ただただ、合不合の偏差値を上げることに傾倒してはならないことを留意すべきでしょう。

 過去の入試問題で確認する達成度が最も正確に違いありません。ただし、示された合格最低点は、2月時点の子どもたちの実力を示すものであり、単純な比較はできません。結論を言えば、現時点で、合格最低点に20%届かないレベルであっても、発展の余地が残されており、合格が期待できるということです。人によっては、それに足りていなくても合格レベルに到達するかもしれません。
 ただし、ただ、過去問を解いて「…点だった」では、伸長が望めません。合格点を確保するために、どのような問題をできる問題に変えるべきか真剣に考えながら、必要な技能と知識を身につけてください。

●読売受験サポート
「合格への道【カリスマ講師の受験術】」
担当コラムを更新しました。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6年生 「迷宮入り的問題(捨て問を作る)」の真意

2012-10-05 20:42:55 | 中学受験


 9月29日付の本欄で、1割、場合によっては2割程度の問題を「迷宮入り的問題」として、割り切る(捨てる)お勧めをいたしました。はたして、そのような割り切りを持って大丈夫なのか、それで本当に合格できるのか、不安が残るかもしれません。
 
 本稿では、入試本番での結果を例に、少し具体的に指摘してみましょう。これから取り上げる学校は、例年、エデュコの女子児童が最も多く進学する女子校です。2012年2月2日に行われた第2回の試験(第1回分の詳細は、「学校案内」とともに配布される「受験ガイド」に記載されています)で考えてみることにします。
 この試験における合格最低点は、320点満点中の175点(54.7%)となっており、各教科別・設問ごとに、正答率が示されています。本番入試で「6割の得点を目指そう」が、エデュコの常とう句ですが、仮に6割とれば、192点となるわけで悠々合格となります。

 はじめに国語です。正答率が10%未満の問題が4問、そのうち2問は5%に満たない数値です。次に、算数においては、正答率10%未満の問題が4問、そのうち3問は3%に達していません。さらに、社会では、正答率10%未満の問題が4問、そのうち2問は5%に届いていません。最後に、理科では、正答率10%未満の問題が2問あり、2問とも5%未満となっています。
 1割を合否に影響しない「迷宮入り的問題」にしていいことがお分かり頂けるでしょう。算数においては、4問ですから、2割ということになります。
 ちなみに、正答率40%以上の問題だけを正確に解き切った場合、その得点は177点となり、出来たい問題をしっかり手掛けることで、合格を果たせることも分かります。

 ただ、こういえば、「正答率40%以上の問題をノーミスで手掛けることは不可能では?」という思いがよぎるでしょう。
 大丈夫です。たとえば、この例でいえば、正答率30%以上~40%未満の問題が4教科中21問あり、その大半が、社会・理科の選択肢あるいは語句回答の問題です。4択・5択の問題では、子ども達の判断が混乱し、かえって、正答率が低くなるものです。おそらく、このうち、7~8問は正解するはずです。40%以上の問題の解答ミスは相殺されることになります。

 要するに、研究成果のない問題に時間を取られるのではなく、自力解決が可能な問題をどんどん積み上げることが重要になります。問題集の解説を読んで、実際に、解法を真似てみて、よくわからなければ、それが「迷宮入り的問題」と判断していいでしょう。勇気を持って、捨ててください。
 さらに、エデュコで質問する際は、恥ずかしがらずに質問してください。つまり、「簡単な問題を質問すると格好がつかない」「こんな問題も分からないのかと思われたくない」などと考えずに、「6割得点の力をつけたい!」という思いできてください。「この問6が分からない」と言って質問にくるものの、「じゃ、問1から確認していこうね」とやれば、分かっていない問題が多いものです。

泣いてもいいから、絶対怒ったりすることはないから、私たちと一緒に、なりふり構わず立ち向かいましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする