テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

「出来ない問題をやりに来るところが、中学受験塾なんだ!」という割り切りを持ちましょう 

2018-04-21 19:39:26 | 中学受験


 春・新年度を象徴する入学式の時期を終えました。エデュコ25期生の多くの方々が制服を纏い、嬉しそうに来校してくださいました。中には入学式前に届いたばかりの制服を纏い、来校してくれた方も数名いらっしゃいました。例外なく良く似合っており、運命のようなものを考えさせられます。今後も、エデュコには気軽に立ち寄り、中学校生活の様子を教えてください。

 また、卒業生の大学受験等の報告もたくさん舞い込みました。東京大学・国公立医学部などをはじめとする難関校への合格をどんどん果たした模様です。中には、宝塚音楽学校も。同期の4~5人で連れ立ってきた方々、取り急ぎ一人でやってくる方など、皆嬉しさを隠しきれない様子でした。
 例年繰り返される光景ですが、個人的には新しい感動を毎年頂いています。例えば、塾講師生活30年余りで、百数十名の卒業生が東京大学へ入学していますが、今年の合格者の中には、初めて「推薦入試」で合格した方がいらっしゃいました。理科好きで自分の興味関心を満たそうとする姿勢を貫いた方ですね。エデュコへの入塾は遅いグループでしたが、自分のペースで「納得」にこだわった学習姿勢が印象的です。
 また、宝塚音楽学校へ入学した方は、中学受験生のころ「みんなには内緒で」としながら、中学受験勉強とレッスンに励んでいました。入試直前の頃、宝塚歌劇を観に行っていたことが思いだされます。
 春期講習の4コマ目を終え、1日の授業が終えたころを想定して来校いただいたのでしょう。サイドバックの髪型、凛とした佇まいで現れた瞬間、新しい感動を頂きました(入学式の動画は、何回も観ずにはいられません)。
 どちらかと言えばシャイな二人に共通する点は、「他者に勝ちたい」という思考ではなく、「自己実現(自分の能力や個性を実現させたいとする欲求)」の思考をもって物事に取り組んでいらっしゃる、ということです。

 さて、現6年生(26期生)・5年生(27期生)・4年生(28期生)・3年生(29期生)の子どもたちは、ようやく新年度の学習量にも慣れ、授業前に行っている講師の家庭学習点検も阿吽の呼吸でできるようになりました。

 6年生の多くが直面している問題は、算数問題の分量の多さのようです。繰り返しの主張ですが、それぞれの分野における基本的な解法モデルの理解と活用ができれば十分でしょう。
 ですから、「どの領域まで手がけるか」で迷いが生じたら、躊躇なく担任講師に相談してください。入学試験における「応用・発展問題」への対応は、受験校の「過去問集」が教えてくれます。

 5年生の方々に提案したいことは、「エデュコ・ウィークリー・テスト(EW)」への積極的な参加です(無料)。たった30分間の本テスト(算数)の意義は、毎週の解法確認はもとより、「行動によって維持する意識」を狙いにしています。一般的な中学受験塾と異なり、偏差値の付きまとうテストを毎週受験するわけではないエデュコ生の場合、「受験学習にこだわる意識」を担保するものが「EW」と位置付けられます。
 習い事を排除してまでとは言えませんが、「意識づくり」の活動としてご理解いただけば、往復1時間かかっても参加する価値があるものと考えています。現在、8割くらいの参加率です。

 4年生の方々は、家庭学習の要領を得るのに奮闘している状況です。多くの方々が、エデュコの提案する家庭学習法を容認され、道場の練習風景に喩えれば、一様な型に馴染んできたと言えます。
 ここで、留意すべき点は、家庭学習として手掛ける問題のほとんどが「○=正解」で埋め尽くされることの無いように、保護者が表面的な部分だけで子どもを評価しないことでしょう。これまでの学校学習の領域では、いとも簡単に全問正解を続けてきた子たちが、攻略しきれない問題に向かい始めるのですが、「出来ない自分を見せたくない」という気持ちが働くのでしょう、正解だらけのノートや解答用紙を提出してくる子どもは少なくありません。
 私は日ごろ子どもたちに「エデュコは、できない問題をやりに来るところ、できないをできるに変えるところ、あれができない、これができない、と言いながら来てください」と促します。実際、授業では、せっかく来るのだから、全問正解する子がいないように、なるべくお土産(エデュコ内用語のドジ問題で、家庭で再考させる問題)を持たせるようにしています。
 中学受験成功の秘訣として、いの一番に挙げられることは、「出来ない自分をさらけ出すこと」です。親の期待をわかりきっている子どもにとって、「出来る子でいたい」のはよく理解できます。その負荷を取り除いてあげましょう。
 例えば、家庭学習で算数問題の解き方(式や図)が「解答」の通りだったり、国語の自由記述が「解答」の通りである場合、子どもとの接し方を変える必要があると思われます。算数「解答」の式はほとんどの場合、簡略化され、解法式の変化も示されていません。国語自由記述の場合でも、同じ人が2回書いてまったく同じ解答文になることの方が珍しいでしょう。
 「出来すぎる」子どもに、「その調子!」と励ますことは、子どもに掛かる負荷を増やしているようなものと言えます。「できないをできるに変えることが目的ね」という声がけをお勧めいたします。

 3年生は楽しい授業です。エデュコの受験学習体系でいえば、受験カリキュラムに含まれていません。ですから、5週に1回の総合回テストでも、相対的な順位づけも行いません。
 エデュコ3年生学習の狙いは、学校外学習の導入(子どもたちにしてみれば容認)であり、ノートを道具として手を使って考えるエデュコ流学習への肩慣らしと言えます。
 先週(第8回)は、「面積の概念」を単位面積となる正方形の1㎠マスの個数で考えました。公式等には一切触れずに、それぞれが作図しながら考えるのですが、志木4名・ときわ台3名の7人(6年生時には例年60~70人になります)とも合点がいった様子で、嬉しそうに帰っていきました。
 今週(第9回)は、「資料の整理」として、多元的な情報を表に整理したり、グラフにしたりする練習を行いましたが、私と同時進行の形で進める表作りやグラフ書きは、予想を上回る要領の良さで手掛けられた印象です。
 これらの様子は、子どもたちが持ち帰るノートで確認してください。確かな手ごたえのあるノートとして評価できることでしょう。「正解」「不正解」ではなく、思考の道具としてのノートの出来栄え(きれいなノートではありません。根拠・過程が示されたノートです)を評価してください。やる気が持続することでしょう。

 学年を問わず、エデュコ内授業で正解を出せない時、さらに周りの子がどんどん正解している時など、心が折れ自信を失いそうになります。そんな時、唱えてください。
 「出来ない問題をやりにくるのが、中学受験塾なんだ!」
 「出来るに変えられた問題に目を向け、自信を持とう!」
 この割り切りが大切です。
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