テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

夏休み期間は、「星(星座)・月」の様子や動きを確認・理解する好機です 

2017-07-25 16:52:30 | 中学受験


 夏休みに入って、数日が経過しました。エデュコ生たちは、それぞれの「夏休み計画」に基づき、いろいろなアクティビティに参加したり、講習に参加したり、自学スタイルで弱点の補強をしたりしているはずです。
 ところで、「エデュコ通信7・8月号」では、7月31日からの「月の満ち欠け観察」を、観察記録の記し方を含めて、具体的にお勧めしました。その理由は、7月31日の月が「上弦の月」で、南中時刻が18時過ぎであり、月が太陽と入れ替わりのように現れて、見やすい観察になると考えられるからです。1時間ごとの変化、日ごとの変化をしっかり確認してみましょう。

 同様にお勧めしたいのが、「星座の観察」です。七夕伝説とも関連する「夏の大三角」や「春の大三角」を、実際に確認することができることになります。七夕といえば、7月7日とされていますが、ご承知の通り、星は年周運動として1日につき約1度回転するわけで、梅雨も明けた夏休みの期間は、確実におりひめ・ひこ星と、その間を流れる「天の川」を観察することが可能でしょう。
 というより、午後9時頃に天頂(頭の真上)近くで観察できるのは、ちょうど今頃からともいえ、加えて、午後9時前後に、頭上近くで「夏の大三角」、西の空で「春の大三角」を同時に見ることができるのが、この時期7月下旬にあたります。月齢カレンダーによれば、2017年7月25日は月齢2(月明かりは小さい)であり、星の輝きがはっきりしたものになると考えられます。
 ただ、ここで断定的に言えないのが残念です。数日前から、ときわ台公園や自宅近くの公園、自宅のベランダなどから観察を試みるのですが、もとより、夏の夜空に透き通るような星は期待できないうえに、特に、この数日間はうす曇が続き、楽しい観察はできていません。あまり大きな期待はできないのですが、チャンスをうかがってください。

 では、「観察ができるとすれば」という断り付きで、具体的に星座の観察方法を確認しておきましょう。「方位磁針」・「星座早見盤」を用意します。「星座早見盤」を手にして観察する時刻の目盛(例えば、21時の矢印)を観察する月日(例えば、7月25日)に合わせます。これで、地平ばんの窓に見える星空が示されます。
 「星座早見盤」を手に真南の方向(「方位磁針」で確認)を手掛かりとしたうえで、7月25日なら、夏の大三角(こと座のベガ=おりひめ星、わし座のアルタイル=ひこ星、はくちょう座のデネブ)を、天頂(頭の真上)の東寄りにみる事が出来ます。天頂より低い高さにあるのがアルタイル、天頂より北側にあって、右側にこと座のベガ、左側にはくちょう座のデネブが見られることになります(月や星の高度の測り方は、エデュコ通信に示しました)。
 さらに、西の空の低いところには、春の大三角(うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラ)もみえることでしょう。北斗七星の柄を曲線状に伸ばして(春の大曲線)、1つ目の明るい星がアルクトゥルス、2つ目の明るい星がおとめ座のスピカとなるようです。
 ちなみに、「星座早見盤」に示された「星座の形」と実際に見ることができる「星座の形」は同一ではないことに困惑するかもしれません。もともと球体であるはずの空の様子を平面にして表していますから、仕方のないことです。「星座早見盤」での位置・形をヒントにして、実際の夜空で見つけ出してください。

 またこの際、単純な観察だけでなく、星の「日周運動・年周運動の規則性」や「星座早見盤の仕組み」をじっくり考えてみる事も有意義です。
 特に、「1時間に15度ずつ回転する日周運動」は確かな現象として、確認出来ることでしょう。併せて、「星座早見盤」の時刻の目盛や日付を見てみまよう。時刻の目盛なら24時間で360度、6時間で90度、1時間で15度の角度になっていることがわかりますね。星は1時間で、東から西へおよそ15度回転(日周運動)するのですから、当然ですね。
 また、日付なら、12か月で360度、1か月でおよそ30度になっていますから、1日で、東から西へおよそ1度回転(年周運動)することにも合点がいきますね。
 「星(星座)や月」の様子や動きを確認し理解する好機到来です。経験を通した「エピソード記憶」にまさる知識獲得法はないといっていいでしょう。
 それにしても、はっきり見ることができるとうれしいのですが…。今夜の天気も雨模様、向う1週間の天気予報もすっきりとした晴れは見当たりません。機会だけはうかがいましょうね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『四科のまとめ』学習で、確かな得点力をつけよう 

2017-07-08 19:58:31 | 中学受験


 いよいよ、6年生(エデュコ25期生)の総復習学習が、7月9日から開始されます(5年生以下の学年では、7月16日から夏休み学習の開始)。今週までに、ほとんどの6年生から、具体的な夏休み学習計画が提出されました。6年生にとって、夏休み学習は、志望校の入試問題をクリアするための「序章」と言えます。
 「序章」と位置付けるのは、各学校の固有の問題に対して取り組む前の、「基盤整備」にあたる学習といえるからです。多くの私立中学の入試問題は、「共通認識」ともいえる問題(「基盤的な問題」)に、各校がこだわる「分野」「思考法」を乗せた問題の「2階建て」で構成されているとみる事ができます。この夏休みは、この「1階部分」をしっかり固める期間としたいものです。

 算数を例にとれば、開成中学・武蔵中学等の大問3~4題で構成される学校も見受けられるものの、ほとんど私立中学では、1番:計算、2番:小問集合(1番:計算と小問集合の例も)、3番~:独立題という構成になっています。
 さらに、この「1階部分」ともいえる問題群の配点割合は、決して小さいものではなく、その「出来・不出来」が合格・不合格に最も影響すると言っても過言ではないでしょう。

 エデュコ生がよく受験する学校で、配点が公表されている私立中学の例とすれば、
豊島岡女子学園中学:計算問題1問、小問7問 小計5点×8問=40点
吉祥女子中学:計算問題2問、小問5問 小計4点×4問+5点×3問=31点
恵泉女学園中学:計算問題3問、小問4問 小計6点×7問=42点
等を挙げることができます。
 どのような学校の入試においても、6割得点が合格の目安になっている実態を考えれば、なるほど、「1階部分」「基盤問題」が重要と認識されることでしょう。
 ちなみに、例年多くのエデュコ生が入学する近隣の富士見中学でも、計算問題2問+小問6問の計8問、同様に城北中学でも、計算問題2問+小問6問の計8問です。配点の構成比が、推量されますね。
 
 そして、この「1階部分」「基盤問題」に対する学習の中心となるのが、各教科の『四科のまとめ』ということになります。『四科のまとめ』は、決して難解な問題ではなく、算数なら基本的な解法原理、理科・社会なら基本的な知識の確認を行うものですから、しっかり、確実に手がけましょう。「自分の理解ペースで、妥協を許さず」取り組みたいですね。確実に、「わかる」「できる」が増え、確かな得点力が身につくことでしょう。
 「気持ちを切り替えて、頑張ろう!」

 なお、6年生に限らず、夏休み学習の具体的な取り組み方については、本欄2016年7月4日付の「夏休み家庭学習の要領を確認します」を参照してください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする