エデュコの新年度が始まり、改めて、「1週間学習計画表」の作成とその確認を行っている最中です。個別の計画表に目を通して、気になる点をいくつか挙げてみましょう。
算数は、『シリーズ解説』授業へ参加を含む「例題・類題(チャレンジ問題)」、「基本問題」、「練習問題」、「授業ドジ問題」を数日間に振り分けて、とりわけ、重要な教科として位置付けていることがうかがえます。多くの会員の計画表は、非常にバランスよく考えられているといってよいでしょう。
気になる点を挙げると、「授業ドジ問」のやり直し学習が欠落している計画表が散見されることです。繰返しになりますが、授業中に手がける問題とその解説は、一般的なテキストの解説と異なり、「問題構成の見抜き方」「解法の細かなプロセス」「解法図作成の手順」「陥りやすい誤答」などと豊富で、子どもたちの理解が最も深まっているものといえます。その意義において、「授業ドジ問」を手がける利益は大きく、最優先課題として位置付けることをお勧めいたします。
国語に関して言えば、「読解解説」「基本問題」「言語要素」「授業問題の完成」「漢字の練習」などを適度と思える分量に仕分けて、手がけていることが確認できます。
ただ、中には、「授業問題の完成」を除くすべてを1日で終える計画表も散見されました。「言語要素」の学習だけをとってみても、じっくり考える必要があるものが多く、国語も2日以上の日数を設けて手がけることをお勧めいたします。
ちなみに、授業開始前の「家庭学習の確認」において、指摘できる点をいくつか挙げておきます。気になる状況として一言で言えば、「問題を解いてきただけ」という例が少なくないということです。6年生第3回を例に、順に指摘してみましょう。
まず、各回の読解解説の部分は、真剣に読み込んでください。6年生第3回「物語・小説」では、「主人公の言動=心情の変化を追って主題に迫る」ことがテーマになります。「平和な日常」⇒「問題・困難・試練」⇒≪葛藤・対立≫⇒「解決・和解」⇒「成長・自立」というような、場面展開を意識する練習が狙いとなっています。このような読解意識を置き去りにして、唯々諾々と問題に答えるだけでは、回答(解答)能力の向上は望めないでしょう。
次に、読解用文章に出てくる意味の曖昧な語句の意味調べを徹底しましょう。国語力は語彙力に相関することに疑いはないでしょう。読みやすい物語文といっても、6年生第3回「物語・小説」では、「基本問題」においてさえ、“昏睡状態”、“融通”、“誹謗中傷”、“悄然”、“朴念仁”などと、11歳の子どもたちにしてみれば、曖昧・不明な語句が登場しています。本文を理解するだけの目的ではなく、語彙力を上げるという意識で、語句の意味調べを行ってください。もちろん、その意味は、余白に書き込みしっかり自覚してください。
さらに、言語要素の分野に関して言えば、6年生第3回では「同音異字・同音異義語」が取り上げられています。「薬のコウ能」「コウ名心」「災害後の復コウ」「コウ撃は最大の武器」など、漢字のもつ意味をしっかり問い直すものです。入試における漢字出題の狙いそのものでもあり、しっかり、時間をかけて考察してください。
このように、一つ一つの学習の意義を確認すると、相応の学習時間をあてる必要性を感じさせられます。今一度、できることには限りがあるという割り切りをもって、確かな週間学習を持続させてください。