エデュコ28期生の受験学習も、過去問2巡目へと移行しています。過去問演習を繰り返す目的を今一度確認してみましょう。最も多く聞かれる素朴疑問とすれば、①「答えを知っている問題をなぜやるの?」②「同じ問題が出るはずはないのになぜやるの?」③「反復学習はエデュコの学習観の対極では?」などというものです。
まず、お断りしておきますが、2巡目の練習は「何点取れるかな?」でないことは確かです。まさにご指摘の通り、1回答えを承知している問題ですから、実力評価とは言えません。真の狙いは、記憶した答えを記述することではなく、改善点をしっかり振り変えることにほかなりません。
例外なく、第一志望校の1巡目演習時の得点率は40%台にとどまっていたはずです。そして、解答解説・ノート・予習シリーズを参照して改善を図り、改善後の得点率を80%としてきました。ただ、その改善分の40%は「わかる」に届いただけで、必ずしも「できる」にはなっているとは言えません。この部分をしっかり再確認することでこそ、2巡目の目的です(①の指摘とは相容れません)。ですから、2巡目は、ゲームに終わらせることなく、先ず改善点の確認=直しから始めることをお勧めしています。
そのうえで、さらに、制限時間内でどのように実力を発揮するかを念頭に、解答の要領をイメージすることが求められます。ここまで言えば、ご納得いただけると思いますが、一般に、「反復」というのは覚えたこと・習得したことを身に着けるためのものであり、私たちが提案する「繰り返し」は、「わかる」を確かな「できる」に変えることを目的とするものです(③の指摘とも異なります)。
また、問題分析的な視点を持たずとも、同じ問題構成、問の立て方、その解答方法になれることにより、問題への慣れ・解答要領の上達を図ることになります。つまり、「適応力」が自ずと強化され、得点力が増すことを狙いにします(②の指摘も当たりません)。
参考までに、最も多くのエデュコ生が受験する城北中学の入試問題構成を下に示してみましょう。
<2020年度第1回入試>
「算数」
1番:計算問題2問 ①少数分数混合計算②還元算
2番:小問集合 ①割合(食塩水の濃さ)②平面図形(角度)③割合(仕事算)(④場合の数⑤平面図形(周りの長さ)⑥平面図形(面積比と辺の長さ比)
3番:速さ 4番:規則性 5番:立体図形
「国語」
物語文1題
1番:語句の意味選択2問
2番:理由選択
3番:心情表現30字以内自由記述
4番:内容説明40以内自由記述
5番:理由選択
6番:状況選択
7番: 状況選択
8番:状況説明40字以内自由記述
9番:理由説明60字以内自由記述
10番:内容説明30字以内自由記述
11番:理由説明80字以内自由記述
漢字独立題10問
<2019年度第1回入試>
「算数」
1番:計算問題2問 ①少数分数混合計算、②還元算
2番:小問集合 ①数の性質(公倍数)②割合(相当算)③平面図形(角度)④差の問題⑤平面図形(扇形の回転)
3番:速さ 4番:立体図形 5番:数の性質
「国語」
物語文1題
1番:語句の意味選択3問
2番:理由説明40字以内自由記述
3番:心情表現20字以内自由記述
4番:理由説明70字以内自由記述
5番:内容説明20字以内自由記述
6番:人物像の選択問題
7番:理由説明50字以内自由記述
8番:心情選択
9番:理由選択
10番:状況説明70字以内自由記述
11番:主題選択
漢字独立題10問
いかがでしょうか。問題構成には、学校側の熱いメッセージが込められていませんか。だとすれば、受験生は、そのメッセージを汲み取るかのように、律義に、直向きに答えるべきでしょう。
残念ながら、一般に学習塾は、「過去問はだれでも学習することだから、差別化とは言えない。差別化には初見の問題に答える力が求められる」として、塾の指導力を喧伝するポジション・トークを繰り返します(事の本質をかぎ取ることなく聞けば、いかにも正論です)。
「過去問」の演習が滞るなら、エデュコの授業を休んででも、やり遂げてください。これまで、エデュコは受験勉強を続けるには不可欠ともいえるペースメーカーでした。ただ、この期に及んでは、そのペースメーカーも不要なくらい熱中できています。各々の課題克服を最優先させましょう。
さらに強く言えば、「練習で出来ないことは、本番でもできません」。しっかり「できる」を作り上げ、本番を楽しみに待ちましょう。