テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

「私立学校教員の塾訪問」から見えてくるもの 

2011-12-28 09:53:58 | 中学受験
 

 私立中高の先生は、足を使った広報に懸命です。私立学校による塾への広報は、「塾対象説明会」が主ですが、多くの学校が直接、塾訪問にいらっしゃいます。このような訪問は、入試対策室の先生が行ったり、ほぼ全員の先生でシェアして行ったりと、学校によりその体制も異なるようです(もちろん、黙っていても第一志望者が多く集まるごく一部の学校は行っていません)。

 冬期講習直前のある日、埼玉の西地区にある学校の先生が午後7時30分ごろお見えになりました。午後5時まで勤務し、その後資料を持って訪問されるのですから大変です。
 いよいよ受験間近の頃。このような場で確認させていただくことは、学校説明会への参加者数や業者テストから推測される、学校側の受験者数の見立て、合格者数の予定、問題作成方針の変更や合格者決定過程の変更の有無などです(もちろん、学校内における生徒の気質の変化や、教職員の意識変化、学習カリキュラムの変化等も確認します)。

 そのようなお話をうかがいながら、受験するこちら側は、合格ラインの動向を予測し、ここまでの受験戦略に変更の必要はないか自問自答します。首都圏の私立中学受験では、学校と塾(受験生の代理人)どちらの側とも、『選択権』と『拒否権』の双方を持って対峙し、いい緊張関係を作っているともいえます。結論を言えば、共存共栄なのですから、私立学校の先生の頑張りには、私たちも励まされます。

 しかし、中には嬉しくない訪問もありました。「これだけエデュコ参りをしているのに、まだ、一人も受験させていないじゃないですか」と、声を荒げた若い学校の先生もいらっしゃいます。もしかすると、職務命令でいやいやながら塾訪問をさせられたうえに、その成果を問われ苛立っていらっしゃったのかもしれません。
 「申し訳ありません」で済ませましたが、本音を言えば「そのレベルのお話しかできない学校の受験はお勧めできません」ということになります。自らの努力不足を認めるような謙虚さを持つ学校でなければ、今後の発展も期待でないでしょうし、学校内で教職員に委ねられる生徒処遇も、ずさんなものとしか思えません。

 もちろん、保護者対象の説明会などでもいえることですが、たまたま説明にあたった担当者の評価をそのまま学校評価に繋げることは、慎まなければなりません。
 とはいえ、謙虚さに欠けたり、自信を持って披歴できる『学校観』を伝えてこない学校を、いい学校とは思えないのです。
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「冬期講習」が始まりました

2011-12-26 15:57:13 | 中学受験


 冬期講習が始まりました。
 6年生にとって埼玉入試皮切りまで余すところ15日、総復習としての188問がリストアップされた算数をはじめ、同様の狙いで編集された各教科の教材、計5冊(国語は読解編と知識編の2冊)を手がけます。先程終えた算数の時間では、緊張とやる気の表情を見せていました。1日当たり、各教科正味2時間、計8時間の講習開始です。
 自宅学習としては、授業に関連する単元で、自分で確認できるレベルの確認問題を手掛ける1~2時間分の宿題を想定しています。早速、休み時間を惜しんで作業する子どももいます。その意気込みは大事にしたいものです。とはいえ、自宅学習を前提とした授業ではないですので、体調に不安を感じる時などは、努めて睡眠時間を長くとるようなご判断をなさってください。

 もう一方にも、緊張の面持ちの子たちがいます。この冬期講習で初めてエデュコの授業に参加する子どもたちです。中学受験塾の学習カリキュラムが2月から開始されることは、少しずつながら知れ渡るようになったのでしょうか。通塾の予行演習として、冬期講習を利用される方が多くなったと感じます。
 3年生・4年生の授業は、復習コースを除けば、既有知識を前提にしない、はじめに説明ありきの授業ですから、気楽に参加してください。すでにエデュコ会員として通っている方、初めての方の間に差異はありません。
 
 ただ、授業スタイルには少し戸惑うようです。エデュコの掲げる通塾目的は「学習スキルの構築」で、具体的には、子どものノートにおける解法作業の上達を狙いとしています。
 「丁寧にゆっくり記録する」ノート作業と異なり、講師の演示的作業を手掛かりに「自分の考えを展開する」ノート作業を試みることから、戸惑うのも仕方ありません。とりあえず、講師のまねをする、周りの子のまねをするという意識で十分です。それだけで、一人一人にエデュコの流儀が浸透し、共通文化となっていきます。
 帰宅後は、出来・不出来ではなく、ノートそのものをほめてください。おそらく、1講座5日間で1冊の市販ノートが埋まるはずです。

 もう一つの戸惑いに、講師と子どもの関係があります。エデュコでは、親近性を高めることを意識して、講師をあだ名で呼ばせます。今朝の3年生の授業では、すでにエデュコ通いをしている子が「ねえ、ジャム…」と講師に問いかける様子を、複雑な表情で観ていました。

 明日は、「ジャム」、「バリカン」、「ET」、「アンパン」と声に出して見てください。「なに?」ときかれたら、「練習してみただけ」と答えるだけで結構です。
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「19期生の受験計画」ほぼ完成、あとは体調管理

2011-12-22 09:47:32 | 中学受験


 エデュコ19期生(現小学6年生)の受験校が、ほぼ固まりました。
さる12月10日の保護者会には、9割以上の保護者様のご参加をいただき、出願・受験・入学手続きに係る具体的な手順を確認することができました。
 この頃の保護者会で感じることは、「父親の参加」が目立つことです。一般的な高校受験と異なり、中学受験は積極的な選択行動ですから、ご家庭内の共通理解に基づく価値判断は不可欠といえます。お父様の参加を歓迎致します。

 さて、エデュコでは日頃の個人面談はもとより、4月、8月、11月の志望校調査票の提出をお願いして受験校の確定を図ります。また、この時期になれば、ご家庭の側でも四谷大塚主催「合不合判定テスト」の計4回分のデータや、志望校の過去問題への取り組みとその手ごたえ等から、戦略イメージが描ける頃となります。
 個別に、1月校受験の意義、2月1日から続く結果を受けた複線的な出願、2月5日以降の受験の準備はもちろんのこと、冬期講習を除く、残り25日間における優先的学習内容を確認しています。
 現時点で2012年度入試に挑むエデュコ19期生は、志木校・ときわ台校合わせて総計83名ですが、ほぼ全員について受験戦略と残り期間の学習の確認を終了しました。あとは、体調管理のもと、あわてず騒がず粛々と計画を実行するのみです。

 家庭内での受験意思にずれや変更が生じる場合、ご一報ください。特に、お父様が判断にお迷いの場合、夜間・土日の個人面談でも歓迎致しますので、お申し出ください。

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「朝の校門前激励」を開始

2011-12-20 17:09:12 | 中学受験


 2012年度入学に向けた中学入試が、スタートしています。首都圏私立・国立中学の入学試験の実施時期は、12月~翌2月の3ヶ月間に及びます。大別すると、12月~1月に実施されるのが「帰国生入試」や「専願制入試」(中学入試では極稀な制度)で、1月に実施されるのが「埼玉・千葉の一般入試」、2月に実施されるのが「東京・神奈川の一般入試」と整理できるでしょう。もちろん、帰国生入試でも一般入試に組み込んで実施したり、埼玉・千葉の学校でも2月にもう1度の一般入試日を設けるなど、入試日の細かな設定は学校によって様々です。

 エデュコ19期生(現6年生)の本番も、いよいよ始まりました。今日12月20日、東京大学教育学部付属中等教育学校の推薦(専願)入試に1名の会員が挑みました。エデュコ創設以来2人目の受験です。
本校は、昭和38年より6年一貫教育を開始した、中等教育学校の先駆けと言ってよい学校です。受験対策の強化よりも「真の優秀さの育成」を教育方針として挙げており、伸びやかな学習システム(カリキュラム)で、じっくり考えられる型を持った子どもに向いていると考えられます。それゆえ、校風も単純な競争主義ではなく、「学びの共同体」の雰囲気を持っていると評価できます。
 中等教育機関(中学・高校)で染み入る価値観や学習習慣が、子どもに属性の一つとして刻まれるとすれば、学校選びは、真剣になされなければなりません。
 今回受験した子の場合、私から保護者様へ選択肢の一つとして提案し、保護者様が納得のうえ、受験を決断したものです。

 さて、いよいよ、試験会場での激励開始です。今日の入試は推薦(専願)入試ですから、応募倍率がそのまま実倍率となります。例年ですと、男子で約15~16倍、女子で約20倍、「できることをやって、結果を楽しみにしよう」と、一昨日、確認しました。
今朝の私は、6時20分に家を出発、東武東上線志木駅6時28分発池袋行き急行乗車、途中、和光市で副都心線に、新宿三丁目で丸ノ内線に、さらに、中野坂上で方南町行きに乗り換え、中野新橋駅には7時21分に到着しました。その後、徒歩で7時30分過ぎに東大教育学部付属中等学校へ、ドア・ツー・ドアで1時間10分の道のりでした。
 4路線の乗り換えとはいえ、和光市、中野坂上ではホーム移動も無く、公共交通機関の発展で、いろいろな学校へのアクセスが開かれてきていることを実感します。

 学校に到着すると、校門の前には、大手の4塾の講師がそれぞれ1~3名位ずつ、その他3~4塾と見受けられる講師が総計8名、計18名の塾講師が早くから激励に来ていました。(この光景を見る限りにおいては、塾講師はいい人です)
校門はすでにあいているものの、校舎はまだ開けられておらず、事務室前の広場で立って待つ受験生親子が14組。程なく、控室の体育館に案内され、その後は、ぞろぞろ受験生が駅からやってくる流れができました。
 案内された集合時刻は、8時20分。早く着きすぎても待つほかなく、体が冷えることを考えて、「集合時刻の30分前をめどにして登校しよう」を、先の保護者会で確認してありました。果たして…、予定通り、7時50分過ぎににこやかな顔をしたエデュコ生が現れました。こちらが発見する前に、遠くから気付いていたようです。このときの子どもの気持ちは「担当講師が待っていてくれるかな…」という期待です。こちらも「無事会えてよかった」となります。
 試験では「なるべくやさしい解き方、答え方をすること」、合格不合格は自分で決められるものではないから「できることを精一杯やること」、「合格を楽しみにしながら、答えること」を確認して見送りました。

 「伸びやかにやってほしい。失うものは何もない。入学を楽しみにしてほしい」、毎年、そう願うばかりです。2月の受験終了までの50日間。子ども達からの信頼にこたえるよう、絶対に、頑張らなくてはなりません。

*エデュコの合格報告は、創立来、2月の全受験終了後に行っています。

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徹底したい「子どもの安全管理」その2

2011-12-19 11:56:33 | 中学受験


 AP通信の十大ニュースが17日発表され、その2位に、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が挙げられているようです。3位に挙げられたのがアラブの春であることを見れば、今回の震災が世界に与えた影響は、本当に大きかったことが分かります。

 思い起こせば、交通機関の制限や計画停電などによる、エデュコに係った影響も大きく、時間割の変更、補習授業の設定など、毎日の状況に合わせた対応に追われました。ホームページでは、緊急情報を次々と発しなければならない状況が続いたことが思い起こされます。
 また、先の震災においてエデュコ周辺の地域が、被災の中心地となったわけではありません。仮に、直下型の地震に見舞われ、授業中の停電が発生し、子どもの自力による帰宅が困難になることなどを想定すれば、可能な限りの対応策を立てておかなければなりません。

 エデュコでは、5~6週ごとに1回ある総合回を『防災訓練の週』として、各授業の終了前15分間を、防災・防犯意識に関する講話、避難訓練(実際の避難場所まではいかず、建物を出るところまで)に充てています。この講話・訓練は、6年ほど前から実施していますが、実際の災害発生時にどれ位、落ち着いて行動できるかは未知数と言うほかありません。
 保護者の方におかれましても、『エデュコ総合案内書』の15ページ~24ページに掲載の、「防犯・防災の心得」、「災害時緊急避難場所案内図」、「緊急情報のお知らせ・伝達方法」、「防犯・防災訓練日程」にご留意ただきたいと願います。

 話は変わりますが、個人的経験でいえば、3月11日、都内の私立女子中学校に通う長女は、学校での1泊を経験しました。その日その時長女は、部活動終了後、学校近くの駅にいたというのですが、連絡が取れずやきもきしました。学校へ電話を入れると、電話をとった方が即座に、「先程、お友達3名と学校へ戻ってきました」と説明され、生徒の安全を個別に把握した学校の対応に安心したものです。程なく、ホームページには、学校内にいる生徒が所属クラスと出席番号で示され、対応に懸命な学校の姿勢が見て取れました。
 同様に、多くの私立学校が可能な限りの対応を見せたようですが、生徒の安全確認の手際には、格差があったようにも感じられます。『子どもの安全管理』に関する各学校の意識とその表明は、学校選択の際の判断基準として注目されます。
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