エデュコ27期生の答案練習会もいよいよ学力向上を実感させる佳境に入ってきたと言えます。各々が目指す学校の合格点を見据え、「あと15点、あと10点」などとやる気を前面に出している状況と言っていいでしょう。今後は特に、理科・社会の知識整備の完成度を高めることが得点力を高めることに直結することでしょう。
具体的に言えば、「うろ覚え」の知識をより正確な理解を伴った知識に高めることです。子どもたちの頑張りに水を差すつもりはないのですが、答案練習会で見受けられる用語の解答では、曖昧な理解=「うろ覚え」に止まることが原因と思われる事例が散見されます。
例えば、「河川の流れが遅くなる河口に作られる地形は、土地が肥えていて、しかも水利がよいため文明の起こりとも深い関係があります。このような地形は何と呼ばれていますか」という問いに対して、「扇状地」と答える場合などです。正解はもちろん「三角州」。子どもたちにしてみれば、どちらも三角形の地形でイメージして記憶したもので、違いを明確にしていない「うろ覚え」によると言えます。
ここで提案したいのは、漢字の意味を捉えながら漢字で答える練習を怠らないことです(無論、本番で漢字が書けない場合、漢字指定でなければひらがな解答でも可)。「三角州」を理解する際に、少なからず「州」の意味を考えることはあるはずです。理科分野では「砂州」「中州」なども登場します。「州」は川・湖・海等の水深の浅い場所に土砂が積もって出来るものという認識が出来上がることでしょう。
受験該当学年に限らず、漢字を手書きしながらしっかり考えることとしましょう。「用語」を覚えるのではなく、「用語」の意味を捉えたうえで、知識を整備することが「確かな記憶」づくりになるに違いありません。声に出すだけの「用語反復」や親子で行う「読み合わせ」だけでは、「わからないことを覚える」にとどまるかもしれません。
しつこいですが、念のために、他の事例も挙げておきましょう。
「肺は、気管支の先につながっている小さな袋が2億~3億個集まってできています。気管支の先につながっている小さな袋の名前をこたえなさい」、正解は「肺胞」ですが、誤答の例では「ほうはい」などと言うものも見受けられます。一度は「はいほう」と覚えたものの、漢字と無縁の「うろ覚え」により書かれたものと推察できます。もちろん、「気管支から繋がり、毛細血管に包まれた説明図をイメージしていない」記憶方法であることもその一因でしょう。
「月によって太陽の一部または全部が隠される現象のうち、太陽の全部が隠される現象の名前を答えなさい」、正解は「皆既日食」ですが、混同しやすい「金環日食」ならまだしも、ひらがなで「かんきんにっしょく」という答えも見受けられました。一度は「きんかんにっしょく」と覚えたものの、「うろ覚え」の帰結と言えますね。
私たち日本人は、「用語」の意味を「漢字」でイメージしています。イメージを伴わない「用語」を覚えられるはずもありません。ここで例に挙げた「三角州」「肺胞」「皆既日食」などがそうであるように、具体的な説明に納得したうえで、「漢字」という思考道具を使って知識整理をしていきましょう。
5年生、4年生も漢字を使って考えましょう。