テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

6年生 「四科のまとめ学習」を子ども・保護者・エデュコスタッフの三位一体で完成させましょう 

2015-06-15 22:12:58 | 中学受験


 去る6月13日(土)のエデュコ6年生保護者会には、ほぼ全員に近いご家庭からのご参加を頂戴いたしました。私が担当した、ときわ台駅前校でも19名全員のご家庭からご参加いただきました。
 端的に言えば、「四科のまとめ」を手がかりにした「四教科の基盤整備(基本的事項の確かな理解)」を図ることが、夏休みの主要なテーマになるという確認の会でした。

 さて、もう少し、算数の学習に言及してみましょう。少なくない子どもたちが、「算数は一番好きな教科だけど、得意科目になっているわけではない」といいます。確かに、他教科に比べて、学習が手がけやすく、ゲーム感覚に一番近い学習だから好きなのかもしれません。
 では、「好きだけど、得意科目になっていない」子どもの学習には何が足りないのでしょうか。その一番の要件は、「出来なかった問題と、もう一度真剣に向き合い、自己解決を図ること」だといえます。言い換えると「『出来ない』を『出来る』に変える学習」です。
 これまでエデュコでは、学習の約束として「1週間に最低2問のドジ問直し」を奨励してきました。この「ドジ問直し」をきちんと果たしてきた子どもは、「算数が得意な子」になっている場合が多いといえます。

 この学習のこだわりを、改めてしっかり実践できるのが、この夏に予定する『四科のまとめ算数』の学習です。
 その内容は、「割合と比の問題:68問」「平面図形の問題:47問」「和と差の問題:47問」「数の性質:58問」「速さの問題:71問」「規則性の問題:49問」「立体図形の問題:39問」「場合の数の問題:55問」の総計453問で構成されています。
 1問1問をしっかりノートで解き、特に図形問題は改めてその構成を理解する目的も踏まえて問題図を書き出すこととし、問題条件の把握、解法の検討、立式、計算という手順で、十分に納得できる取り組みを心がけてください。
 そのうえで、不可解な問題は「リクエスト問題票」に記して、エデュコ担任に提出し、担任との課題共有を図ってください。

 同時に、「出来なかった問題と真剣に向き合う」姿勢を確かにするために、ご家庭でも「分野ごとの出来・不出来」を『四科のまとめ算数』の目次に整理してみたらいかがでしょう。
 例えば、「『割合と比の問題』では、68問中12問の不正解、『平面図形』では66問中4問の不正解、…」などと把握できれば、子ども・保護者・エデュコで共有できる課題として対策を講じることができます。
 ここで、申し上げたいことは、ご家庭でパパティーチャー・ママティーチャーをやっていただきたいというものではありません。『四科のまとめ算数』というわかりやすい教材を手がかりに、子どもに対する純粋な応援の姿勢を示すということです。威圧的に教え込んだりすることはせず、「出来なかった問題と向き合う真剣に向き合う姿勢」を評価する目的としましょう。実際の問題解決は、講習授業や個別的な質問で実践していくことになります。
 算数を「好きな教科」から、「得意な教科」に変えてしまいましょう。

 ところで、「この夏の重点学習は、基本的な事項の再確認だけでいいのか」という疑問もおありでしょう。もちろん、今後、志望校受験に向けた実践的な力をつけていかなければなりません。
 実践力の強化として挙げられる最も効果的な学習は、「過去問学習」に他なりません。エデュコでは、夏休み終盤から「過去問学習」が始まりますが、各教科の基盤となる力量がついたうえで、固有の学校の主張のある問題に取り組めるといえます。
 そればかりか、重点的に問題研究に取り組める学校数には限りがあり、併願校への対策としても、「四科のまとめ学習」という基盤整備的な学習は、不可欠なものといえます。
 この夏、平易な問題をきちんとできるようにして、さらにその後に控える志望校過去問の複合的な問題の研究に耐えうる基礎力を完成させておきましょう。
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3・4・5・6年生 「学校参観」には積極的に参加しましょう 

2015-06-07 17:23:40 | 中学受験


 新年度になり、2016年度入試の実施要項が発表され始めました。エデュコスタッフも、「塾対象入試報告会」等に出向き、情報収集に努めています。受験生による、私立学校選びのダイナミズムは、かなり短期的な周期で多様な様相を呈するようになってきているといえます。

 現時点においても、エデュコ近隣中学校の2016年度入試要項の変更がいくつか見られ、エデュコ生の受験動向に関わる学校で言えば、桐朋中学、城北中学、光塩女子学院中学などの変更をあげられます。
 桐朋中学は、2016年度入試でこれまでの2月1日入試に加えて、2月2日に第2回入試を実施することを発表しました。これまでの募集定員180名を110名と70名に分けて募集することになり、必然、難易度上層が予想されます。ただし、桐朋ファンの方においては、1回のみの機会が2回になるのですから、実力さえつければ安心して受験できると理解することもできます。また、東京西部地区で、リベラルな学校として引き合いに出される武蔵中学との併願も可能になるわけで、受験する側にとってはうれしい変更かもしれません。
 城北中学は、入試日程に変更はないものの、第1回入試に加えて、第2回、第3回入試においても、インターネットによる合格発表を即日としました。これもまた、受験生にとって、柔軟な受験戦略が組めることとなり、大歓迎の変更といっていいでしょう。
 光塩女子学院中学は、総合型入試を独立させ2月1日に実施し、従来の2月2日入試はそのままで、2月4日に行っていた第2回入試を2月3日に第3回として実施するとしました。光塩ファンにとっては、うれしいニュースです。

 ところで、私立学校の保護者対象「学校説明会」は、主に、学校主催として秋ごろ盛んに行われますが、塾主催の説明会(学校参観)等も春から行われます。
 エデュコが関わる四谷大塚主催の「学校参観」日程によれば、6月8日(月)~6月13日(土)の週に、立教池袋、成城、巣鴨、世田谷学園、城西川越、山脇学園、恵泉女学園、東洋英和、跡見学園、頌栄女子学院、明大明治、栄東等が、6月15日(月)~6月20日(土)の週に、高輪、立教新座、吉祥女子、共立女子、香蘭女学校、大妻、富士見、女子聖学院、十文字、カリタス女子等が、6月22日(月)~6月27日(土)の週に、城北埼玉、芝浦工大、城北、淑徳与野、豊島岡女子学園、鷗友学園女子、普連土学園、東京女学館、西武文理等が、6月29日(月)~7月4日(土)の週に、攻玉社、本郷、海城、光塩女子、三輪田学園、立教女学院等が、さらに、7月6日(月)~7月13日(月)の期間には、芝、獨協、暁星、青山学院等の「学校参観」が予定されています。
 学校内をじっくり観察できる機会ですから、それぞれの実施予定を確認のうえ(四谷大塚ホームページ参照)、参加されることをお勧めいたします。

 「学校参観」や「学校説明会」への参加は、5年生以下での参加こそ有意義ともいえるでしょう。学力到達度での学校選びを余儀なくされがちな高校受験や大学受験と異なり、中学受験は、多様な学校が存在する中での意欲的な学校選びといえます。
 保護者にとって、どのような私立学校があって、我が家の子育て方針に近い学校はどこかなどを考えることは楽しいものです。さらには、学校外学習(進学教室通い)を前提とする中学受験生にとっても、入学したい学校があることは学習動機として不可欠です。
 保護者・受験生・エデュコスタッフで共有する学校選びを練り上げていきましょう。
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3・4・5・6年生 家庭学習は「○の数ではなくやり直しの数」で評価しよう 

2015-06-02 01:16:14 | 中学受験


 エデュコの学習システムを一言でいえば、家庭学習で学習する領域とエデュコ授業で学習する領域を切り分け、なるべく少ない通塾日数で効率よく学習することを狙いとするものです。
 算数学習の具体例でいえば、①予習シリーズの「例題・類題」を題材にして、エデュコ授業の「シリーズ解説クラス」でその解法原理を確認したうえで、②「基本問題」・「練習問題」を自宅で手掛けることで課題を見つけ、③エデュコ授業の「算数完成クラス(3・4年生は算国完成)」でその解決を図るという構図になります。

 上記①・②を経て、③の授業前に家庭学習を確認するのですが、個々の家庭学習を見る限り、改めて家庭学習の質を再確認する必要がある子どもが見受けられます。家庭学習の狙いは、いわゆる「出来・不出来」を問題類型ごとに確認し、「不出来」とみるべき問題を授業前に担当講師に告げることにあります。
 この観点で見たときの子どもたちの実態はというと、「家庭学習ノート」の問題番号に「わからない」「質問」「リクエスト」などと書き込んでくる子から、極端に言えば正答にたどり着いていないにもかかわらず「マル」をつけてくる子まで見受けられるというものです。

 前者に該当する場合は、問題意識をしっかり持ったやりがいのある勉強になっているといえるでしょう。一方、後者に近い場合、私たち講師はもちろんのこと見守る保護者の姿勢も、「やったの?」「ちゃんとできた?」という接し方ではなく、「どれがわからない?」「どんな質問事項がある?」というような、子どもの本音を引き出す接し方が求められるといえるでしょう。
 例えば私の場合、「わからないことを、わかったことにしない勉強をしようね」とか、「全部マルだったら、エデュコに来る必要はないのだから、堂々とできない問題を言ってきてね」というような言葉がけをするのですが、実力に見合わない多くの「マル」をつけて見せたがる子どももいます。
 気長に「子どもが自分をさらけ出す勇気」を持てるよう、はたらきかけなければなりません。

 単純に言えば、講師や保護者が子どもに「マル」の数を求めすぎないことが肝要といえます。そして、一定の量を前提に「ちゃんとやった?終わった?」とか「出来たの?」というような、量的な目安をよりどころにして子どもを評価することも慎まなければならないとも言えるでしょう。
 家庭学習の評価は、講師・保護者の両面から、量や「マル」の数ではなく、葛藤のあるノート(やり直しのあるノート)か否かを観点に、問題解決意識の度合いを測りながら行いたいものです。
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