テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

時間が制約されない今、積極的に「欲張り学習」「前倒し学習」を試みましょう。

2020-04-09 19:10:31 | 中学受験


 新型コロナ肺炎感染症の厳戒態勢の中で行ったエデュコの春期講習では、「入室時の消毒、自己検温(申告表記入)、エデュコ内での検温、授業の合間の手洗い、ハンカチの携帯、私語の自重」等、参加者全員が共通理解をもって実践できたといえます。また、凡そ15分おきに行われた授業中の「窓開け換気」の際でも、静粛な雰囲気で問題に取り組む子どもたちからは、真剣な意識が伝わってきました。

 子どもたちの立場で言えば学校の再開が待ち遠しいのですが、その目途も立たず、学習面に限らず毎日の過ごし方を模索しているように思われます。
単純に考えれば、例えば1か月間の休校延長の場合、相応の夏休み期間短縮なども予想されます。だとすれば、受験生にとって夏季に予定する学習を前倒しする必要も生じてくるでしょう。
 その様な状況を想定した場合、今、どのような学習を手掛けておくべきか、学年ごとに考えてみましょう。

<6年生>
1:エデュコ学習
→予定回期通りの学習になりますが、「1週間学習計画表」に基づいて、普段に増してじっくり時間をかけて、考え方を「見える形」にして、「わかる」そして「(再現」できる」を積み重ねましょう。現在、WEB配信授業になり、その配信が後追い状態になっていますが、自分の理解ペースで手掛けられる利点もあります。

2:『四科のまとめ』学習
→この教材の特徴は、例えば算数でいえば「基礎的な解法モデル」の再確認ができることです。ですから、従来のエデュコ学習体系では、『予習シリーズ算数6上』を終了後の7月度後半において、「負荷の小さい自学自習用教材」として、各々のペースで手掛けることをお勧めしてきました。休校期間が長くなり、日中の時間活用が可能になる場合、この『四科のまとめ:算数』をどんどん手掛けていいでしょう。
 同様に『四科のまとめ:国語』も「読解編」・「知識編」とも、どんどん進めていいでしょう。
 「四科のまとめ:理科』『四科のまとめ:社会』は、どちらかと言えば、「覚えておきたい項目の整理」ですから、例年通り、夏期講習のロジカル学習と併せて手掛けるほうが効果的と考えられます。

3:『実力完成問題集 理科・社会』学習
→『四科のまとめ:算数』が「基礎的な解法モデル」だとすれば、本教材は入試問題レベルに近い「実践問題集」と言えます。ですから、例年と比べて自学自習時間を多くとれる今、きちんと取り組むことをお勧めします。繰り返しの主張ですが、理科・社会の場合、問題を解くことで、より正確で体系的な知識整理ができるといえるでしょう。

 以上の学習案は、エデュコ生全員にとって必須というものでもありません。各々の優先課題は異なりますから、担任講師と相談してください。

<5年生>
1:エデュコ学習
→予定回期通りの学習になりますが、「1週間学習計画表」に基づいて、普段に増してじっくり時間をかけて、考え方を「見える形」にして、「わかる」そして「(再現」できる」を積み重ねましょう。現在、WEB配信授業になり、その配信が後追い状態になっていますが、自分の理解ペースで手掛けられる利点もあります。

2:『演習問題集 国語』学習
→4年生と比較して学習量が多くなった今、かつて手掛けていた『演習問題集 国語』を手掛ける時間は無くなり、加えて上達をすぐに確認できない性質からか、「手が回らない教材」になっていました。とはいえ入試本番では、算数よりも手堅く得点できる教科が国語です。2日につき1回分位の演習は可能でしょう。

3:『演習問題集 理科・社会』学習
→理科・社会の場合、問題を解くことで、より正確で体系的な知識整理ができるといえるでしょう。例年、一部分の会員の方々が手掛けますが、この際は、多くの方が手掛けられるとみることもできます。時間が許す限り、積極的に手掛けることをお勧めいたします。

 他、算数解答の技能といえる「計算力」を確かにしたい場合、計算練習ドリルをしっかり手掛けられる期間でもあります。具体的な教材については、担任講師とご相談ください。

<4年生>
1:エデュコ学習
→予定回期通りの学習になりますが、「1週間学習計画表」に基づいて、普段に増してじっくり時間をかけて、考え方を「見える形」にして、「わかる」そして「(再現」できる」を積み重ねましょう。現在、WEB配信授業になり、その配信が後追い状態になっていますが、自分の理解ペースで手掛けられる利点もあります。

2:『演習問題集 理科・社会』学習
→エデュコ4年生で理科・社会を手掛けている方は、まだ少数派です。例年、算数学習の確かな手応えを感じられるようになってから手掛けるのですが、時間の余裕を感じられれば、『予習シリーズ理科』『予習シリーズ社会』とともに手掛けていいでしょう。

<3年生>
1:エデュコ学習
→予定回期通りの学習になりますが、「1週間学習計画表」に基づいて、普段に増してじっくり時間をかけて、考え方を「見える形」にして、「わかる」そして「(再現」できる」を積み重ねましょう。現在、WEB配信授業になり、その配信が後追い状態になっていますが、自分の理解ペースで手掛けられる利点もあります。

2:学校学習
→エデュコの4年生以上の場合、受験学習が学校学習の上達をも包摂すると考えることが可能かもしれませんが、3年生の場合、中学受験を視野に入れているとはいえ「大は小を兼ねる」かのような発想は危険かもしれません。
 ますは、小学校3年生の「学校学習内容」に抜かりが無いように、学校が休校であっても、学校教科書を使い、しっかり自習してください。

3:読書
→中学受験学習が本格化すると、それまで楽しんでいた読書の時間も減少することがほとんどのようです。一概に、読書量=国語力とは言い切れませんが、現在の読書力よりも背伸びをして読む力が求められるのが、中学受験国語です。さらに言えば、読書の質を「鑑賞の読書」から「共通理解にこだわる読書」にしっかり変えなければなりません。
近年、エデュコ3・4年生によく読まれる作品としては、『トムソーヤの冒険』『チョコレート戦争』『ガラスのうま』、そして中学受験頻出の『くちぶえ番長』などもあげられます。

 今回の学校休校を自学自習期間と捉えれば、誰にも急かされず、じっくり勉強を楽しむ絶好の機会です。やりくりできる時間と具体的な学習教材を定めて、安定感のある学習を心がけましょう。
 特に6年生は、受験学習の時間が制約されない今、積極的に「欲張り学習」「前倒し学習」を試みましょう。
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