10月第2週では、5年生・4年生の「
エデュコ後期第5回総合回テスト」が行われました。当然ながら、5年生・4年生の答案からは、まだまだ、「学習方法」「解答方法」両面において、多くの課題(=発展余地)を指摘することができます。教科毎に例を挙げてみましょう。
まず、算数の答案から感じられたことは、授業を通して身につけたい「解法スキル」が答案に表れていない場合が見られることです。「推理のための表作成(4年生)」、「円周角を求める際の半径の書き出し(4年生)」、「平行条件に着目した同位角・錯角の記入(5年生)」、「辺の長さ(比)の図形内への記入(5年生)」などが本テストの範囲に該当しますが、ただ、計算式を書いて答えを求める答案が散見されました。当然ながら、そのような場合、得点に結びついているわけではありません。
授業ノートで練習した解法を、自宅学習でもテストでも用いること、つまり、安定的な「解法の型」を持つことを常に意識する必要があります。
次に、国語ですが、設問に呼応する解答になっていない場合が見られます。例えば、「~とはどういうことですか」という問に対して、「~だから」と答えてしまったり、「なぜそのようなことが言えるのですか」という問に対して、理由を挙げず「~した」で済ますような、解答文になっていることなどです。
正解を目的に「あれに気づいていない…、これに気づいていない…」と指摘するよりも、まずは、これもまた、解答の「型」をしっかり意識することを心がけましょう。
乱暴な言い方をすれば、子どもたちの読解は多様であり、的を射た解答を要求すること自体に無理があるかもしれません。ですから、テストに解答する際の流儀といえる、設問に呼応する「型」の解答文を書くことだけは、強く心がけたいものです。これができれば、決して、国語が苦手な子とはいえないでしょう。
社会では、やはり、固有名詞の漢字による記述解答が課題になります。ほとんどの中学入試では、漢字での解答が一般的であり、ごまかすことができません。今回の4年生の問題でいえば、「淡路」、「琵琶湖」、「志摩」、「真珠」、「濃尾」、「若狭」、「青函」などが、本来4年生には難しい漢字といえます。言えることは、「読める(わかる)」ではなく、「書ける(できる)」ことが求められるわけで、必ず、このような固有名詞は書きながら理解していく必要があるということです。つまり、予習シリーズ社会で学ぶ時は、「読んでわかる」ではなく、常に「読みながら書く」という作業を怠らないということです。
さらに、5年生の場合、日本史の問題となり、固有名詞の漢字の難易度が跳ね上がります。例えば、「卑弥呼」・「蘇我馬子」・「鑑真」などが今回のテストであてはまりますが、この後も同様に難解な漢字練習が続くと考えるしかありません。
理科では、いつも心苦しく思うことがあります。その一つが4年生の電気です。豆電球の明るさを答えさせる問題は、一般的ですが、目で確認できる現象を確認する問題だとしても、より正確な理解には、「電気抵抗」・「電圧」・「電流」という概念を基にしたロジックが必要とされるわけで、出題する側からしても割り切れなさを覚えます。
同様に、5年生の「太陽の南中高度」の問題も、いわゆる「空間図形」の感覚が求められ、「太陽」と「地球(地軸)の傾き」、「地球の自転」の関係を正確に把握することが難しかったようです。
このように、どちらかと言えば、理解可能な段階を超えているような単元に関しては、もっともな計算力・想像力がついたと思われる6年生の夏期講習で、じっくり取り扱うのがエデュコ流です。
とはいっても、何でも先送りでいいというわけではありません。今回の範囲でいえば、秋を象徴する動植物(4年生)、ヒトの誕生(5年生)など、理解可能でしっかり認識しておきたい理科的な現象については、見直しを行ってください。
最後に、日常の学習に引き付けてもう一度確認しますと、算数は、「授業で獲得した解法スキル」をしっかり身につけられるように、「ドジノート」を真剣に作成する必要があるということになります。そのドジノートには、正解・不正解を問うだけではなく、「解法スキルは確かか」というこだわりが込められていなければなりません。
国語も同様に、常日頃の練習において、「どこが合ってる、合っていない」ではなく設問に呼応する形の答えになっているかを確認し、さらに、記述解答の場合、自分の答えが正答と思えても、よりよい解答といえる解答例文を真似るなど、解答のスキルを磨きあげてください。○の数ではなく、その作業自体が国語力を高める具体的方策と言えるでしょう。
社会は、「読める(わかる)」ではなく、「書ける(できる)」ようになることを念頭に、極端にいえば、漢字練習のような感覚で取り組んでいいでしょう。結構、記憶に残るはずです。
理科は、「理由が分からない」と感じる場合、担当講師に相談し、どのような理解を持っておくべきか確認するとともに、自然の現象として認識しておきたい事柄は、しっかり復習するという姿勢が必要ということになります。
このように整理すると、エデュコ内テストは、実力到達度を図るだけでなく、日常の学習を見直し、改善点を自覚して、改めていくためにあるものと言えるでしょう。「何点だった」、「何点上がった、下がった」ではなく、さらには、「ここができていない、できている」でもなく、「学習方法において改めるべき点は何か」をテストを通して問い続けましょう。