テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

3・4・5・6年生 中学受験に必要な学習時間は、一概ではありません

2013-05-20 09:16:43 | 中学受験


 エデュコでも5年生になると、中学受験学習は、質・量とも本格化し、子ども達の負担も大きくなります。そして、大幅な学習時間の確保に追われるようになり、いったいどれくらいの時間をかけて中学受験学習に取り組むべきか、判断できないという相談が増えてくる頃です。

 確かに、エデュコ生全員が「1週間学習計画表」を作成し、毎日、定量とも言える課題に取り組むのですが、かかる時間は様々なのが現実です。
 毎日の課題を2時間足らずで済ませる子どももいれば、3~4時間かけないと終えられない子どももいます。よく、前者は「要領」が良く、後者は悪いと指摘されることがあります。
 果たして、そのような見方は正しいのでしょうか。

 一概にそうとも言い切れません。1~2時間で終えているという子どもの中には、「とにかく終わらせればいい」という思いで、いわば、「やることが目的化している」場合も多く含まれているようです。
 逆に、3~4時間(深夜近くに及ぶまで)かける子どもの場合、一つ一つの事柄に納得せずには前に進めず、どうしても逡巡する時間が多いという場合も含まれています。「納得」に強くこだわることは、大切なことです。

 また、早く終えられる子どもが能力が高く、時間がかかってしまう子はそうではないという見方も成り立ちません。1~2時間で終える子どもに対し、さらなる向上を求めて3~4時間の学習時間を求めても、簡単に変われるものでもありません。このように、学習能力の定義づけは、困難なものです。

 ただし、「継続して学習する」能力をつけることが最も大切であることには、異論はないようです。
 傍目には要領が悪く見えても、本人にとっては必要な時間をとっている場合は多くあります。「確かな理解」を「自分なりのペース」で獲得し続けることが肝心で、そのための時間を惜しむ必要はないでしょう。

 要は、取り巻きが、子どもの成長を妨げる学習量にならないよう、助言してやればいいはずです。特に、頑張りすぎる傾向のある子どもに対しては、「やらなくていい範囲」を具体的に挙げて、安心させてやることが、塾講師の存在価値とも言えるでしょう。
 大人の「仕事」には、「生産性」に照らして「要領」が強く求められることは言うまでもありません。それに対し、子どもの「学習」には、「経験」を通して「自己確認」を果たしていくことが求められると言えます。
「要領」に囚われすぎず、じっくり見守っていきたいものです。

追伸
1:中学受験エデュコ要町校(豊島区)を、東京メトロ要町駅4番出口前「要町KTビル4階」に開校します。授業は夏期講習から開始しますが、教室の受付業務は、6月1日から始まります。
また、5月20日からは、開校予定フロアにパンフレットスタンドを設置しておりますので、お近くにお住まいの方は、どうぞ、お立ち寄りください。出口から数歩の近さです。

2:読売受験WEB「カリスマ講師の教え」の担当コラムを更新しました。
雑誌「読売ウィークリー」の時代から担当してまいりましたが、今回をもって、一休みすることになりました。これまでのご支持に感謝申し上げます。
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3・4・5・6年生 父親の役割

2013-05-10 23:25:32 | 中学受験


 エデュコ保護者会への参加や個人面談を申し出るお父さんが増えてきました。これには、「子どもの教育環境管理をほぼ丸ごと母親にゆだねる父親」が多かった時代から、「母親や本人と共に学校選び等を具体的に考える父親」が増えてきていることを実感させられます。

 私たち塾講師の立場からいえば、お父さんの関与の度合いが高まることは歓迎できるものです。特に、学校選びに関しては、これまでも「父親の意見」が大きく関係してきましたから、その「父親が直感や偏見で意見」するのではなく、真剣に「学校研究を行ってくれる」とすれば、喜ばしいことでしょう。
 さらに、学習方法や受験戦略に関する事柄についても、お父さんがしっかり把握してくれるようになれば、「母親をフィルターにして判断」する場合よりも、諸々の決断がスムーズにいくようになります。
 あらためて、お父様の学校説明会・保護者会・個人面談への積極的な参加をお願いします。個人面談は、授業終了後でも承りますので、お申し付けください。

 また、塾からの帰宅につきあうお父さんも目立つようになりました。自宅の最寄駅で待ったり、早く帰宅した日や休日には、車を出してお迎えにいらっしゃる方も少なくありません。このような「叱咤とは異なる励まし」は、子どもにとって嬉しい限りに違いありません。

 あえて、お父さんが気を付けたほうがよさそうな事例とすれば、子どもが手掛ける学習内容への過度な干渉が挙げられます。特に、毎週末、叱咤しながら子どもにレクチャーしたがるようなケースにおいては、その関わり方を子どもが嫌がることが多いようです。
 子どもの立場に立てば、親子という絶対的な関係から罵詈雑言を浴びせられたり、不信感に満ちたくどい説明に長時間つきあわされたり、という様な事になります。なかには、何としても問題を解き伏すために、テキストに案内されている解法とはかけ離れた解法を説明し続け、子どもの負荷を増幅させるようなケースが見当たることも。

 「子どもを得意満面にさせながら、実力を付けていく喜びを持たせる」ことができれば、最高です。くどくど説明するより、たまには一緒に考えてあげて、子どもの確かな理解ぶりを微笑みながら見守り評価してあげる。そうすることで、子どもの学習意欲は喚起されるにちがいありません。
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