テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

出来なくていい問題を切り捨て、出来なければならない問題への対応力をつけよう

2016-11-09 19:27:05 | 中学受験


 エデュコ24期生の過去問演習も1巡目を終えようとしています。子どもたちの手がけ方を見ると、「できるに変えられる問題を自覚している」子もいれば、「やっただけに止まっている」子もいるといえるでしょう。
この時期、最も精力的に意識的に取り組まなければならないことは、得点に結び付けられる問題種をどんどん増やすことです。本番では到底正解できないと思えるような問題に弄ばれることではありません。

 簡潔に言えば、「出来なくていい問題を切り捨て、合格に必要な問題への対応力を確実につける」ことが重要で、受験生本人、保護者、講師の三位一体で、効率のいいスコア・メイクの技術の習得を心がけるということになります。
 繰り返しになりますが、受験生の平均得点率を50%とし、得点分布を確認する目的で作成される入試問題では、簡単に高得点を与えてはくれません。「過去問演習」において、本番で「出来るとは思えない」1~2割に相当する問題は、切り捨てることをためらわないことが求められます。
 
 では実際、合格のために「切り捨てても構わない」問題は、どれくらいあるのでしょうか。ある中学(計3回実施)の、小問ごとの正答率において、10%未満の問題がどれくらいあったかを確認してみました。ちなみに、この中学の入学試験結果は、ほぼ50%の得点率を平均とする正規分布の様相で、合格基準点はほぼ60%でありよく練られた問題構成と評価できます。
 まず国語ですが、3回分の国語問題を小問数で数えれば、計98問ありますが、正答率が10%未満の問題は見当たりません。難攻不落とも言える問題は、国語ではあまり見かけられないと考えられますね。
 次に算数ですが、3回の小問計54問のうち4問(1%、3%、6%、7%)が10%未満の正答率になっていて、全体の1割弱くらいは、幸運なごく一部の受験生しか正解にたどりつけていないことがわかります。
 同様に、社会は126問中4問(全体の2.4%)が、理科は92問中4問(全体の4.3%)が、10%を下回る正答率になっています。理科の場合、いずれも物理・化学分野の計算問題でした。
 また、算数の1教科入試になると、他教科との得点バランスを考慮する必要がなくなり、とことん掘り下げて考えさせる問題が多く登場します。15問中4問が、10%未満の正答率に止まり、その4問の正答率は、それぞれ、0.7%、1.3%、1.9%、3.0%となっていて、「正解してほしい問題」とは別に、「どこまでくらいつけるか見る問題」を織り交ぜていることがわかります。

 このように入試問題の構成を見ると、「合格者と不合格者を仕分ける問題」「受験生の才能を見出そうとする問題」「教務室の教科教育観を伝えたい問題」などが、織り込まれていることがわかります。
 だとすれば、受験する側は「合格者と不合格者を仕分ける問題」について、時間を割いて取り組むべきなのはいうまでもありません。できない問題に拘泥せず、「できるに変えられる問題」をどんどん増やす取り組みをしてください。

 ちなみに、「合格者と不合格者を仕分ける問題」か、そして「できるに変えられる問題」か、どうかは解説を読んでもわかります。本番では到底できないような解答方法を示すような解説が書かれている場合、例外なく、「合格者と不合格を仕分ける問題」ではなく、とっとと切り捨てて構わないと言えるでしょう。さらに、その判別が難しい場合、「過去問質問票」を提出して、講師のアドバイスをもらってください。
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