テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

4・5年生 図形問題では、図形の構成をしっかり理解することから始めよう

2015-05-17 16:44:51 | 中学受験


 エデュコ5年生の算数学習が本格化してきました。2月以降、「倍数と約数」「多角形の性質・円(扇形を含む)・柱体と錐体」「割合(食塩水・売買損益等)」などを学習してきましたが、これまでの子どもたちの学習の様相から、特に、今後の「図形の応用問題」につながる学習方法の要諦を確認しておきましょう。

 「図形問題」に対する姿勢という観点で言えば、これまでの授業において、定規・コンパスを持参しない人が少なくなかったということが挙げられます。子どもたちは、そもそも「図形の構成」に無頓着で、ただ、解答を導き出すことだけを作業目的とすることが多いようです。
 「図形問題解答」の要諦は、等辺・等角などに気づき、それらを問題解決条件として用いることといえますが、問題解決のできない子は、そもそも「図形の構成」を理解していないことが多いといっていいでしょう。「図形の構成」を理解することなく、ただ求積計算だけをする子のノートには、図形の書き込みはなく、まるで計算練習帳のように、計算式が書き込まれている傾向があります。
 もちろん、私たちが家庭学習をチェックする際には、「一つ一つの解答要件を図中で確認することこそ勉強だよ、だから…」と指摘するのですが、そのスタイルを変更するのには時間がかかるようです。

 ひょっとすると、保護者の要求が「量的な目安」をよりどころとして、例えば、「予習シリーズの問題は終わったの?」などというもので、「ノルマを終えることで良し」とする雰囲気があるのかもしれません。
 だとすれば、「手がける量より理解の量」にこだわる必要があります。仮に、すべての問題を終えていなくても、「より意義のある図形を記し、問題解決条件に気づいて」いるノートであれば、十分な成果を得た学習といえるでしょう。そのような場合、私たちは、まず「作業内容の良さ」を評価することにしています。
 同様に、保護者の観点も「内容理解の伴うノートか否か」に留意するものであることが好ましいといえます。

 「図形の構成」の理解を正確にするため、定規・コンパスの利用を促し、そのうえで、図形中に情報を書き入れて考えるような論理的な解法手順になっていることにこだわりましょう(もちろん、図形問題解法のコツを体得していれば、図形はフリーハンドでどんどん描いていいでしょう)。
 私たちも、授業前の家庭学習確認において、「しっかり理解できた問題と途中で頓挫した問題の区別」が明確な学習ノートを評価していきます。
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