エデュコ内も新しい学年体制となり、新しい風が吹いています。それぞれ新学年となり、およそ10週を終えようとしていますが、新入会員の子どもたちもエデュコ道場の流儀に慣れ、学習体制の枠組みが出来たころと言えます。
同時に個々の事情に応じた「家庭学習」の在り様も再検討されてよいでしょう。また、6年生はGW期間の学習についてきちんと準備をしておく必要もあります。
本稿では、GW期間で点検したい各学年の学習方法、6年生では『四科のまとめ・算数』の手掛け方を確認します。
<3年生>
エデュコ流の「書いて考える、考え方を見えるようにして、論理にこだわる」という作業を受け入れることを狙いにしています。エデュコの学習集団形成としては、「めばえ」のような段階の少人数です。授業運営の在り方も、今後ゆっくり参加者が増えていくわけで、エデュコ流の案内を伝え続ける段階です。ですから、保護者の側では、「エデュコに行くのが楽しい」「こんな問題を解けたよ」というような声を子どもから聞ければよろしいのではないでしょうか。
そのうえで、「算数授業ノート」「算数ドジノート」「算数演習問題集ノート」「国語授業ノート」「漢字練習ノート」「国語演習問題解答」という一連の「エデュコ学習の道具」の状態を確認してみましょう。「でき・ふでき」ではなく、学習道具の「整理整頓」を前提にして、確かな学習の枠組みを子どもに意識させることが課題と言えます。
<4年生>
受験学習が始まる学年です。「1週間学習計画」の提出もほとんどの方から頂き、こちらで毎授業前に点検する「家庭学習(予習シリーズ学習)」をみても、皆さんに一定の「型」が出来てきたといえます。ただ、その内容にまで踏み込めば、学習目的に適っていない、答えるだけの作業にとどまっているケースも見られます。
算数であれば、意義ある作図になっているか、論理を表す式は正当かなどが問われますが、その一々を保護者が検証することは好ましいともいえません。図ならば「理解事項がどれほど書き込まれているか」、式ならば「順序だてられ、真に計算し、必要なら筆算まで書かれているか」などを保護者の観点とすることで、学習姿勢は見抜けます。量を目標とせず、確かな思考・解答にこだわる学習観を子どもと共有しましょう。
国語は、「解答」を作成し正誤確認をすることよりも、どのような「読み取りのスタイル」を持つか、どのような「解答方法」を身に着けるかが問われるでしょう。説明的文章なら「重要語句」の見つけ方、文学的文章なら「心情語句」「心情表現」の受け止め方を念頭にチェックを入れる練習に重点をおきましょう。読解を得意にする練習を続けるものです。
毎授業前の家庭学習確認で具体的に指摘し続けるのですが、保護者の観点も同様にして、エデュコと併せた双方から、読解の「型」を作ってまいりましょう。
<5年生>
4年生の頃は、ほぼすべての子どもたちが一様に「予習シリーズ学習」をこなせました。ただ、5年生になると、『予習シリーズ』そのものの学習量が大きく増えます。5年生以上で留意すべきことは、それぞれの体力に見合う学習量を維持することでしょう。特に、算数の手がけ方に工夫が求められます。
算数において中学入試問題の質を仕分けすれば、「一行問題に代表される基本問題」「予習シリーズ例題レベルに相当する標準問題」「予習シリーズ練習問題+αと言える応用問題」「さらに深堀させる発展問題」に分けることができます。
念のために言えば、難関校と言われる中学でも、基本問題・標準問題の多い学校、深堀型の発展問題だけの学校など、様々です。前者は問題種が10種くらい(浅く広く)、後者は4種くらい(予定調和の問題を深く)ということもできます。ですから学習の目安として、どの子も一元的に基本から応用・発展迄こなさなければならないということは言えません。
肝心なことは、算数なら「理解がないまま、物まねで正解する」ことを可とせず、徹底的に「解法原理を理解し、正当と思える解法手順を実行する」ことです。ですから、基礎となる解法原理の理解と習得こそ、量的目安よりもこだわるべき事項といえます。
手がける量が少ないことは、決して、他者と比較して不利益を被るものではありません。思い切って学習量を整理し、「確かな理解の量を確保する」方策へと舵を切っていいでしょう。担任にご相談ください。
<6年生>
6年生は、すべての科目で総復習学習になっています。今後手掛ける教材を順にあげれば、(1)『予習シリーズ6上』、(2)『四科のまとめ』、(3)『有名中学入試問題集』、(4)『受験校過去問』となります。
『四科のまとめ』は各教科の基礎的な事項を確認する教材です。算数は、基礎的解法モデル(基本例題約150例)とその確認問題300問余りで構成されています。国語は読解の方法と解答の型を確認するもので、言い換えの問題なら「定義・同義・対義・具体と抽象・比喩」を、気持ちの問題なら「言動と心情・情景描写と心情」を、理由を問う問題なら「判断基準・事実・心情の変化・経験」を、というような「読解の型」を確認する構成です。理科は4分野において「基本事項の確認」と「典型的実践問題例」、社会は「基本項目の確認」と「地図や資料を用いた問題例」で構成されています。
『四科のまとめ』各教材の使用時期を確認すれば、「算数」はGW期と夏期講習講座に関連付けて、「国語」は夏休み期間の自学教材として、「理科」「社会」は夏期講習講座にリンクさせて、手掛ける予定です。
そして夏休みになると、個々の達成度が異なりますから、基礎項目の再確認として『四科のまとめ』を中心とするタイプ、どんどん実践力を磨くために『有名中学入試問題集』を中心とするタイプなど、また、教科によって両方を使い分けたりもします。そのうえで、夏休み後期からは必修として『受験校過去問』を手掛けることになります。
さて、GW期に手掛けたい『四科のまとめ・算数』ですが、問題条件がシンプルで、基本的な解法原理の理解に打って付けの教材ですから、全員にお勧めしています。その手掛け方を確認しておきましょう。
掲載順に『四科のまとめ』用として用意した、通常の方眼ノートで解いていきます。解法原理の確認ですから、基本例題・ポイントチェックとも、線分図・解法図・図形・グラフなども丁寧にその仕組みを考えながら書くようにしましょう。
ポイントチェック問題では、1問ごとに解答確認をし、修正すべき点は丁寧に修正してください。また、自身の解答を出せない場合、解説を参照して解法の道筋が描けたら必ず自力で解くようにしてください。解説は答え合わせの時にだけ参考にするものではなく、解法が浮かばない場合の「道しるべ」として利用してください。
そのうえで、疑問の残る問題には、問題番号のチェック欄にマークを入れてください。念の為に言えば、それらのマークの数によって夏期講習の受講講座を決定することにもなります。夏期講習開始前には「リクエスト票」を配布しますので、マークした問題を申告していただくことになります。
ちなみに、ノートに2巡目用の空きページを設けておく必要はないでしょう。一通り終えた段階で(GW明けから7月上旬までの間)、ノートを担任に提出してください。
話を戻して、このGW期間では、3~5年生なら学習枠組みの再点検の機会とすること、6年生なら『四科のまとめ・算数』学習への意欲的取り組みを、重ねてお勧めします。