児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

新潟の演奏家たち2

2013年06月15日 | 各地にて
 先週の研修会に続いて今週は小学校でアウトリーチの実践。前日に再度ランスルーをして再確認して・・・という手順であるが、実際は通してみての修正と言うよりもぎりぎりまで新しいアイデアをいれたり変更をしたりして,久しぶりにはらはらと落ち着かない2日間だった。とはいえ3組ともそれぞれの個性を活かしたプログラムができて、タイプの違ったアウトリーチになったので、第1回目のアウトリーチとしては面白い方向に進んでいると思う。新潟の財団はかなりこの事業の可能性を積極的に評価してくれているようで有り難い。このあと今年度中にそれぞれあと2~3回のアウトリーチと年度末にジョイントのコンサートが計画されている。
 3組は、まず尺八の鯨岡さんと箏の藤崎さん。アウトリーチは比較的慣れていてそれ故新しい展開が必要だと思ったグループ。能祖さんのコーディネートで演劇の要素を採り入れ子どもの打楽器と一緒に曲(砂山)を作るなど動きも多いけれど、良くこなした。フルートの中林さんは最年長。話すことに一番抵抗がありそうだったし、実際かなり苦労されたと思うけれども、こういうことは自分が是非やりたい、という強い気持ちがあって応募したこともあり、イメージに働きかけるようなアウトリーチになった。ヴァイオリンの加藤さんは、昨夏の研修会に参加して目の前が晴れた、という感じでよく考えているなという印象。気っぷの良い度胸のあるタイプだと思うが、その良さが振幅の大きな進行に良く表れていたように思う。コーディネートの田村緑さんのもつアイデアをうまく消化しているように感じた。
 こういう政令市での地元演奏家との事業は、演奏家の層の厚さを背景にしてうまく出来そうに思うところが多い。北九州でもその片鱗はあったが、新潟もこの事業を始めるにあたってそれなりに意義を感じ継続しようとしているように見えるのは頼もしい。こういう事業のコーディネートは、演奏家が地域に付いている人たちだけにかえって責任が重いという気もするが、地域での反応がより明確なので面白いところもあるし、地域で生きにくさを感じているアーチストの可能性を拡大するという意味でもやりがいを感じることが多い。会館と地域と演奏家が関係を作りながらネットワークを拡大していくのは見ていて嬉しくなる要素がたくさんあると思うので、りゅうとぴあが「新潟方式」を見出して継続していってくれることを願う。

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