児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

滋賀のアウトリーチフォーラム(校長先生)

2011年04月20日 | 徒然

17日から滋賀県草津に来ている。地域創造のアウトリーチフォーラムの演奏家を含めてのキャンプ。

3日間の練習とミーティングを重ねて、今日の午後から3組のグループ(弦楽四重奏、金管5重奏、ピアノトリオ)のランスルーを行った。SQはラヴェルの弦楽四重奏曲を中心としたプログラム。金管5重奏は最後にハレルヤ(と聖者の行進を合体させた編曲版)を持ってくるプログラム。ピアノトリオはドビュッシーのトリオの3,4楽章をメインにした構成である。

このランスルーの名物になっているのは、小澤櫻作君が司会進行の校長先生役をやる導入のトークでしゃれが効いていて楽しめる。固くなる演奏家やスタッフの気持ちを和らげる要素もあって得難い司会である(写真)

今回、語り口とかも比較的淡泊なSQの進行、手慣れているので却って心配にもなる金管、不思議なキャラクターのピアノトリオとそれぞれに個性があり、それぞれの可能性もあり面白い。


いわき4/15

2011年04月15日 | いわき

いわきはちょうど桜が満開。写真はアリオスの楽屋口付近の桜。川沿いの桜も見事なものである。本当ならお昼休みなど長閑に散歩するのだろうけれど・・・

アリオスは建物の構造はなあ大丈夫のようだけれども、劇場、ホールの設備系,照明音響などはそれなりに痛みがあって、修理が必要とのことだ、さて、これからと言うところでまた直下型で大きな余震が2回来て、ちょっと雰囲気が変わった。少なくなった避難者がまた一気に増えた。避難所であることはやはり会館としての窓口業務も難しい。隣の市役所の痛みがかなり大きく仕事に差し障りができ、小ホールと練習場のある別館(旧音楽館)が予想以上に大丈夫だったため、急遽、そこに市民課とか共同課とか保険関係とかの部署が別館に来ることになった。大ホールや中劇場の修理日程もまだ先が判らない状態で、昨日8月末までの休館(貸出しをしない)を決めた。とはいえ、裏方のみんなは舞台照明音響の専門の業者さんが来て点検を始めているのでそれぞれ作業にかかりはじめている。慌てずゆったりと構えて少しづつ直していくことが、こういう時には大事なのだと思う。

地域を回り始めたスタッフも、余震の混乱を避け、ここ数日すこし動きを弱める状況になっている。並行して今年度の事業をどう見直すのが良いのか、と言う議論も行っている。有料の公演は大胆に減らす。アウトリーチなどの、教育、子ども、生活、市民活動をそれぞれ支援していくための地域に出向く事業をきちんと相手と対話しながら行っていくことは大事だとおもう。アーチストの協力は欠かせないが。


邦楽活性化

2011年04月09日 | 徒然

昨日は地域創造で今年の邦楽の事業に関する演奏家との話し合い(まあ面接のようなものですね)。今年実施する県のプロデューサーの方と一緒にそれぞれ30分位ずつお話をする。演奏家と3年目になるけれどこの事業少なからず演奏者の間にも知られてきた感じはある。とはいえ具体的な手法などあんまり詳しいことは伝わっていないみたいなのは仕方がないだろう。作るコーディネート側には一種の手法としての技術が必要だと思うけれど、演奏家にはもしかしたら手法に甘んじないところが大事なのかもしれない。何しろ生身の人間が行う事であるので精神的な要素が大きいはずである。

今回、今までよりもざっくばらんとした感じの話に出来たのは、県の課長さんの面接能力が良い方向で出来ているからだと思う。面白い。それで、ふっと演奏家の力みがとれてくるので、そこでの話は同じ邦楽と言っても演奏家によって考え方の方向は同じではないことが如実に判る。これはジャンルとか流派の問題ではないように思う。もちろん地域創造でやる方向性は流派などでこだわるべき好い部分も含めて、それを守るのでなくて外に出していく方向ではある。「古典」という意味を常に突きつけられているジャンルであると言うことはクラシック音楽と似ているが、それを扱う型としての価値や芸事としての自己の表出の仕方など、日本古来のものはやはりすこし違うなと感じることもあるし、そこからどう自分を出して行くかに意識を強く持っている人もあって、本当に人それぞれ。今回の事業では地域創造はなにを求めるのか、ということを突きつけられたような気もする。

続きは来週もあって夏から冬にいたる活動が決まってくる。

 


いわき4/7(ある演奏家からの申し出)

2011年04月07日 | いわき

いわきアリオスは2年前からNHK交響楽団の定期演奏会として毎年一回の演奏会を行い始めたところだ。今年の3回目は9月に予定していたが、そんなときのこの大震災。N今日は震災の翌日にアメリカツアーに出かけたので、帰ってきてから連絡を取って今日挨拶に出かけた。まあ挨拶と言ってもいわきの状況をおはなしする以上のことは今やりようもない。

ただ、情報というものがなかなか正確に伝わっていかないのが、こういう非常事態のときに起こることである。これだけ情報がたくさん流れる時代であっても(と言うよりはだからこそ)、やはり正確かつ責任のある情報というのは本当に少ないので、このように顔を合わせて話すことは非常に重要である。それとともにその重さも背負うことになるのはやむを得ないだろう。

いわきの中でも、様々な情報と意志が飛び回っているように思える。焦っても、ゆっくりでもいけない、というなんだか不思議な状態のなかにいるのだけれども、方向さえしっかりしていれば大丈夫なのだろうけれど・・・

さて、九州のある演奏家から、何日か前にメールをもらった。大意は「地元で震災支援のチャリティコンサートをやろうと思っているのだけれど、自分は地元でアウトリーチを勉強してとても意味あることだと思ったので、これから自分のように地元で地域復興のためにアウトリーチとかをするような活動に対して寄付をしたい。それもある程度長期に考えたい。こういうことを受けてくれるところはないでしょうか」ということ。考えてみれば、アリオスが昨年度一年をかけてやってきた地元演奏家のアウトリーチのセミナー(研究会と言っているけれど)の趣旨を今回の震災への対応として出来ればぴったりかも・・・と思ったのだけれど、実は直営館のアリオスにはこのように目的を明確にした寄付を受ける受け皿がないみたいなのだ。このような活動をしてくれるNPOとかあると良いのだけれど。なんか良い方法はないものかしらん。

 


いわきアリオス4/1

2011年04月01日 | いわき

一昨日に長崎でコーディネート養成講座の反省会をした。終わったあと久しぶりに氏の人たちも交えて深夜まで一緒に飲んでいたのだけれど、その中で特に一年間熱心に活動してくれた活水女子大のアートマの学生たちが、こういう仕事をしたいという気持ちを強く持つようになってきているのを見て、嬉しい気持ちが半分、でもなかなかそれを仕事にしていくのは大変なのだよなあ、という気持ちが半分。でも夢のある若い人たちと話をするととても元気になれる。

昨日長崎から帰ってきて、家によって着替えを詰めてそのままいわきに。いわきは3月6日からだから久しぶりだ。20時半頃に駅前に着いたのだけれど、予想以上に飲食店などに明かりがついていてほっとする。ただいつも寄るコンビニにはあんまりものが無く(そのあと、ほかの方がものがあると言われたけれど)、やはり風評被害か・と思う。でも、水は東京よりもあるよ、とのこと。

そういう気持ちにならないのだけれど、今日は新年度の初日なのである。アリオスのメンバーは基本的にみんな元気だ。特に、残っていた人は疲れていると思うけれど,こちらは久しぶりに会えてほっとする。(ほっとすることが多いな)。アリオスはまだ避難所にもなっていて、これがいつまでこの状態が続くのかははっきりしない。

ホール劇場のなかはまだ見ることが出来ないが、それなりにダメージがあるようだ。早く今後の工程が見えるようになると良いのだけれど、まずは点検待ち。