児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

いわきアリオスの新しい事務所

2007年09月28日 | 徒然
いわきアリオスの新しい事務所に移転した。
新しいというのは何と言っても気持ちがよく、しかし10月から人数も増えるので案外広い。ホールの裏側からはいると、写真のように階段で6-7段上の位置から部屋にはいるようになる。この感じが全体を見回せるので好きである。
私の机は右の方の一番端っこ。この写真からは見えない。
中央にいる女性は、10月にレジデンス活動をしてくれるシンガーソングライターのNUUさん。ちょうど下見のような感じでいわきに来ていろいろと見て回って、インタビューを受けて・・・と言う途中に会館に寄ってくれた。今日はコミュニティチームの矢吹君がホールの見学をアテンド。
彼の明るい性格は大きく個性的な組織の中で非常にプラスになっていると思う。


いわきアリオスの全貌

2007年09月28日 | 徒然
いわきのアリオスも第1期工事はほぼ完成に近づきつつある。9月27日の今日今まで市役所の中に間借りをしていた会館事務所が新しいホールの中に移動した。今日は一日引っ越し。私の場合まだ半年だし、来る時間も多くないので荷物と言っても段ボール箱一つ。
この建物、なかなかユニークな形をしている。いわき駅から歩いていくと公園の木の向こうに黒い屋根が見えてくる。この公園の整備も一緒にPFIの事業の一環であり実はこちらかわからだと意外と木の陰になるのである。逆の河の方から見れば堂々とした建物。ただ10月下旬に駅前に出来る商業施設「LATOV」の方が現在ハヤや目立っているかな。
写真のように、駅から向かう途中のこの角度からだとアリオスの屋根は競輪選手のヘルメットのように流線型のようにも見える。パースなどではもう少し全体が明るい感じだと思っていたが、森の木があるので比較的上部の黒っぽいところが見える。思ったよりも渋くてなかなか良い感じなのだが、ちょっと公園の木がじゃまかなあ・・
通勤時間は今よりもほんの少し(多分1分か2分)短くなる。

矢掛町の音活

2007年09月18日 | 徒然
9月13-16日に岡山県矢掛町での音楽活性化事業。
以前にも書いたが、矢掛は山陽道の旧い宿場であり本陣が残っている(酒屋のようで、奥の蔵では巨大な絞り機があった。蔵でのコンサートもそこで実施。
しかし、予想外の(と言うか不安が的中して)残暑厳しい時期に当たってしまったため、蔵でのコンサートはかなり過酷。風が全然動かない蔵なので、座っているだけでも汗がたれてくる環境。大熊さんの若さに救われたかも・・。
本陣の屋敷の中に控室が用意されていたが、ここは風情は最高、引き戸を開けると中庭で、風がすーっと入ってくる作り(な筈だが風がなかったのです)。電源もなく扇風機も回らない・・・。
でも、季節が良ければ蔵のコンサートの雰囲気は最高。アクティビティとしてはもったいないかも知れぬ。
大熊さんは周りを明るくする雰囲気がとても良く、学校などのアクティビティでの子どもの反応がきわめて良かったのはそのおかげだろうと思う。進行はメモると少し気になるところもあるのだけれど、実演はやはりムードづくりが上手くいけば大概の傷は無視できる程度になる。

アクティビティは小学校2校と寿大学と蔵のコサンート。コンサートの方は親子連れが非常に多く、ある意味ではアクティビティが成功しているとも言える。子ども達の天真爛漫な空気はコンサートではリラックスしすぎ?(緊張感のなさに通じる)。ある意味嬉しいのだけれど、やはりコンサートは遊びではないからなあ。

写真は蔵で竹林(安部圭子)を弾く大熊さん

柴田健一ジャズのアウトリーチ

2007年09月17日 | アウトリーチ
ここのところやや疲れ気味でなるべく寝るようにしているので更新が遅れている。
長崎のジャズのアウトリーチのあとも、岡山県の矢掛町での音活(大熊さん)があり、それについても書かなければいけないのであるが、順番にやっていくのでちょっとまってね。
まず、9月12日のトロンボーン。柴田さんの2回目である。ジャズを本格的にやるのは初めて。BBBBの例はあるがあれとは違ったベースのような気がする。前回のクラシック的なアウトリーチに近い手法でのジャズへの挑戦である。
ピアニストは長崎では多分一番活動をしている音楽家の1人である小國雅香さん。ライブハウスの常連でもあって以前聴きに行ったことがある(そのときは柴田さんではなく、普通のピアノトリオだったと思うがあんまり覚えていない。ちなみに不要な情報だと思うがジャズのピアノトリオの基本はピアノ・ベース・ドラムス)
行き先は長崎の私立のカトリック系小学校で男子校。比較的名門校らしいけれど、山の上の素晴らしい環境。音楽室は新しくはないが床も壁も木張りで残響の比較的豊かな部屋。ジャズには音量の心配がある狭さであるが、気持ちはいい。階下にはチャペルもあって、じっくりは見られなかったがそっちも一度いってみたい感じがする。
ジャズはリズムに乗った楽しさを要求する。特に最近はその傾向が強いように思う。演奏者も純粋に楽しんでもらうことを大事にしている事が多い。でもジャズという音楽も、ある意味いろいろなルールに基づいて作られていて(もちろんルールを壊すことの面白さも含めて)、それに気がつくともっともっと面白くなるような種類の音楽であるのは、クラシックにやや似ているように思う。もう一つ個人の名人性を楽しむという要素もあり、これもクラシックにも存在する楽しみの一つであるが、これはジャズの方がより強い。
ルールを知らずに楽しめないのが堅苦しい、と考えるのは人間の精神のあり方についてやや偏っているように思える。かつてサッカーのプロ化を考えたときに、一番先に広報的に取り組んだのは「オフサイド」というルールであった。さっカーはオフサイドがあるから様々な戦術も生まれ、それがゲームの面白さと深みを作っている。このことをテレビなどで徹底的に告知していたのが印象的だ。

さて、ジャズで大事なのは変奏曲的な進行とアドリブと言うやつである。柴田さんは今回はそのことをメインにして話を進めた。なかなか面白かったのだが、メロディ~アドリブによる何クールかの演奏というパターンで何曲かやるうちに子ども達がちょっと飽きてきたのが感じられた。後ろで聞いている先生やスタッフ達は案外ノリノリだったのだけれど。この辺はクラシック音楽でも全く同じであるが、全体の構成(話しと演奏両方)の工夫が必要かも知れない。
しかし、やはりアウトリーチもなかなか深みがある。興味深いし面白い。可能性のあるやり方なのでもっと追い込んでいって欲しい。


新しいアイデア3件

2007年09月12日 | アウトリーチ
今日(11日)は長崎で地元演奏家のアウトリーチ2件。
午前中のアムールは長崎市最南端の野母崎にある脇岬小学校(4-6年)
ここは直前まで「滅多にないことだから全校生徒で・・」と仰っていたのを無理を言って4-6年生にして頂く。音楽室は珍しく1回の奥、一階の音楽室というのは景色が違うので窓からの景色が違う。海から少し上がったところなので景色も良いが、木や草がすぐそばにあって、風が通って気持ちが良い。
ヴァイオリンの川口さんがヴァイオリンの音域を子ども達に分かってもらう方法として、歌ってもらいつつ音の高さを高めていった。途中で出なくなる子ども達。当たり前だが初めての経験。なかなか面白かった。こんなに広い音域という川口さんに、でも低い方が・・と食い下がる子ども。そう、低いのはヴィオラとかチェロとかあるよね。
午後は永渕さん。彼女は今回オペラをちゃんと分かってもらいたい、という野望を持ってやってきた。学校の先生や同行していた市のスタッフに役を振り、愛の妙薬の3つの曲を、テノールとピアノと歌ったが、その前に完全翻訳版でピアノ付きリーディングを日本語で披露。きちんと曲の最後までやったのでかなり興味深いと共に、3曲終わったときに子ども達に充実感と軽い疲労感が漂ったので、これはなかなか面白いぞ、と認識する。ちょっと長くなるが、丁寧に作り込めばかなり面白いことになりそう。
以上2件はいずれフィールドノートブログに(今日はちょっと草臥れているのでもう少し待ってね。未だノートのメモをワードにもしてないので)
明日は、柴田健一さんがジャズのプログラムをひっさげ、初めての私立学校に挑む。クラシックのアウトリーチ手法としてはそれなりに勉強してきた柴田さんのジャズの扱いは今から楽しみである。何に焦点を当てるか・・・

児玉真

北九州のオーディション

2007年09月12日 | 徒然
 北九州市大手町の練習場で来年度から2年間のアウトリーチ事業の演奏家を決めるオーディションがあった。この大手町練習場の一番上の階は音楽用の3つのリハ室があるが、オーディション会場に使った部屋(写真)は真ん中にどんと大きな柱があり、ピアノの状態もあんまり充分ではなかった。受けた人にちょっとかわいそうだったかも。まあそれで損した人がいたとも言えないけれど。審査は私と九響の事務局長と地元の指揮者。
全体にいえば前回に比べて比較的レベルの高い演奏者が応募してきていたのだが、4組くらいという希望があったが、すんなり決まったのは三組あと1人をどうしようかで若干全員で迷った。3人の審査員の判断がこれほど明確に一致したということは、よほど人選が良かったのか、それとも各応募者の性格が明確だったのか判然としないがどうなんだろうか。
 ただ、最近引っ越してきた人というのが思ったよりも多かったな。だんだんと北九州の状況というのも分かってきたのだが、地元の人たちにもがんばってもらいたい。
 決まった人は10月20日過ぎの研修会と、11月の大森智子のアクティビティを見学などしてもらい、来年の自分たちのアクティビティのプログラムを作って言って頂く。でもなかなか楽しみなメンバーになりそうである。

いわきの新しいホール

2007年09月05日 | いわき
いわきの新しいホールがおおよそ完成し8月31日に引き渡された。まだまだ内部の作業が続いているが、来週くらいから徐々に備品などの運び込みも始まる。事務所も居候の市役所7階から月末には新しい建物に移ることになる。
一昨日、中を見せてもらった。未だ入れないところも多く不十分とはいえ大体の雰囲気がつかめてきた。
少し心配していたバックヤードの空間だが、舞台後ろの通路などが思ったよりも広く安心した。リハーサル室なども反射と吸音板を上手く利用したように見え機能的に使えそうな雰囲気。しかし、スペースが多いので導線などの確認をもう一度しないといけないかもしれない。
巨大な建物だが、全体に豪華さではなく機能重視の考え方で作られているということか・・。肝心の大ホールの音響は未だ舞台に入れないので未だ判らない。しかし、音響的妥協を少なくしているので期待できるはずである。個人的な期待は大阪のシンフォニーのように重厚で芯のある低音が聞けることだが。
まあざっとしか見ていないので判らないことも多いが、引っ越す頃にはほぼ完全に出来ているだろうと思う。
カメラを忘れていったので今回は文章だけ。

サントリーホールのリニューアル

2007年09月01日 | 徒然
昨日サントリーホールのリニューアルの会に顔を出してきた。
20年を経過したところできちんとリニューアルするというのは、ホールとしてはこの上なく幸せなことだろう。それも5ヶ月かけるというかなり大規模な工事である。
椅子や壁などの張り替えやトイレや楽屋の快適度を上げるなどもあるが、一番大きな変更は、ユニバーサルデザインと小ホールの機能強化であろう。ユニバーサルデザインについてはこの20年間の世の中の要求が大きく変化してきているのに対応するものであるが、この変化の早さというものをかなり感じざるをえない。これだと何百年も保つ建物が時代の要求に合わせていくことの大変さも考えてしまう。
小ホールはエデュケーションプログラムの要求を意識した立派なプロジェクターとスクリーン、それから宴会場のステージのようだった舞台の修正。上下手の端まで拡がる舞台と、目隠しと反響を意識した羽根でホールの体裁をよりキチンとし、名前も付けた。「サントリーホール・ブルーローズ」そうですか!
小ホールでの冒険心に富んだ企画がされ、またそれによって新しい作品や手法が開発され、社会の流れになっていくような影響力をもった演奏が行われていくことを期待するような名前だ。
短い金管5重奏の演奏のあとのレセプションは新館長の堤剛さんのお披露目。やはりサントリーホールの社会に対する広さが判るように小ホールが狭く感じるレセプションだった。いわきの中でのアートの定義にまで行きそうな議論をしているので、このホールが確たるものを保持しているように見えるのはたしかにすごいことでもある。もちろん目標が違うので比較しようもないのだが・・・。
堤さんはじめ本当に多くの人たちと久しぶりにあった。