児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

滋賀フォーラム ガラコンサート

2011年07月29日 | 徒然

滋賀県のアウトリーチフォーラムが今日のガラコンサートで最終である。無事に終わりそうだ。昨日から入ってきているのですけれど、3組のキャラクターの差異が面白くバラエティのある楽しめるコンサートになりそうだ。

とはいえ今回は途中色々なことがあった。自然だけでも新燃岳は噴火するし、大震災はあるし、最後に大雨と洪水。まあ滋賀とは離れている場所であったが、震災は色々と影響があるなあ、というのが印象。でも、滋賀県の財団の方や各市町村の方はノウハウもあり良く動いてくれていて安心してみていられた。これで2週間ほどいくらか楽。秋の胸突き八丁があるので少し楽をしておかないと・・・


いわき7/28

2011年07月28日 | いわき

東京に比べるといわきはまだじめじめした感じがないのでいくらか過ごしやすい。とはいえ今日は雨で前線が上に居そうな降り方。この辺に前線が来るのは太平洋の高気圧がそれほど強勢でなく、北の高気圧がぶつかっていると云うことなので、前線の以北では涼しく過ごしやすいという事でもあるが、一方東北の太平洋岸では夏の北東の風は決して良い風ではない。霧が発生して気温上がらず日照が足りなくなるので農作物に影響が出るからだ。昔からやませ(東風)とけがじ(凶作)はセットなのである。何でやませ(山背)というかはわからないが、太平洋岸では山を背にして風を受ける格好になるからか・・・。

太宰の「津軽」にひどい冷害の話しが出てくるけれども、まあ今年はこれから1週間ほど東北では25℃前後の「過ごしやすい」程度かもしれない(そうあって欲しい)。昔は農作物の問題がほとんどすべてだったと思うけれども、今はそれだけではなく、涼しいと電力消費が少なくて済みそうだというホッとする面もあるが、特に福島では陸に向かう風を嫌う理由もある。福島は日本有数の農業県であってその心配もある。色々と複雑な気持ちだ。

さて、アリオスは今は比較的静かである。復旧工事は着々と進んでいると思われる。けれども、9月から、施設の方もシビアな点検とか大変そうだし、事業もコミュニティプログラムを中心に昨年以上の多くの事業が予定されている。震災を受けて、今年は会館での公演はかなり絞り込んだが、こういう時に必要だと思われるアート提供の数を減らしたわけではないので、手間は却ってかかるくらいだろう。それとは別に、秋から来年春にかけていくつかの復興支援的な企画の申し入れがあって(アリオスが10月に再オープンするので特に音楽で大型のものが多い)、これらは基本的には主催でやる事はあんまりないとはいえ手伝うことは必要であろう。秋からはスタッフは忙殺されそうな予感である。

 


発表授業

2011年07月23日 | 徒然

昭和音楽大学の2年生に「芸術文化と社会Ⅰ」という授業をやりはじめて今年で6年、必修なので落とすと来年もまた同じ顔を見ることになる。学生も嫌だろうけれどもこちらもあんまり嬉しくない。初めの年はこっちの持っているものを何しろ渡そうとしていた(それもパワーがあれば意味はある)のだけれども、「授業は双方向のコミュニケーションが必要」、などといつもアウトリーチ講座で云っている手前、やはり工夫は必要だろう。まあわかっていることと出来ることは違うのだけれどもね。

本当は毎時間にミニワークショップのような形で出来るのが良いのだろうけれども、それはこちらの準備が大変なのと80分の授業時間ではすこし消化不良になりそう。まあ少し余裕が出来るまで待っておこう、ということで昨年から学校の協力も得てやっているのが発表授業である。主にこの業界で働いている卒業生のところにインタビューに行き、その業種の仕事について他の学生にわかるように授業形式で発表してもらう。昨年は今ひとつうまく言ったという感じがないのだけれど、今年は発表時間を短くしたのと、事前にある程度発表の仕方を話したことで、なかなか良い発表も出来ている。今年の生徒が優秀なのではなく、こちらの言い方の進歩の方がいくらか利いているとは思うのだけれど、まだまだいくらでも改善の余地はあることに気がつくので、少し申し訳ない。

調べて他人に発表すると云うことは、自分が一番情報を持っているわけだから、どこから話していくかというのが相手に理解して貰うためには重要になる。まず大づかみな業種の性格、そして相手の団体の仕事のコンセプトと内容、そして、ここの仕事の詳細、ついでにこの業界で働くと云うことの個人的な意義,と話をすると考えると、話しを聞きに行く前のそれなりの準備、話しながら引っかかる場所の突っ込み(定義とか、自分本位の意見とかであれ?と思うことはよくあるので、そこはきちんとフォローをして質問するとか)、興味を持てる話の順番、構成、話し方、ビジュアルの使い方など、色々と注意すべき事はある。学生にとってはこれをみんなクリアするのは難しいだろうけれども、相手のことを考えながら、相手に話の内容がどうは言っていくかを確かめながら話す、という事は重要である。来年になると,企画を立てプレゼンをして行く、と言う課程があるので、そのときに少し役立ってくれればと思うのだけれど・・・

来週月曜で今年の昭和音大の授業は終わりである。最後に何を話そうか。企画書の書き方、と言うのもあるし、プロデューサーに必要な10の力、というネタもあるけれど・・・・。それが終わるとまた8ヶ月強ほどの期間、新百合ヶ丘に行かない日々になる。

 


いわき7/10 おでかけアリオス研究会メンバーによるコンサート

2011年07月10日 | いわき

昨年始めた事業であるおでかけアリオス研究会のメンバーである木田さんのところに、札幌の札幌室内歌劇場の中津さんから話があり、札幌などで集めたお届けコンサート基金のお金を今年は被災地に使いたいので、被災地の音楽家が被災地に向けて行う企画を応援したい,と言う話が入ったのは5月くらいだと思う。室内歌劇場のメンバーの意図は本当に嬉しいことで、地域支援にもアーチスト支援にもなる。自分たちが行かないというのがアーチストの集団らしくないすごい英断だと思う。まあ、それを受け取って地域の被災者のために行動できる集団というのも多くはないと思うけれども。

その話を受けてアリオスも協力をすることにして、今日3回のコンサートが開かれた。その午前中の会に行ってきた。場所は湯本のこいと旅館で、工事関係者が宿泊しそこから現場の方に通っているようだ。そんなこんなでいわきはどのホテルもいっぱいで宿を取るのが難しい状況になっている。こいとのロビーの一角で60人くらいの椅子を置いてコンサートを行った。

おで研のメンバー(紺野裕子、木田奈保子、常光今日子、鈴木香保里)はいわき出身、在住の人たちで、元々はお互いに縁がなかった人たちだと思うけれども、おであり研究会の登録と研修を一緒にしてきて仲間意識が芽生えていて、今日もそれが比較的良い形で発揮できていたと思う。話を受けた木田さんもまさっきにこのメンバーのことを思いついたと言っていたが嬉しい話だ。アウトリーチの手法をすこし取り入れつつ雰囲気を作っていた。曲目は以下

尚、写真はいつものように自分のものではなくアリオスのカメラマンである鈴木穣蔵氏のものを使わせて頂いた。彼は非常に熱心なひとで、おで研はほとんど追っかけて頂いているのではないか・・・。今回の場所はすごい逆光でプロにしか上手くはとれなかっただろう。

乾杯の歌<全員>

アレルヤ(モーツアルト)

月に寄せる歌(ルサルカ)

私のお父さん<以上木田>

月の光

別れの曲<以上鈴木>

ユモレスク

チャールダッシュ<以上常光>

カヴァティーナ

トップ・オブ・ザ・ワールド<以上紺野>

アメージンググレース<全員>

ふるさと<全員>

アンコール タイム・セイ・グッドバイ<全員>


愛荘町の金管五重奏、FIVE BELLS

2011年07月01日 | アウトリーチ

滋賀県のフォーラム事業、6市町村最後のアウトリーチは愛荘町(愛知川と秦荘が合併)。比較的昔からありそうな名前で二つの町名を合わせたようには感じられないけれども、秦荘と愛知川は違った文化を持った街のように感じた。歴史が豊富なエリアでは、隣町といえども違いを感じるところはある。とはいえ、音活で学校に行くときには、学校が一定の全国共通の地盤をもった社会になっているという、近代国家としては理想に近い教育が行き届いていることを感じざるを得ない。知識レベルが全国共通であることは良いことだと思うけれども,寂しくもある,と言うべきか。クラシック音楽のように比較的グローバルな価値観を持った芸術を持ち込むときにはこういう標準化は良いことかもしれないが・・・

昨日は秦荘西小、今日は愛知川東小。FIVE BELLSの5人組は,比較的安定した運びのアウトリーチを展開した。ただもう少し聴く側に立って話を作り込めるかもしれない。ちょっと豊富なアイデアがもったいないと思うところがあった。そこは結局自分をどう掘り下げるか,ということにかかっているのだけれど・・・・。でも金管(ラッパ9という楽器は子どもに対して威力がある事を再確認した。