児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

キッズルームでのミニコンサート

2009年07月29日 | いわき
いわきアリオスにはとっても良い雰囲気のキッズルームがあって、ここは支配人こだわりの場所なのであるけれど、ここで何かできると良いなあ、と言うことでちょうど来ることになっていた田村緑さんにお願いして午前中の30分、親子のためのミニコンサートを行った。0歳から5歳までの子供とお母さんで約45名ほどが集まってくれた。
内容はきらきら星、絵本の読み聞かせ(佐藤さん)といっしょに2曲、カノン、トルコ行進曲。
小さい子供も多いのですべて何か工夫があってなかなか良い時間になった。
残念だったのはピアノがなかったことで結局電子ピアノで行った。アリオスにはグランドピアノしかないのでドアから入らないのである。動かせる位置にアップライトでもあればもっと良かったのだけれど・・・。寄付でもしてもらえばもっといろいろなことができそうなのだけれどいつもおいておくと狭くなるしなかなか難しい。
でも、電子ピアノだったので田村さんが子供の顔を見ながらできた、と言うこともできる。
まあ、機会があれば続けていくと言うことで・・・


アートマは疲れる???

2009年07月29日 | 徒然
夏は移動が多いと疲労があるようだ。
7月16日からいわきに行き,そのあと長崎でアウトリーチコーディネーターの研修。昭和音楽大学の最後の授業(試験)。京都府綾部で打合せの後草津の滋賀県創造館の方と会い、北九州に行って9月に行うアウトリーチ事業のオーディションの演奏家のテープを聴き、その足で幸田で演奏家のための研修。戻ってきてすぐまたいわきで、立川志らくの落語を聞き、昨日は田村緑さんにお願いした「小学校の音楽部会のための研修」での模擬アウトリーチでアウトリーチについて話す。今日はキッズルームでの絵本との短いセッション。
なんか、ぼーーーっとしてしまうようなマルチタスク状態だけれど、こんなんで良いのだろうか・・・

昭和音大の試験は、子育て中のお母さんが喜ぶ企画を考えよう、というグループワークの成果を発表することにしたのだけれど、こういうグループワークにはみんな案外一生懸命になるのが興味深い。ことしはややおとなしい感じだなと思っていたのだけれど思いの外意欲的ではないかと感心した。企画自体はなかなかそのまま実現はしにくいものが多かったけれど、いくつか思いつかないような発想もあっておもしろかった。
昨日の先生向けの話では、田村さんの実演があるので演奏家のアウトリーチで何が行われ、それ故三つの小が重要なのだと言うことは多分直感的に分かってくれたとは思うのだけれど、どの演奏家もああいうことをしてくれるのだ、と思われることはちょっと心配。田村さんのアウトリーチは本当にスペシャルだから。
でも最近,特に学校でのアウトリーチで何が行われるかと言うことは次第に輪郭がはっきりしてきた(あくまで私個人のだけれどね)。
そのことを話すときは、大体旭山動物園のことを例に引くことが定番になってしまうので、そろそろ新しい話法を考えなければと思うのだけれど、なかなか良いのが見つからない。旭山動物園だってきっと毎年進歩をしているはずだから4,5年前のネタの話ではね。ほかには、音楽を聴くと言うためのリテラシーを演奏家の力で実感してもらう、ということは大事だと思っていて、特にその手法を音楽家がいかに持つかと言うことが重要だと思っているのだけれど、昨日、先生方に言っちゃったからなあ・・・。どうするか。




クァルテット・エクセルシオの新日鐵賞受賞式

2009年07月16日 | 徒然
昨日(15日)新日鐵賞の授賞式と記念演奏会があって、クァルテット・エクセルシオがフレッシュアーチスト賞をしては初めてのアンサンブルの受賞となった。19回にもなるこの賞でアンサンブルが初と言うことは、日本でアンサンブルが育ち、継続していくことが如何に難しいか、ということを如実に表しているように思う。大友君が19年前の第1回目の受賞者が諏訪内さんで彼女とは同期、と言っていたけれど、アンサンブル(特に弦楽四重奏)のフレッシュアーチストとしての旬はソロに比べてもそのくらいの年齢の差があるものなのなのだろう。
アメリカのYCA(ヤングコンサートアーチスト)では毎年オーディションを行って数組の新人を世に出しているけれど、過去の事例を見ても、それなりのアンサンブル団体が受賞していることをみると羨ましい気がする。エクセルシオの最大のポイントは、外国のSQの例を見倣って、具体的なコンサートのリハーサルが無くても時間があれば(というか時間を作って)定期的に練習を続けているところで、そうでなければ絶対に出来ない表現を身に着けつつあるということだろう。
もちろん出来不出来は無いとは言えないものの、演奏レヴェルの安定度では日本の他のすべてのSQよりも上と言っていいと思う。
今回の演奏はボッケリーニで始めたけれど、初めはチェロだけが舞台に現れ演奏を始ると、ヴァイオリンとヴィオラが弾きながら入場するというスタイル。彼らがアウトリーチで最近多用しているやり方だけれど、それを新日鐵賞の記念演奏会で使うのは、今までの授賞式ではまず考えられない趣向である。彼らがアウトリーチなどの普及的というか社会的というか、そのような活動を日常の中でもきちんと位置づけていることの表れだろう。8年前に富山県入善町で始め,今も続いているコミュニティ事業によってどれだけ演奏家としての刺激を受けたか、ということでもあろうと思う。
最後のラズモフスキー第3番の演奏では、新しい表現力を解釈にきちんと活用しているのだろうなあ、と思わせる演奏だった。紀尾井ホールは響はすばらしいが演奏者にとっては決して優しいホールではないと思うのだけれども(その点では第一生命ホールは楽なホールである)、聴き応えのある演奏だった。
終わった後、ラボエクのみんなとスペイン料理屋で乾杯をした。

田村緑、安芸区民センターのアウトリーチ研修事業

2009年07月10日 | アウトリーチ
広島は今年2年目。地元の演奏家の方たち何人かとも顔見知りになった。
今年は安芸クラシック実行委員会の演奏家の方だけでなく、オーディションで選んだ人も混じっての研修会。田村さんのアウトリーチ見学も含め都合4日間のコースである。全体に仕組みとしてはやや弛めな感じがするが、この感じがここではちょうど良いのかもしれない。
昨年は地元の方のアウトリーチを先にやったのだけれど、今年ははじめに見本として田村緑のアウトリーチを見てもらうことにした。その田村さんのは地元演奏家にかなり強いインパクトがあったようだ。何がと言うことはなかなか難しいのだけれど、アウトリーチが演奏の場であるより前に、授業とか、一種のワークショップみたいな感覚でクラシック音楽を楽しめるようにしていることが新鮮だったのかもしれぬ。
しかし、池袋の時も感じたのだけれど、彼女のアウトリーチを経験すると言うことは、聴く人間だけでなくスタッフや見学の演奏家までもが音楽が楽しいものだと言うことを再認識する効果があるようでとっても不思議。不思議なエネルギーが放出されているのだろう。

今回、滅多にない事件があった。朝大雨警報が広島に出たために学校が自宅待機となり、10時の時点でそれが解除されなかったために休校になりアウトリーチが中止という事態。ホテルにいるとなかなか大雨の様子を感じないので、朝はちょっと慌てたけれども、結局、午後に先生方のためにほぼ同じプログラムでのアウトリーチを実施。先生の反応は子供以上に良く(良すぎて自分を止められない先生も居たような・・・)、先生という人たちがクラシック音楽の良き理解者であることが良く理解できた。音楽の先生は、アウトリーチのことを低学年の先生に話してもなかなか分かってくれなかったのだけれど,これで分かったと思う,とおっしゃっていた。休校日の午後という「緊張→リラックス」という心理の後なだけにほっとしていたのかもしれないけれど、ピアノの説明にいちいち歓声が上がるのはおとなでは初めてかもしれない。終わって学校を出ると雨はやんでいた。
昨日6年2組をやって、1.3組が今日取り残されたような状況になったのでその分はもう一度行く12月の時にリベンジと言うことになっている。田村さんも学校も気持ちよく応じてくれたので後味の良い一日でした。まあ、これはやるしかないという状況ではあるけれども。
写真は先生へのアウトリーチの様子。

アウトリーチ

2009年07月02日 | 徒然
吉野さんと尾道に行って帰ってきてから、いわきで音活支援の渡辺史さんの活動につきあう。中学校2校、小学校1校。彼女の歌唱指導は非常にわかりやすい。時間がかかるので、学校の1時限だと少し時間が足りない感じであるが、きちんとつじつまが合っているので子供へのインパクトは強いと思う。この完成度を考えると彼女のアウトリーチは60分必要と言うことになるが・・・。はじめから飛ばすので,最後のリサイタルが心配というのは以前と変わらない感じである。反省もあるけれど、スタッフのホスピタリティが良かった、と言っていただいたのでひと安心。
いわきから帰って長崎に行き,地元演奏家の初めてのアウトリーチを見る。長崎では今年から北九州風に反省会をすることにした。まあ学校で30分程度であるけれども、その場で言ってしまった方がこちらは忘れなくて良い。今回は午前に演奏したエスプリ(木管5重奏)が午後のフルートのアウトリーチを見に来てくれたので、彼女らにはとても参考になったと思う。30日は昭和音大の授業(振り替え)で、コミュニティ活動に関するフルートの先生の授業を聴く。演奏家側からの発想がわかっておもしろいのだけれど、まだ、整理して話すのは先生にとってもすこし負担があるのかもしれない。アートマの生徒にその辺のことがわかったかどうかはやや心配。来週アーチスト側とマネジメント側からのはなしをしないとね。
7月1日はもんじゃ屋形船にのってTANの送別会。サポーターが中心になって企画してくれた。6月30日でおしまいなので、荷物をまとめ鍵を返してきた。とはいえ、カルミナの居た6月をのぞいて、昨年からあんまり多くの時間を割けていない状態だったので、あんまり生活は変わらないかもしれぬ。
今日からはいわき。土日はイッセー尾形の企画と茂木大輔の企画が重複するのでちょっと大変。ちょっともったいないかな。
写真は長崎永留さん(フルート)のアウトリーチの様子。市内から少し離れた小学校で3年生は12名。学校とはやりとりの末1学年と言うことになったようだ。初めてとは思えない充実した内容で、ヴィデオレターとかアンケートとか、準備で行ったことがすべてうまく活かせていた珍しい例かもしれない。
フィールドノートはすこし滞っているので申し訳ないのだが夏の間にはあげるようにします。