児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

いわきコーヒー

2007年12月27日 | 徒然
 この間、いわき市の市民協働部長にあったら、ブログを見ましたよと言われた。そのとき、あの珈琲屋さんは・・という話しになったのが、讃香である。
 讃香のご主人は、いわきの繁華街(飲屋街)の真ん中に店を持っていたのだが、ビルに建て替えたときに、営業時間が限定されるのを嫌って(遅くまで営業をすることがお客様のためだと思って)、少しはずれた今のところに越したのだそうだ。
昨日は、久しぶりに讃香に入ってコロンビアコーヒーを飲んだ。夜10時前だったが、店の中の座席はほぼ埋まっていて、繁盛して居るみたいだった。ここはサイフォンで2杯分作ってくれるのが嬉しい(サイフォンごと出てくる)のだが、はじめはちょっと熱すぎるかもしれない。口の中で香りを楽しむのにはちょっと・・。
 でも、雰囲気は悪くないので、行きやすさからいってもたびたび行くことになりそうだ。

小林史真さんからの朗報

2007年12月23日 | 徒然
 イギリスに居るハーモニカ奏者の小林史真さんからとても良いメール。作曲家のご主人メルヴィンとの間に長子誕生だそうだ。良い家庭になりそうだと思っていたので、本当に良かった。彼女は崎元譲さんの愛弟子であり、カザルスホールの初期に頼まれてSPSに紹介しレセプショニストとして3年くらいカザルスホールに勤めた。その後イギリスに留学、トミー・ライリー(ハーモニカの世界では第一にあげられる名手であり楽器の可能性をひらいた人だ)に私淑し(所謂住み込みのような修業である)、ライリーのレパートリーを受け継ぐ演奏家である。住み込みというと確かにそうなのだが、この間小野明子さんから聞いたメニューイン学校(やはりロンドン郊外にある)の様子と似た風情がある。もちろん規模は随分違うが…。所謂英才教育というのはそんなものかも知れない。あちらとこちらでは才能に対する基本的なスタンスが違うような気がする。
 小林さんの音楽活性化事業の登録演奏家の2年間は、この事業の可能性を拓いてくれた。本当に様々なことをこの仕組みを使って実験したとも言える。絵本、詩や童話の朗読や語り、屋外ピクニック、手作り楽器・・・。地域の人たちが考える様々なテーマに果敢に挑戦したという意味では第一かも知れない。音活という事業の制作側からも、それによって何が出来て何は出来ないのか、またはやらない方が良いのか、ということまで教えてくれた貴重な人である。その柔軟な感触は「何を頼んでも良いのだ・・」と思わせるほどであって、そこで行われる演奏も、古典的な名曲がある訳でもないこの楽器の水準を超えた、非常にレベルの高いものだったと思う。
 彼女がまだイギリスに行く前(多分レセプショニストをやっていた頃だと思う)、私の住処に近い所沢の小さな公民館で、幼稚園の先生が企画したコンサートを聴きに行ったことがある。そのときの印象は忘れることが出来ない。多分初めて聴いたのだと思う。師匠の崎元さんとの出会い(市ヶ谷のルーテルセンターだったと思う)も可なり印象が深いのだけれども、彼女との出会いは、ハーモニカという小さい楽器に極めて高い集中力を注ぎ、「凛」とした姿勢は音楽というものに対する刃先の鋭さを感じて、ちょっと近寄りがたい感じを持った。その時の印象とアウトリーチでの柔軟さの隔たりが却って魅力的ですらあった。とはいえ、第一生命ホールでやったプラテーロを調べるためにわざわざスペインにまで足を運んだり、Happy Princeを上演したり、いろいろなアイデアを手間をかけて作っていく姿勢は得難いものだ。しばらく日本に帰ってきていないが忘れたくない演奏家の1人である。


 

井波の彫刻

2007年12月21日 | 徒然
昨日今日と、富山のアウトリーチフォーラムの下見で南砺市へ。
スキヤキ・・・で有名な福野町ヘリオスが中心で市内の6カ所を見てきた。福野町でのアウトリーチはスキヤキですでに実践しているので、今回は福光、井口、城端、井波という合併地区へ出向くことがポイントになっているようだった。残念ながら山奥の方(平)は行けないことになったが(まあ雪も恐いですし)、小学校2校3回、中学校1校、病院とコミュニティという6回分のアウトリーチ先を見た。
学校については、最近はどこも音活方式への理解が出てきているように思うのだが、もしかするとそれは自分勝手な見方かも知れない。学校の先生からすると、どんな方式でもプロの演奏家が来てくれることは純粋に嬉しいことで、あとは主催側に合わせます・・ということかも知れないからである。でも、少人数についての理解はそれなりについてきた感じはある。実践が優先する事業とはいえ、そのあたりの理屈付けは早くしておきたいものだ。
今日は最後に井波(旧井波町)に行ったのだが少し早く出て少し町を見てきた。井波は門前町であり、彫り物の町である。越中一宮があるだけでなく、本願寺大谷派の中心的な寺の一つである瑞泉寺(写真)という大きな寺がある。また、瑞泉寺の大規模な再建のあった時代(多分300年近く前)に移り住んできた宮大工の技術を受け継ぐ彫刻の町である。瑞泉寺の参道の両側には何件もの彫り物工房が並んである。その一つ吉田信久さんの工房に上がり込ませてもらった(ホールの担当山河氏は元井波町の職員なので知っていたようだ)。ちょうど大きな欄間の下彫りをしているところで、その大きさにちょっと圧倒された。欄間の奥行き感を光の入り具合までを勘案して全体像を掴みながら彫るのが井波の彫り物の醍醐味だそうである。確かに熟練した勘が必要な作業のようだ。大江戸博物館の日本橋のそばにある神田須田町の屋台も彼の作だそうな。行ってみなければ。
瑞泉寺の門の雄大さと彫刻もなかなか見られない力強さを感じた。高岡とかこの辺も含め富山県西部は前田100万石の版図の一部なのだが、(だからというわけではなく、バックグラウンドにある経済力と歴史に古さか・・)、なんかスケールが大きいなあ。
今日はついでに小矢部のメルヘン公共建築群の一部をちょっと覗いて帰ってきた。


いわきの小野明子2

2007年12月09日 | いわき
小野明子のアクティビティは最終日のヴァイオリンパーティが最後。
11月から練習をしてきた子ども達と、希望者が参加して一緒にレスピーギとラデツキーマーチを弾いた。参加者が40名程、聴きに来た人たちが60人くらいはいたかな。
指導では若いとはいえさすがにメニューイン学校の先生、短い時間で的確な指摘をしていたが、比較的精神論ではなく「考えて楽しむ」という方法。最後に2曲を一緒に演奏して記念写真を撮って終了した。
昨日の演奏会では、休憩時に、途中で質問コーナーを作りたいと言って担当者は案外あわてていたが、それが最後には非常に暖かい雰囲気を作り出していたので、あわてただけの甲斐はあったというべきだろう。
全体には、充実した音活。その意味ではいわきアリオスのスタッフの制作能力は高い。
小野さんは、話しをすることは、やや負担感があるなあと思ってみていたが、それでもそれをカヴァーする良い方法を考えることが出来るのではないかと思った。
トリトンでは外国人が平気でアウトリーチをやっているわけだから・・・。でもそれ以上の何かを持っている人だ。

いわきコーヒー3

2007年12月09日 | 徒然
いわきは午前8時半に仕事がはじまり、大体夜になるので結局コーヒーを飲むことは非常に少ない。残念。
今日は小野さんのアクティビティの最後、ヴァイオリンパーティで時間が午後からだったので、朝食兼で磐城館に。2階だが案外広さがある(考えてみればいわきの店はどこも恵まれている)落ち着いた空間。
器がウェッジウッドだったのは嬉しいが、あの青さはコーヒーには今ひとつのような気もする。棚には様々な器が並んでいたのでもしかしたら指定できるのかも知れぬ。
今日はモーニングだったのでモカブレンド。優れて特別ではないけれど美味しいコーヒー。雰囲気も良いし案外行ってしまうかも知れない店だ。


小野明子さんのいわき音活1

2007年12月08日 | いわき
 いわきの音活、小野明子さんの小学校と中学校へのアウトリーチに同行した。今回はコーディネーターは吉本さんがやってくれているし、細かいところまで気がつくコミュニティ担当の二人が付いているので、口を出す必要もなく気楽というかなんというか…
 いずれフィールドノートにも載せるけれど、行ったのは両方とも山に入った方の比較的小規模の学校。どちらも本当に純朴な生徒なのと、先生方の熱意がすごいのがひしひしと判るような雰囲気だった。今までにも何回もヴィデオレターというのはやったのだけれど、今回ほどヴィデオレターの意味や効果がはっきりと現れたケースはそう多くないと思う。どちらもとても工夫を凝らしたレターを送ったようなのだ。小野さんもそれを見ていろいろと感じるところがあったみたいだ。
質問コーナーでは「弾いているときになんであんなにからだが横に揺れるのですか」とか「12才でヨーロッパに行ってさびしくなかったですか」「練習の時にけがはしないのですか」とか、面白い質問がいくつも出た
 本人は、まだ帰国して数日(成田からいわきに直行だった)しか経っていないので、まだ、考えたことは先ず英語で言葉になったしまう状態。日本語がスムースに出てこないことにややもどかしく思っている様子はあったが。小野さんの演奏は相変わらずシャープである。演奏に限って言えば音楽室の空間の場合、その狭い空間をヴァイオリンの音で全部埋め尽くそうというような感じではなく、音楽の作りやヴァイオリンの音を丁寧に伝えようという演奏。今日のホールでのコンサートではまた違った、スケール感豊かな小野明子が見られるとおもう。