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堤剛さんが文化庁の演奏家派遣事業の「夢なんとか・・・」で長崎市北側の長与町の駅から5分ほど旧坂を登ったところにある長与第2中学校の講堂で演奏をした。学校の30周年式典のメインイベントのような感じで約1時間話しを交えながらの演奏。前日、長崎に入った夜は私は宮本さんのアウトリーチが終わって送り出したところで、ちょうど時間もあり、久しぶりにピアノの小森谷さんともども一緒に長崎の美味しい魚を堪能した。
さて今日昼の長与での堤さんのコンサート。話は調布で聞いたときよりもスムースで話の流れもちぐはぐさがあんまり無く、他のアウトリーチでもなかなか聞けない内容の解説もあって、個人的にはとても面白かったし、なるほど!と思うことがいくつもあった。世界を広く飛び回っている演奏家に見えていることはこういうことなのだ、と感じるところもあり本当に面白い。
講堂の舞台の上であることもあっただろうが、それ以上に、生徒700人程度、父兄50人ほど、来賓60人ほど、先生たちが45人ほどという中劇場でもあふれるくらいの人数だったので、音楽の音の伝わり方は若干充分とは言えなかったと思うけれども、演奏はさすがとしか言いようはない。
学校の先生の対応もきちんとしていて、多分堤さんは気持ちよく演奏できたと思うし、突然訪れた私に対しても親切にしてくれて気持ちが良かった。そのせいか堤さんは予定よりも少し長めに話しをした。
でも、このやり方で芸術音楽の理解者を増やす、と言う本分がこれで果たせていたのかどうかはちょっと考えてしまうところもある。それは学校の意識と言うよりは送り出す方の意識の問題かもしれない。また、堤さんの演奏やお話がどうこうと言うことではない。進行をいつも筆記しているのだけれど、私のノートの隅に感想としてこう書いてある。「この会は子どもに行儀を教える生活指導という意味では成功していたと思うけれども、学校教育の中で芸術鑑賞の仕方を身につけるという意味ではどうなんだろうか」そのくらい、子どもたちは「静かに」鑑賞時間を過ごしていた。この700人ほどの中学生のなかに感動して大きくなっても覚えている人がいることは充分あり得ると思うけれども・・・