児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

熊本

2010年08月17日 | 徒然
九州は暑かったけれど、東京はもっと暑く、いわきに来ても全然涼しくない。困ったものだ。今週末には尾道でサンバのワークショップがあるが、瀬戸内は本当に暑いと広島出身の人が言っていたのでちょっと心配だ。
ところで、今年は邦楽の事業が熊本なので熊本に行く機会が少し多くなりそう。馬刺しと辛子蓮根とひともじぐるぐるという熊本ならではの食べ物があって楽しみではある。
一回目は8月8日。熊本県立劇場でアウトリーチのためのテープ審査と、10月に行う地元の演奏家二人の玉名でのアウトリーチの進行プログラムについての相談。二人ともまだ「意余って」というか「意」をどう整理するかに困っている感じがあるけれども、何しろ一所懸命だ。それぞれ1時間づつ話しをする。Kさんは実はやりたいことも進行も大体固まっているのだけれど、多分当日にこれで自分が行けるかどうかの自信がいまひとつなので、大丈夫だと言うことが仕事。Hさんは部品に対してはいろいろと考えて居るのだけれど、考えすぎて最後にエーイと雑になるところがある。彼女は具体的に話すことを整理していくと霧が晴れるみたいだ。現場力は彼女の方がある。二人ともこういうことをするのは大変でも楽しいのだろうなあと思う。来年も続けられるといいね。

今熊本ではオケを作ろうという運動があって、篠崎まろの指導の下に頑張っているグループがある。一応NPOを立ち上げ、オーケストラ創造という形で活動を始めているが、そこのヴァイオリニストの人が今度イギリスに語学留学に行くのだそうで、ミーティングのあとにその人と話しをした。アートマネジメントのことも少し学びたいと思っているのだそうだ。イギリスについては私はあんまり具体的な情報を持っていないので申し訳ないのであるが、少しアドヴァイスをした。彼女にはHさんとのミーティングを一緒に聞いて貰ったが、「学校の授業計画みたいでしたね」と言うメールが来た。そうそう、そうなんです。でもそこにアーチストという非日常の人と出来事があるからアウトリーチは意味がある、ということなんだけれど。
彼女がそうだというわけではないけれども、最近、東京経由でない留学をしてしまう人が増えているように思う。ことしのおんかつのピアニストも沖縄からパリに行って勉強して沖縄に帰ってきた。こういう人は日本では情報から取り残されてしまう可能性はある。しかし、長い目で見ると、そういう人が地方でまっすぐに音楽家として生きていけるという道を作ることはきわめて大事なことのように思う。

地域創造フェスティヴァル(続き)

2010年08月13日 | 徒然
今年は音活のプレゼンテーションでは、まだ海のものとも山のものともわからなかった音活の活動の精神を作り手法を切り開いてきた本当の仲間と呼べる演奏家たちが、10年以上経ってもきちんとした姿勢を崩していなかったのはうれしいかった。アウトリーチは強い気持ちを持ち続けることが唯一の秘訣だと思うけれどもそのような光景にいくつもだあった(全部ではないけれど)。演奏家の人生と共に歩くという(自分に還ってくるものも多いのだ)経験ができているという意味で、音活やスタッフや地域創造のスタッフは本当に良い思いをしていると思う。この感覚は演奏家と一番近くにいるマネージャーが感じるものとはまた違ったものがあるだろう。カザルスホールでやってきた仕事の仕方と同じような充実感があるのである。
今回一番すごいなあと思ったのは、オケに入って5年になる大森潤子が演奏家としての自分と高めるために(だろう)今年取り組んでいる無伴奏のリサイタル(東京公演は11月4日東京文化会館。お聞き逃しなく!)に向けての練習量と緊張感の成果が明らかにあったこと。すばらしい充実した演奏をした。そして、多くの音活関係者が、音活初期から彼女を見続けてきた歴史を踏まえてそれを聞き,感動していたことである。

ただ、最近、いくつかの地域で地元演奏家のアウトリーチの講座をしているけれど、その中で少数ではあるけれど音活の人たちに負けないくらい強い意欲を持ってやる演奏家が出てきて、音活の演奏家がうかうかしていられないくらいに子どもたちに強いインパクトを与えるのを見て来ているので、そのあたりで満足できないことも少しでてきた。アウトリーチはすでに地域創造の専売でもなく,各地で行われ始めている。その中で「特に」良いことをやれるということがとても大事になっている。そんな危機感がないといけないだろう。



地域創造フェスティヴァル1

2010年08月06日 | 徒然



今年も8月はじめの3日間で地域創造フェスティヴァルが池袋の東京芸術劇場で開かれた。
最初、音活アーチストOBのOB会館に対するプレゼンという形で始めた企画だけれど、どんどん拡がって地域創造の活動全体を紹介する、という企画になってきたものである。今年はダンスのプレゼンも行われたが、初めてと言うこともありダンスの方たちの意欲の高さは特筆ものだろう。
邦楽では昨年のアウトリーチの経験を活かし、2組を昨冬の学校アウトリーチを短くしたような形で紹介したが、その対照的なやり方は興味深かっただろう。写真は山野組の演奏と山田流奥山さんの七福神の説明。

全体に今回は人が多かったような気がする(もしかすると知っている人が多かったからかもしれないけれど)。講座やシンポジウムも総じて多くに人が聞きに来ていた。地域創造への心配も少しは入っているかも・・・。
内容的には2年かけてやってきた調査研究の成果を踏まえた講座の充実があったように思う。新しい可能性への視点が出てきたことによって、アウトリーチという活動に新しい光が当たるような感じがする。その分複雑になり、定義しにくくなった部分もあるけれど、ある意味明確になったこともあるように思う。ここ数年考えて居るなこととか、疑問や悩み事が多くの人と共通の方向性を持っていることが認識できただけでも大きな成果だろう。

たんけんアリオス(いわき)

2010年08月02日 | いわき
いわきアリオスはたんけんアリオスとしてバックステージツアーをやってきたが、そろそろ見るだけでは飽きてしまう時期になってきたので、今年から脚本を作って貰い、地元の役者にも手伝って頂いて、その物語に照明や音響や舞台やスポットなどの体験を組み込むような少し新しいやり方を工夫した。
今回のたんけんアリオスはその第1回目。いっぺんに多くの人に体験して貰うスタイルではないが、それなりに楽しいものができたようだ。やはりストーリ-のあることが人に及ぼすものは多大である。このスタイルでやってみて、いずれはまた新しい方法も考えていく必要があるだろう。
この企画は単に市民に体験して貰うと言うだけではなく、アリオスの若いスタッフの良い経験の場としても考えて居るようなので、そのあたりは舞台サービスのセクションの回転はうまくいっている,といっても良いだろう。
今回は、アリオスの怪人役が舞台の親分の西村さん。まあ出番は1回だけれどなかなか良い役を持って行った感じがする。