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児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

いわき1/24.5 鈴木香保里さんのアウトリーチ

2012年01月25日 | いわき

昨日と今日、地元のピアニスト鈴木香保里さんに好間3小、沢渡小、石住小中学校新居っていただいた。鈴木さんはおであり研究会の第1期のメンバー。ピアニスト一人というのは、ある意味自分の世界を作れるという面と一人で孤独であるという面と両方あるので、本人にとって負担な面とやりやすい面とあるということだ。
鈴木さんの場合は、一人のリズムでやった方が安心できるタイプかもしれない。打ち合わせの時とは導入を変えて、比較的良いリズムでできたと思う。いくつかなるほどと思ったこと。
1,ピアノのカットモデルを使って鍵盤を押すときに、ピアノも同時に押して音を感じてもらおうとしたところ
2,ショパンの印刷楽譜と自筆譜を見せて、作曲家の楽譜から多くの情報を受け取ることの重要さと、自筆譜の人間的な魅力について感じてもらうように考えたこと。


最後は愛の夢で「愛する限り愛せよ」の詩を紹介し、メッセージをこめて終わったけれど、いろいろな意味で彼女の気持ちは子供たちに伝わったと思う。話がうまいわけではないけれど、落ち着いて話せていて気持ちが良かった。
終わったあと「緊張したけれど、前日に子供にピアノを教えている時のやりとりと,人数が違うだけだということに気がついて気持ちが楽になった」と言うことをおっしゃっていたけれど、全くその通りだと思う。
まだ課題がないわけではないが本人としてはまずやれたという感じが残ったのでhないか。こういう自信は大事である。

いわきの仙台フィルニューイヤー 1/9

2012年01月09日 | いわき
仙台フィルがいわきでニューイヤーをやるのは今年で3年目。東北のオーケストラとして何らかの方法で連携を、ということで共催という形でやらせていただいている。盛岡、福島、いわきという3カ所でのニューイヤーである。震災の影響でどうなるかと言うことはあったのだけれど、協賛している東北電力も継続してくれているし婦、聴く聴衆のほうもまずまずの入りで安心した。
仙台フィルの演奏は毎年聴いていることになる。昨年くらいからすこしづつ感じて居たけれども、まとまりが出てきてかっしりとした像が感じられる演奏で、音楽監督の意欲が伝わっているのかもしれない。震災を経験したことで団員のまとまりができてきたからか・・という美しい話かどうかはちょっとわからないけれども、演奏に対する感想自体はそんな印象である。今日のソリストは仙台のコンクールを取った山本貴史君で、一気に人を引きつけるような派手さはないが、じっくりと伸びていくタイプなのではないか。

今日は午前中は、1月末にリハーサル室で行うおであり研究会のメンバー(地元演奏家のアウトリーチのために選抜した4人=地元と言っても二人は現在いわきに住んでいるわけではないがきちんと拠点をもっている)によるマタニティコンサートの話し合い。ホールでやるならば本来は有料にすべきプランだと思うけれども、震災対応の事業計画とした今年はそれを限定したので今回は無料。演奏家それぞれが少しづつ演奏するジョイント方式は実はなかなか良い企画にすることが難しくて、コンセプトが拡散してしまう怖れがある。そういうときに緊張感を保つ良い方法がわかればいいのだけれど・・・。
22日に集まってリハ、ランスルーをやることにしているので、いいコンサートになることを期待したい。


いわきアリオス カスケードコンサート

2011年12月20日 | いわき
クリスマスのカスケードコンサート。今回はバッハコレギウムのメンバーによる声楽カルテット、小瑠璃の演奏で、クリスマスソングを中心としたプログラム。
音が響きすぎる傾向があるカスケードだけれど、こういうアカペラの合唱は非常に美しく響く。歌う方もかなり快感だろうけれど聴く方も気持ちがよい。まあカスケードだからこういうプロなのだろうけれど、もう少しじっくり聴く曲があっても良かったと思えるくらい。
住んでいる人の心の奥の傷はそんなに簡単に癒えるものではないし、芸術、特にみんなに集まってもらって行うパフォーミングアーツがいくら力んでみても、結局は生活の中にある一つ一つの美しさを感じることがその人の心に活力を作っていくのだと思う。その意味ではこういうように普通に芸術活動がそこにあることはとても重要なのだろう。
今日の選曲は小さな曲が続くことでややこじんまりした印象も受けたけれど、こういう清浄な音楽もよい。

紺野裕子さんのフルート

2011年11月17日 | いわき
時間的順序は逆さまだけれど、一昨日のいわきのアウトリーチ。
いわきの久ノ浜に住むフルーティストの紺野裕子さんは、1年半前のオーディションの時に、ずっといわきで活動しながら、演奏家としての一定のレベルというかプロの意識というかを持っているのにちょっと驚いた。女性の年齢のことを話すのは失礼なことを承知しながら敢えて言えば、一緒に審査した田村さんが「40過ぎまであの風格を持ってやれているのがすごい」と、とても感心していたのが印象的。

今年も彼らにまたアウトリーチをお願いしている。本当はコンサートもきちんとやりたかったのだけれど、震災の影響で、今年に限ってはアリオスは有料の一般向けコンサートを特別なものを除いて主催ではやらないことにしたので(復興支援コンサートがあることを考えてそれと競合しないようにという意味もある)、おであり研究会のコンサートもその影響でなくなってしまった。でも、紺野さんもこの前の常光さんも、子ども向けのアウトリーチプログラムの進行を一緒に考えて行き,その結果として子どものキラキラした眼差しを発見する、ということにとてもやりがいを感じてくれているようで嬉しい。

大人の思考回路を持っている紺野さんだけれども、彼女のアウトリーチの特徴は子どもの警戒感を全く呼び起こさないような導入である。不思議なのだけれど、子どもにすーっと入って行けてしまうのである。これは天性のものだろう。ただ、それが子どもに油断を持たせて、ちょっとまとまりがつかなくなる懼れも若干あると言うことでもある。ひとつの特徴にはほとんどの場合良い面とそうで無い面が同居しているというのは、別にアウトリーチに限らないことだけれども、低学年などでやや心配なところもある。声を大きくすることも解決の一法だけれど、話し方ではなく、話す順序によってもメリハリが付けることは可能だろうと思う。、



いわき10/5 常光今日子さんのアウトリーチ

2011年10月07日 | いわき
昨年度オーディションで選び、半年少しづつ研修をして1月に学校にいってもらったのだけれど本格的には今回が初のアウトリーチになる常光さん。彼女は今はほとんど東京にいて、演奏とか教えるなどでがんばっている。前日にランスルーをして、5,6日と4校にいってもらった。よく考えられたきちんとしたプログラムで、伝える、と言うことではよくできていると思う。本人も子供とのやりとりを楽しんでいたのでよかったと思う。演奏家が楽しめて考える面白さがわかってくる過程を見ているのはこちらも楽しいのだ。次のステップとしては想像力をうまく引き出す方向だけれど、次の機会には挑戦してみるとよいと思う。そういう話しができる状態だと思うので、おわったあとにそんな話しをした。
彼女のヴァイオリンを始めたころの話しとか、コンクールのお話しとかは子供にきちんとメッセージが渡せていてとてもよい。そこで彼女が出してくる1/16のヴァイオリンも効果的。写真は子供に小さなヴァイオリンを見せた瞬間。「かわいい!」と声があがるところである。

いわき9/26

2011年09月28日 | いわき
いわきのN響の定期公演は今年は震災の修復のスケジュールのため実現できなかったが、公演は来年3月に出来ることになりそうでありがたいことだと思っている。
本来は定期の翌日のつもりだったN響のアウトリーチも実現できた。9月26日は本来ならば定期の翌日だったわけだけれど、金管五重奏団の演奏が実現できたことは良かったと思う。ただ、来年からおでかけは学校を主力とし、それも音楽室での所謂アウトリーチのスタイルにしたいと言うことがあって、N響にもそのように申し入れをしている。その趣旨が何処まできちんと納得されているかはともかく、その方向であることに違いはない。結局、何のために、誰をどのようにしていきたいかという企画の根底が問われる事だと思う。そのことが本気で共有できればあとはお任せでもいい位なのだけれど。
金管は関山さんを中心とした5人。チューバの代わりに地元出身のバストロンボーン走者黒金君が入ったのも良いことだと思う。内容については学校でのアクティビティとして考えるところもあったけれど、熱意ぞもって演奏してくれたし、丁寧な子どもとの対応は予想以上だった。今後も話し合いながら中味の話し合いが出てくる環境がつくれると良いのだけれど。いずれ、フィールドノートにあげようと思う。

児玉真



いわき9/19

2011年09月20日 | いわき
いわきは9月からリハーサル室も使えるようになり、少しずつだけれどステップを進めている。10月19日にはホール劇場が使えるようになり、11月に小ホールが使えるようになってほぼ復旧になる。今はそれに向けて期待感と緊張感とが高まりつつあるといってもいいかも。9月19日にあべひろしさんほかを呼んで子どものための企画を行った。会場が使えない状況は少し残念だけれど・・・
いわきは数日前から北の方からの風で涼しい。東の海上沖合を通っている台風の影響だろう。昨日の帰りがけなどは北からの風で半袖では寒いくらいだった。

ところで、アリオス内には手作りの節電ポスターが貼られている(写真)。なかなかユニーク、こういうことが出来るようになったのは本当に良いことだと思う。だじゃれの寒さ(サム度)とにやっとする笑顔度で暑さを乗り切るというポスターで、アイデアとそれをやってしまう勇気の両方がないと出来ないことかも。誰かに似てますね(あたりまえか)。

いわき9/5

2011年09月06日 | いわき
9月に入ったのだけれどいわきは今日も暑い上に変な天気である。ほんの数十メートルの違いで降ったりやんだりしているように感じられる(ちょっと大げさか?)。昨日、暑い中をアリオスについたらロビーに何となく人が多い。そういえば9月1日から練習室など一部の場所が使えるようになったのだった。そこで合唱の幹事をしてくれていたAさんがいたのだけれど、なんか疲れたおじさんが入ってきた、と思ったみたい。まずい。
今朝もリュックで歩いていたらAさんが車で呼び止めてくれて、アリオスまで乗せてくれた。やはりばてているように見えるのかねえ。
今日はお出かけアリオス研究会のメンバーである常光今日子さんと進行台本の打ち合わせ。10月に市内4つの学校に行くのである。今回は田人の学校に行くのだけれど、震災の影響でかなり生徒が減っている学校があるみたいだ。近所の学校のがあつまる日に当たったみたいで合同ということになったが、生徒数が2名とか5名とかなのでちょっと考え込んでしまう。員数的にはもう限界以下なのだろうけれども、距離も遠くて合併も難しいのだという。しかし…

今回はそういう全校で数十人という小さな学校が多く理解力の差が大きいので苦労する可能性もあるのだけれど、常光さんはとてもよく考えてきていて、楽器のこと、自分のこと、ベートーヴェンのこととバランスよく配置している。いろいろと話しながら微修正をする。こういう話をするのは楽しい。演奏家のアイデアが豊かだとこちらも刺激されていろいろな発想が出てくるのである。

いわき8/13 いわき沿岸地域の津波被害の空撮記録

2011年08月14日 | いわき

いわきでモーターパラグライダーの空撮を撮っている人がいて、彼が4月の初めに津波被害の海岸を4日間かけて空撮した映像がDVD化されているのをいわきで見つけて買ってきた。地域創造フェスティヴァルの時にいわきアリオスの職員が横浜に持ってきて映していたもの。

北の久ノ浜から南の勿来まで約二時間、淡々と写しているだけだけれど見ると伝わってくるものがあるのは撮影している人の気持ちも含めて見えてくるきがするからか。その土地をよく知っている地元の人が見るともっと心が動かされる

下の写真は六月下旬に行ったときの写真だけれど、まだまだ時間がかかるのだろうなあ、と感じてしまう。


いわき7/28

2011年07月28日 | いわき

東京に比べるといわきはまだじめじめした感じがないのでいくらか過ごしやすい。とはいえ今日は雨で前線が上に居そうな降り方。この辺に前線が来るのは太平洋の高気圧がそれほど強勢でなく、北の高気圧がぶつかっていると云うことなので、前線の以北では涼しく過ごしやすいという事でもあるが、一方東北の太平洋岸では夏の北東の風は決して良い風ではない。霧が発生して気温上がらず日照が足りなくなるので農作物に影響が出るからだ。昔からやませ(東風)とけがじ(凶作)はセットなのである。何でやませ(山背)というかはわからないが、太平洋岸では山を背にして風を受ける格好になるからか・・・。

太宰の「津軽」にひどい冷害の話しが出てくるけれども、まあ今年はこれから1週間ほど東北では25℃前後の「過ごしやすい」程度かもしれない(そうあって欲しい)。昔は農作物の問題がほとんどすべてだったと思うけれども、今はそれだけではなく、涼しいと電力消費が少なくて済みそうだというホッとする面もあるが、特に福島では陸に向かう風を嫌う理由もある。福島は日本有数の農業県であってその心配もある。色々と複雑な気持ちだ。

さて、アリオスは今は比較的静かである。復旧工事は着々と進んでいると思われる。けれども、9月から、施設の方もシビアな点検とか大変そうだし、事業もコミュニティプログラムを中心に昨年以上の多くの事業が予定されている。震災を受けて、今年は会館での公演はかなり絞り込んだが、こういう時に必要だと思われるアート提供の数を減らしたわけではないので、手間は却ってかかるくらいだろう。それとは別に、秋から来年春にかけていくつかの復興支援的な企画の申し入れがあって(アリオスが10月に再オープンするので特に音楽で大型のものが多い)、これらは基本的には主催でやる事はあんまりないとはいえ手伝うことは必要であろう。秋からはスタッフは忙殺されそうな予感である。