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児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

いわき7/10 おでかけアリオス研究会メンバーによるコンサート

2011年07月10日 | いわき

昨年始めた事業であるおでかけアリオス研究会のメンバーである木田さんのところに、札幌の札幌室内歌劇場の中津さんから話があり、札幌などで集めたお届けコンサート基金のお金を今年は被災地に使いたいので、被災地の音楽家が被災地に向けて行う企画を応援したい,と言う話が入ったのは5月くらいだと思う。室内歌劇場のメンバーの意図は本当に嬉しいことで、地域支援にもアーチスト支援にもなる。自分たちが行かないというのがアーチストの集団らしくないすごい英断だと思う。まあ、それを受け取って地域の被災者のために行動できる集団というのも多くはないと思うけれども。

その話を受けてアリオスも協力をすることにして、今日3回のコンサートが開かれた。その午前中の会に行ってきた。場所は湯本のこいと旅館で、工事関係者が宿泊しそこから現場の方に通っているようだ。そんなこんなでいわきはどのホテルもいっぱいで宿を取るのが難しい状況になっている。こいとのロビーの一角で60人くらいの椅子を置いてコンサートを行った。

おで研のメンバー(紺野裕子、木田奈保子、常光今日子、鈴木香保里)はいわき出身、在住の人たちで、元々はお互いに縁がなかった人たちだと思うけれども、おであり研究会の登録と研修を一緒にしてきて仲間意識が芽生えていて、今日もそれが比較的良い形で発揮できていたと思う。話を受けた木田さんもまさっきにこのメンバーのことを思いついたと言っていたが嬉しい話だ。アウトリーチの手法をすこし取り入れつつ雰囲気を作っていた。曲目は以下

尚、写真はいつものように自分のものではなくアリオスのカメラマンである鈴木穣蔵氏のものを使わせて頂いた。彼は非常に熱心なひとで、おで研はほとんど追っかけて頂いているのではないか・・・。今回の場所はすごい逆光でプロにしか上手くはとれなかっただろう。

乾杯の歌<全員>

アレルヤ(モーツアルト)

月に寄せる歌(ルサルカ)

私のお父さん<以上木田>

月の光

別れの曲<以上鈴木>

ユモレスク

チャールダッシュ<以上常光>

カヴァティーナ

トップ・オブ・ザ・ワールド<以上紺野>

アメージンググレース<全員>

ふるさと<全員>

アンコール タイム・セイ・グッドバイ<全員>


いわき6/28、29

2011年06月29日 | いわき

震災からそろそろ110日が経ち、6月からアリオスはアウトリーチ活動からスタートした。アウトリーチ関連の偉業は市の期待も大きく、比較的優先課題であったことと、ホールや劇場を使えるのは10月からになるとはいえ、アリオスが普通に活動をしているところをみんなに見て貰いたいという事がある。6月は、演劇のワークショップ、音楽のアウトリーチ、ダンスのワークショップと4人のアーチストが(当初の計画通り)いわきに来て活動してくれた。今日はショーロのグループKokoyaが小学校へ。

実は昨日から音楽ジャーナリストの林田直樹氏が取材に来ていて、kokoyaのライブを見たり、カフェフィガロの収録などを行ったが、その前に広報担当の車に同乗。といわきの海岸沿い(北の久乃浜から,四倉、豊間、江名、小名浜、など浦々)をずっと見せて貰った。100日以上過ぎているとはいえ、まだまだ片付けただけとか、全く手がついていないエリアとかもあり、復興作業の大変さが伝わってくる。アリオス周辺が表面的にせよ日常を取り戻しつつあるように見えるのと比べて、言葉が出てこない感じ。

とはいえ途中で見た青々とした田んぼ(みんな米は植えているのだ,とちょっと感動)とか、美しい田園の風景も同じいわきという空間と時間の中にあって、その事の大事さをとても感じた。こういう時にアーチストが何が出来るか、ということは、基本的に生活をする人が美しいものと出会う日常の体験と、個人個人の意識とどう繋がって行ければよいかということなのではないか,と思ったりもする2日間でした

 


アートおどろくいわき復興もやもや会議1

2011年06月26日 | いわき

 

アリオスプランツは美術家?藤浩志さんの提唱になる、市民が日常の生活の中で違和感として感じているアイデアやイメージの種になるもやもやを出して行くことで、そこから何かを生み出していこうという活動のアリオス版。3年前から始めているけれども、だんだん独立していっていわきの種の一つになっているように思う。震災のあと,そのもやもやはまた大きく膨らんでいるのではないか、と言うところからの今年の会議。第1回目だった。

8つのテーマの小テーブルで20分程度自由に話をしていって貰う。次に席を変えてまた20分、と言うように今回はそれぞれが3つのテーブルを回るワールドカフェという方法。みんなの話し合いを横で見ていてみんなが本当に色々と話す事があふれているのだなと言う印象。終わって帰るときには、みんなそれぞれ晴れ晴れとした顔つきだったので多分ずいぶん発散したのだろう。

そういえば、藤さんは、ある参加者の「今は日常生活の方が非日常のような気がするのでアリオスの事業に参加している方が日常のように感じられる」という発言にとても思うところがあったみたい。難しいけれど、確かにそういうところはあるやもしれない。アリオスはどうするの?という声はいつも頭の中でぐるぐる回っているので・・・。

アートの視点から考えると言うのが今回のテーマだったが、最後の各テーマの発表で「多様性」ということばが何件も使われていたのが印象的。今回の8つのテーマは

自然、仕事、コミュニティ、子育て、高齢化、学び、エネルギー、観光

考えてみればアリオスも、A(arts)、L(life)、I(informaition)、O(oasys)、S(sightseeing)の5つの要素の造語である。まあ語呂合わせと運営方針がすべてイコールと云うこともないけれど、示唆的ではある。

 


インターチェンジの渋滞(久しぶりのいわき)

2011年06月22日 | いわき

6月上旬以来のいわき。20日無い位なのだけれど季節がずいぶん変わってしまった感じ。寝るときも少し涼しいので布団を用意していたのだけれど、昨晩は湿度も温度も高くまず布団を片付けるところから・・

昨日東京からバスで来たのだけれど、勿来のインターの前で渋滞。分岐の前から渋滞していたので難か事故かと思っていたら、高速道路が被災証明があれば無料になる、ということでみんなが被災証明を使っていて、みんなETCを使わずに出ようとしていたためと云うことが判明。当然バスも大型だからいつもならETCを通るのだけれど、そのようにしている見たい。まあ、湯本、中央インターと車の列は少なくなったものの、その渋滞だけで45分位もロスした計算になる。毎回何十分単位で遅れるのは閉口なのだけれど、今は一つ一つづつチェックをしているので時間がかかっているようだ。これはラインを増やすとか改善の方法を考えて欲しいな。


いわき5/19

2011年05月20日 | いわき

昨日今日といわき。前週末の北海道の異様な寒さとは大違いの気候になって来た。アリオスは5月の連休の時に避難所でなくなって2週間、落ち着いてきた。とともに、やっと仕事が動き始めている。16日からはやっとチケットの払い戻しが始まった。長い人は2ヶ月以上も待たせたことになる。申し訳ないことだ。修理のスケジュールも多分そろそろ判ってくるだろう。それで会館が使えるようになる時期が出てくると、またいくつかの調整とかをしないといけない。予算のQがでれば、6月になると「おでかけアリオス」のアウトリーチやワークショップもはじめることが出来る状態になって来ている。4月から出かけていっては話を聞いて来るヒアリング(というよりは、実はお互いに話をしていること自体に意義があるのだろうけれど)ばかりだったこともあって、事業へ早く動きたい,というのがスタッフの一番の思いだと思う。特にこういう時には、やらない方が良い企画というのはほとんど存在しないので、ついつい過重な分量を背負ってしまいがちでそっちの方が心配になるところもある。などなど、徐々に様々なことが鳴動してきた感じ。

災害から立ち上がっていく時の動きを救助、復旧、復興と分けた人が居たけれども、概念としてはこういうことを言う人も必要。今自分が動いていることがどう言うことなのか、というメタ的なみかたをするのも大事かもしれぬ。でもその中でどんどん動いてしまう(しまえる)人もいる。ある意味ではうらやましい。そういう見る前に跳ぶところから何かが見えてくると言うこともあるだろう。

NPOなどによる活動もだんだんと変化していっているみたい。、街の未来像を見据えていたり、今回のことがきっかけになった地元の人同士の新しいネットワークが出来た、という人もいる。じつは既製のものではないそれが一番活性的なネットワークであって、そういう人たちが次世代のいわきをリードしていくのだろう。ただ70日が過ぎて、そろそろ、総掛かりでなんでも、という感じではなく、適切な役割分担という感覚かなと思うようになって来た。アリオスのように外の人間との関係を作る役割のセクションではどんな出会いのストーリーが生まれるようにするかだと思っている。

 


いわき駅前ラトブでのイベント

2011年05月05日 | いわき

こどもの日の今日、いわき駅前のショッピングビルであるラトブではいわきを元気にしようというイベントが行われた。いわきは今日も元気「Smile iwaki Again」という企画。今日はラトブ一階のスペースで何人かのコンサートがあったが、そのうちのひとつはアリオスの人脈によるクラシックの演奏。

群響の主席のコントラバス奏者とギターの演奏(写真)。いわきを元気にしようという街作りの団体が音頭を取って行われた。いわきを元気に、というのは誰でもが思うので,それに参加してくれる人は貴重だ。けれど、この会でその目的に近づけたかどうかはやってみないと解らないという部分がある。それでも、ひたすらこういうことに熱意を持ってくださる演奏家がいることは有り難い。

ただ、こういう時期はそれほど長く続かないかもしれない、そのときにこそ政策の出番かもしれない。


いわき4/15

2011年04月15日 | いわき

いわきはちょうど桜が満開。写真はアリオスの楽屋口付近の桜。川沿いの桜も見事なものである。本当ならお昼休みなど長閑に散歩するのだろうけれど・・・

アリオスは建物の構造はなあ大丈夫のようだけれども、劇場、ホールの設備系,照明音響などはそれなりに痛みがあって、修理が必要とのことだ、さて、これからと言うところでまた直下型で大きな余震が2回来て、ちょっと雰囲気が変わった。少なくなった避難者がまた一気に増えた。避難所であることはやはり会館としての窓口業務も難しい。隣の市役所の痛みがかなり大きく仕事に差し障りができ、小ホールと練習場のある別館(旧音楽館)が予想以上に大丈夫だったため、急遽、そこに市民課とか共同課とか保険関係とかの部署が別館に来ることになった。大ホールや中劇場の修理日程もまだ先が判らない状態で、昨日8月末までの休館(貸出しをしない)を決めた。とはいえ、裏方のみんなは舞台照明音響の専門の業者さんが来て点検を始めているのでそれぞれ作業にかかりはじめている。慌てずゆったりと構えて少しづつ直していくことが、こういう時には大事なのだと思う。

地域を回り始めたスタッフも、余震の混乱を避け、ここ数日すこし動きを弱める状況になっている。並行して今年度の事業をどう見直すのが良いのか、と言う議論も行っている。有料の公演は大胆に減らす。アウトリーチなどの、教育、子ども、生活、市民活動をそれぞれ支援していくための地域に出向く事業をきちんと相手と対話しながら行っていくことは大事だとおもう。アーチストの協力は欠かせないが。


いわき4/7(ある演奏家からの申し出)

2011年04月07日 | いわき

いわきアリオスは2年前からNHK交響楽団の定期演奏会として毎年一回の演奏会を行い始めたところだ。今年の3回目は9月に予定していたが、そんなときのこの大震災。N今日は震災の翌日にアメリカツアーに出かけたので、帰ってきてから連絡を取って今日挨拶に出かけた。まあ挨拶と言ってもいわきの状況をおはなしする以上のことは今やりようもない。

ただ、情報というものがなかなか正確に伝わっていかないのが、こういう非常事態のときに起こることである。これだけ情報がたくさん流れる時代であっても(と言うよりはだからこそ)、やはり正確かつ責任のある情報というのは本当に少ないので、このように顔を合わせて話すことは非常に重要である。それとともにその重さも背負うことになるのはやむを得ないだろう。

いわきの中でも、様々な情報と意志が飛び回っているように思える。焦っても、ゆっくりでもいけない、というなんだか不思議な状態のなかにいるのだけれども、方向さえしっかりしていれば大丈夫なのだろうけれど・・・

さて、九州のある演奏家から、何日か前にメールをもらった。大意は「地元で震災支援のチャリティコンサートをやろうと思っているのだけれど、自分は地元でアウトリーチを勉強してとても意味あることだと思ったので、これから自分のように地元で地域復興のためにアウトリーチとかをするような活動に対して寄付をしたい。それもある程度長期に考えたい。こういうことを受けてくれるところはないでしょうか」ということ。考えてみれば、アリオスが昨年度一年をかけてやってきた地元演奏家のアウトリーチのセミナー(研究会と言っているけれど)の趣旨を今回の震災への対応として出来ればぴったりかも・・・と思ったのだけれど、実は直営館のアリオスにはこのように目的を明確にした寄付を受ける受け皿がないみたいなのだ。このような活動をしてくれるNPOとかあると良いのだけれど。なんか良い方法はないものかしらん。

 


いわきアリオス4/1

2011年04月01日 | いわき

一昨日に長崎でコーディネート養成講座の反省会をした。終わったあと久しぶりに氏の人たちも交えて深夜まで一緒に飲んでいたのだけれど、その中で特に一年間熱心に活動してくれた活水女子大のアートマの学生たちが、こういう仕事をしたいという気持ちを強く持つようになってきているのを見て、嬉しい気持ちが半分、でもなかなかそれを仕事にしていくのは大変なのだよなあ、という気持ちが半分。でも夢のある若い人たちと話をするととても元気になれる。

昨日長崎から帰ってきて、家によって着替えを詰めてそのままいわきに。いわきは3月6日からだから久しぶりだ。20時半頃に駅前に着いたのだけれど、予想以上に飲食店などに明かりがついていてほっとする。ただいつも寄るコンビニにはあんまりものが無く(そのあと、ほかの方がものがあると言われたけれど)、やはり風評被害か・と思う。でも、水は東京よりもあるよ、とのこと。

そういう気持ちにならないのだけれど、今日は新年度の初日なのである。アリオスのメンバーは基本的にみんな元気だ。特に、残っていた人は疲れていると思うけれど,こちらは久しぶりに会えてほっとする。(ほっとすることが多いな)。アリオスはまだ避難所にもなっていて、これがいつまでこの状態が続くのかははっきりしない。

ホール劇場のなかはまだ見ることが出来ないが、それなりにダメージがあるようだ。早く今後の工程が見えるようになると良いのだけれど、まずは点検待ち。

 


いわきアリオス

2011年03月28日 | いわき

今日はいわきアリオスで自宅待機中の人が赤坂に集まった11名ほど。とりあえず、それぞれの状況が判留事も大事だと思っているけれど、いわきの情報もそれぞれが少しづつ持っていて、それを話せたのも良かった。でもそれなりにみんなストレスを抱えていることも間違いない。

アリオスは4月1日に企画、マーケティング、施設サービスの各グループはいわきで集合することになったので、そこで、これからどのようにアートセンターであり会館でもあるアリオスが(スタッフが)動いていくのかを話し合うことになるだろう。とりあえずは、大ホールや中劇場小劇場などの施設,設備はこれからであって、まだめどが立っているわけではないようだ。その辺も含めて3月いっぱいで自宅待機が解けて、まず事務所に行ってみないとわからないことも多いだろう。

とりあえず、アリオスのスタッフが取りかかることの方向性はおおむね頭の中にあるけれども、それで良いのかどうかはわからない。すべての人がそうだと思うけれども、やはり地域の会館にとってこれは未曾有のことで、それは結局動き出さないと判らないことなのだろう。