
菅家さんには今年の2月にアウトリーチをしに来てもらったのだけれど、昨年度はホールでの有料公演を限定するという方針でいたので特別にコンサートは無しと言うことにしていただいたので、今回はカスケードでのランチタイムのコンサートに来ていただいた。アリオスできちんと彼女の音楽を聴いてもらうのははじめてになる。カスケードはやや響きすぎで、歌は歌詞が聴き取れるか心配な空間なのだけれど、菅家さんの場合心配は不要な人。彼女の歌詞の発音(特に日本語)は非常に自然ではっきりしているので、言葉がとても自然に入ってくる。意味が普通に聞こえてくる状態で鑑賞できるので内容にもスーっと入っていけるのである。今回の彼女の曲は、
1,私を泣かせてください
2,マッティナータ
3,彼女に告げてよ
4,カタリ・カタリ
5,もののけ姫
6,さよならの夏~こくりこ坂から~
7,小さな空
8,カッチーニのアヴェマリア
メゾなのだけれど、テノールっぽいものとかもあって、菅家さんの特質が良く出ているレパートリーである。また、もののけなども彼女が声楽の発声で本気で歌うとみんな襟を正して聴くみたいな感じが出てくる(これは小学生でも同じ・・・)。アニメソングを歌うという感覚ではない。
さて、今年からカスケードコンサートの最初の挨拶をやらされているのだけれど(足立君の陰謀?)、今回は、彼女の声の特質を考えて初めにこんな話をした。
「いまコミュニケーションが大事、ということが言われているけれども、コミュニケーションは他の人との間だけでなく、自分との会話もある。音楽というものは自分のとのコミュニケーションにとても良いので、菅家さんの歌を聴きながらそんなことをちょっと考えて見てください」
出て行った菅家さん、3曲目のあとで「みんなとても静かに聴いてくれて嬉しいのですが、もっと明るい笑顔もみたいです」と言っていました。人間、内省的なときは笑顔にはならないものだよなあ、確かに。