新座市野火止に関東の代表的な臨済宗妙心寺派の禅刹「金鳳山平林寺」はある。創建は永和元年(1375)、本尊は釈迦牟尼仏像。新座駅より新座市役所方面(大門通り)に進むと右側に国指定天然記念物となっている豊かな自然に囲まれた13万坪の境内林(雑木林)全体が続く。やがて平林寺の茅葺きの「総門」に辿り着く。拝観料を納め境内に足を踏み入れると一直線に禅宋様式の伽藍がいかにも修業寺=禅寺らしさを醸しそこはもう俗世とは切り離された威厳ある佇まい静寂さが漂う風情である。緑に包まれた参道前方には当寺のシンボル、左右に金剛力士を配した二層の楼門「山門」、山門を潜ると本尊が安置されている禅宋様式唐様の建物/茅葺単層入り母屋造りの「仏殿」、そして仏殿の右側に「鐘楼」と「載溪堂」、左側に「経蔵」があり、仏殿の右側を進み茅葺の四脚門の「中門」の奥に本尊・達磨大使・松平家の霊碑を奉る「本堂」が建ち並ぶ。本堂左側に配された「放生池」、その前方に建つ半増坊を奉祭する「半増坊」、本堂奥にある「松平信綱の墓所」を参る。武蔵野の深い杜の自然が息づき過ぎ行く時を束の間ではあるが忘れさせてくれた。(1309)
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