時宗は鎌倉末期から室町時代にかけて「踊り念仏」の熱狂の渦を巻き起こした浄土宗から枝分かれした一派で開祖は「一遍上人」である。人の善悪や外見、信心の有無に関らず、ただ「南無阿弥陀仏」という念仏を唱えることで極楽浄土へと旅立てるという新仏教を説いた。呑海上人が藤沢の地に遊行寺を開き時宗総本山となった。「遊行寺」本堂の背後に「歴代上人御廟所」はある。中央正面に「開山塔」、左右に歴代上人の墓塔が整然と並んでおり近寄ってみるとどこか重々しい空気が流れているが偉観そのものである。ただ遊行の旅先で入寂した託何、白木、尊観、暉幽、知蓮、意楽、称愚、不外、仏天、空達、真寂、遍円、体光、有三、同念、満悟、法爾、朴本、独朗、尊真、尊通、尊証、賦国、一空、傾心、一道、一念、尊光、一教の31人の上人はそれぞれの地に埋葬されており、分骨によって本御廟所に埋葬されている上人もいる。開祖の「一遍上人」の御廟所は神戸市「真光寺」、遊行二祖「真教上人」、遊行三祖「智得上人」は相模原市当麻の「無量光寺」の御廟所に埋葬されている。(2109)






