相模原市南区麻溝に四季の花が絶えない「相模原麻溝公園」はある。園内の「花の谷」の花壇一画に今、「秋の七草」の一つで万葉の時代から人々に親しまれてきた「フジバカマ」が一株ひっそりと咲いている。よく見ると茎の先端に直径5mmほどの淡い紅紫色した筒状花だけの小さな頭花を散房状にたくさんつけている。1つの筒状花の先は5つに裂け、10cm前後の小さな花を長さ房状に細くて白い2本の花柱が飛び出している。頭花は5つの筒状花で構成され咲いている。この「フジバカマ」は現在の日本には自生に適した環境が少なくなったため激減し、絶滅危惧種となっていて希少花である。「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花 萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」と詠んだ。甘い香りから平安時代の女性はこれを干した茎や葉っぱを水につけて洗髪代わりにしたとかいう。(2010)




