★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

紫へいしそう

2005-06-17 11:19:06 | 野の花 - 春から夏へ



Northern Pitcher Plant 日本名は紫瓶子草です。学名は Sarracenia Purprea、エスペラント名は見つかりません。勝手にKruc^o Plantoにしておきます。

数年前アルゴンキン公園はスプルース・ボグ・ボードウォークのトレールでこの花の葉っぱだけを見つけました。秋だったので当然花は無いのですが、その壷の形をした葉には動脈のように赤い筋が走っていて植物というより動物を連想したものです。
ピッチャー・プラントはニューファンドランド州の州花なので名前は知っていましたが見るのは初めてでした。そしていつか花を見たいものだと思っていたのです。
ですから今回のトーバーモリへの旅で、群生を見たときは感動そのものでした。
オリファント・フェン・ボードウォークにはインデアンの絵筆と一緒に見渡す限りと言っても過言ではないくらい一杯咲いていました。

葉は根元の方に幾つかかたまって円陣を形成しています。その中央から真っ直ぐに伸びた20センチあまりの茎の天辺に直径5センチくらいの花が一輪咲きます。花の色は濃いエンジ色で、これが“紫”です。“瓶子”は葉の形が筒状で瓶を連想させるからでしょう。英語名もこの葉の形から付けられています。筒状の葉の中に水がたまり、葉の縁の赤い色に見せられて寄ってきた虫は落ちて溺れ死ぬのです。葉の内側には下向きに生えた毛があるので這い上ることが出来ません。
この草は食肉植物とされています。食虫ではないのです。虫に限らず、例えば小さな蛙などが入ってきたら食べてしまいます。

種類によってはこの葉の形に“工夫”があって、ご丁寧に蓋がついているのもあるようです。溺れた虫は葉が出す酵素によって分解、吸収されます。
花は普通の花の感覚ではちょっと異様なのですが、昔こんな大きなボタンのついたオーヴァーコートを着ていたような思い出があります。中央から円形の楯のようなものが伸びていて花びらはその上に畳まれたようについていました。これが開くと黄緑色の楯があらわになります。ひらひらと風に揺れる花びらは微妙に繊細です。開く前のつつましく花びらを畳んだ姿がより美しく思えました。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (glimi)
2005-06-17 15:34:21
食虫植物ですか!!
返信する
Unknown (serena)
2005-06-18 01:53:52
Carnivorous plant つまり Karnomang^a planto です。だから、食肉植物。

筒状の葉の中におびき寄せ、溺れて死んだ所をゆっくり消化します。葉の仲の水は自然の水、雨水などです。
返信する
Unknown (glimi)
2005-06-18 07:59:04
日本人は花には入れいうのは虫と考えるのですが・・・.

 そうですね、昔映画で・・・『ソロモンの洞窟』?でしたか、人が花に飲み込まれる場面がありました。ああいう花なのですね!!
返信する
それほど大きくは無いけど。。。 (serena)
2005-06-22 09:39:53
人間を飲み込むほどの大きさは無いので無理でしょう。まァここに入れるのは大方虫ですが、虫だけしか消化しないと決めていないということなのでしょう。だから近所の蛙が飛び込んだらやはり食べてしまうと言うことだと思います。
返信する