★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

カナダ・デー

2005-06-30 19:46:24 | Weblog


明日から七月。

七月一日はカナダの建国を祝う日、今年で138年目を迎えます。
1867年建国以来50周年までは一年目の祝賀を除いて特別お祝いをしませんでしたが、
1879年にはこの日を『Dominion Day』と呼ぶことが決められました。

1958年以降は議事堂の丘(オタワ)で花火やコンサートを含む種々の催しが大々的に行われるようになりました。
1967年の百周年記念はエリザベス女王を迎え議事堂の丘でのお祝いはより大掛かりなものでした。翌1968年からは少し代わって多民族及びプロフェッショナル・コンサート、芸術家やスポーツ選手なども引っ張り出され華やかなものになりました。
1980年以来国家の補助金を得、全国各地で祝賀が行われるようになり、1981年からは主要15都市での花火もこれに加えられるようになりました。

1982年には『ドミニオン・デー』が『カナダ・デー』に改められ、現在に至っています。
加えて、7月4日(俗にFourth of Julyと呼ばれている)は米国の独立記念日(Independence Day)なので、特に国境を接している地域では合同の祝賀も催されます。
ナイアガラフォールスでも色々な催しが有りますが夜は花火を揚げ、滝の前のクイーン・ヴィクトリア公園に設けられた舞台ではコンサートも開かれ、イルミネーションに照らし出される滝に一層の華やかさを添えます。

そしてこの日は新しく市民権を得た人たちのため「市民権授与の儀式」が各地で行われ、人々の祝福を受けます。この日から彼らは選挙権を得、カナダの政治にも参加出来るようになります。






妖精のスリッパ

2005-06-30 08:23:28 | 野の花 - 春から夏へ

切手になったカリプソ
図鑑では何度も見ていた花です。本物を一つ見ただけで
『満足。このまま帰っても悔いは無い』
と言えるほど皆が期待していた花でした。

期待に背かず美しい花です。
その形が一種独特で普通の「花」という感じからはほど遠く、それだけに余計貴重に思えるのです。トーバーモリの先にあるフラワーポット島で何本か見つけました。

カリプソの命名者(英国の植物学者Salisbury)は1805年カナダからこの花を紹介された時、その美しさに感動し、ギリシャ神話の伝説的美しい海の妖精カリプソの名を付けたそうです。妖精カリプソはホーマーの長編叙事詩オデッセーに出て来ますが、トロイ戦争から凱旋途中のオデッセーを虜にし、七年間自分の孤島に閉じ込めました。

カリプソは群生するようですが、私達が見つけたのはいつも一本だけポツンと立っていて、そんなところも妖精カリプソに通ずるものがあるような気がします。高さは10センチ前後、花の大きさも1-2センチ、足許に有っても気づかずに通り過ぎてしまう可能性は大きいです。その上非常に珍しい花なのですから出合ったときの感動はひとしおです。

原住民はこの塊茎をお芋を食べるように食料にしたとのことですが、その頃はそんなに沢山生えていたのでしょうね。
花は一個だけ、葉も根元に一枚だけです。根は非常に敏感でちょっと触っただけで折れてしまうし、花を取られたら枯れてしまうので、盗掘など以ての外。

英語名はFairy Slipper 、学名は Calypso bulbosa です。エスペラント名は出ていませんが、当然のことながらKalipso Bulba でしょう。日本名はホテイラン(布袋蘭)ですが、日本のは微妙に違い、学名もCalypso bulbosa var. japonica となっています。

私はこの花を見ると般若の面を連想します。


写真はあまり巧く撮れなかったけど、ご披露します。後にあるポリガラの色が強くちょっと邪魔ですが。次の機会…何時になるかは判りませんが…にはもっと上手に撮りたいものです。

もう少し上等の写真をみたい人はこちらに行って下さい。英語ですが、写真が最初のページにあります。
http://www.botany.wisc.edu/Orchids/Calypso.html