さて、今だと館ひろしだなーと思う第426回は、
タイトル:謎とき本能寺の変
著者:藤田達夫
文庫名:講談社現代新書
であります。
●
(タラララ~♪ タタタ~♪)
疲れた顔でデスクに座るお市。
お市「人間五十年なら……あと一年で兄上は死ぬわ」
柴田「冗談でもそんなことを口にしてはならん!」
茶室でぎろりと部下を睨む光秀。
明智「私の事を嗅ぎ回っている者がいる?」
部下「いや、あんた堂々と反逆宣言してるし」
●●●●●
(タタタタタ♪ タタタ♪ タタタ♪)
堺の街でうめく家康。
徳川「明智の背後には、とんでもない大物がおる!」
半蔵「格好付ける前にさっさと伊賀越えましょうね」
新幹線に乗る秀吉。
サル「殿を殺めたのが誰かは問題ではないわ」
部下「そういうこと言うからお市さんに嫌われるんですよ」
●●●
(タララララ~♪ タタタ~~~~~ッ♪)
本能寺跡地に立つお市。カメラ目線で――
「犯人が解ったわ」
『女検事お市(3)――本能寺に消えた兄』
一五八二年、六月二日放映。
なぜか土曜ワイド劇場。
(解りにくくてすいません……ちなみに火サス・バージョンはこっち)
前フリはさておき……誰もが知っている本能寺の変、の謎解き本。
当時のトップスター暗殺というだけでも話題としては充分だけど、その下手人があっさり殺されたということで、昔から人気のあるテーマですね。
真相当てとしては、○○黒幕説、○○共謀説、光秀単独犯行説、ちょっと変わったところで信長自殺説がありますが、本書では黒幕説を扱っています。
では、各章のちょっとした解説を。
・第一章 明智光秀が背いた原因は何か?
本能寺までの信長の歩みを追いつつ、彼が目指したもの、他の人々との軋轢などについて考察しています。天下人としての意識、統一後の支配構想、具体的な政策などがおぼろげながらに見えてきます。
それと並行して、反信長包囲網を形成した足利義昭、最後に手を下した明智光秀、二人の立場と動向についても探っていきます。資料として紹介されている、謀反に先だって光秀が上杉に送った書状、がなかなか面白いです。
第二章 画策する足利義昭
信長によって京を追われた足利義昭のその後の動向。ここで作者は将軍追放(一五七三)を以て室町幕府滅亡とする通説を否定し、義昭は毛利の力をバックに幕府を維持していたと論じます。
さらに、義昭が行った対信長工作、光秀との利害の一致、光秀が雑賀衆に宛てた書状に義昭を暗示する箇所があることなどを挙げ、明智光秀の背後にいたのは足利義昭であると結論づけています。
第三章 「秀吉神話」を解く
秀吉の行った情報戦、本能寺後の光秀の迷走、中国大返しから山崎の戦いまでの経緯、秀吉の天下統一、についてのさらっとした解説。歴史のおさらいといった感じで、特に目立った特徴はありません。
以上、各章解説でした。
本能寺の謎解きというより、非常に影の薄い足利義昭にスポットを当てた書と言った方が正しいかと思われます。
飽くまで義昭黒幕説の証明だけで、信長が無防備状態で本能寺にいたミステリの謎解きや、秀吉or家康陰謀説の潰し等は行っていません。
ま、新書なので分量の問題もあるでしょうが……。
歴史の再確認、という意味では面白いと思います。
ただし、「謎はすべて解けた!(どっかの探偵少年?)」みたいな内容を期待すると肩すかし喰らうので注意。
タイトル:謎とき本能寺の変
著者:藤田達夫
文庫名:講談社現代新書
であります。
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(タラララ~♪ タタタ~♪)
疲れた顔でデスクに座るお市。
お市「人間五十年なら……あと一年で兄上は死ぬわ」
柴田「冗談でもそんなことを口にしてはならん!」
茶室でぎろりと部下を睨む光秀。
明智「私の事を嗅ぎ回っている者がいる?」
部下「いや、あんた堂々と反逆宣言してるし」
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(タタタタタ♪ タタタ♪ タタタ♪)
堺の街でうめく家康。
徳川「明智の背後には、とんでもない大物がおる!」
半蔵「格好付ける前にさっさと伊賀越えましょうね」
新幹線に乗る秀吉。
サル「殿を殺めたのが誰かは問題ではないわ」
部下「そういうこと言うからお市さんに嫌われるんですよ」
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(タララララ~♪ タタタ~~~~~ッ♪)
本能寺跡地に立つお市。カメラ目線で――
「犯人が解ったわ」
『女検事お市(3)――本能寺に消えた兄』
一五八二年、六月二日放映。
なぜか土曜ワイド劇場。
(解りにくくてすいません……ちなみに火サス・バージョンはこっち)
前フリはさておき……誰もが知っている本能寺の変、の謎解き本。
当時のトップスター暗殺というだけでも話題としては充分だけど、その下手人があっさり殺されたということで、昔から人気のあるテーマですね。
真相当てとしては、○○黒幕説、○○共謀説、光秀単独犯行説、ちょっと変わったところで信長自殺説がありますが、本書では黒幕説を扱っています。
では、各章のちょっとした解説を。
・第一章 明智光秀が背いた原因は何か?
本能寺までの信長の歩みを追いつつ、彼が目指したもの、他の人々との軋轢などについて考察しています。天下人としての意識、統一後の支配構想、具体的な政策などがおぼろげながらに見えてきます。
それと並行して、反信長包囲網を形成した足利義昭、最後に手を下した明智光秀、二人の立場と動向についても探っていきます。資料として紹介されている、謀反に先だって光秀が上杉に送った書状、がなかなか面白いです。
第二章 画策する足利義昭
信長によって京を追われた足利義昭のその後の動向。ここで作者は将軍追放(一五七三)を以て室町幕府滅亡とする通説を否定し、義昭は毛利の力をバックに幕府を維持していたと論じます。
さらに、義昭が行った対信長工作、光秀との利害の一致、光秀が雑賀衆に宛てた書状に義昭を暗示する箇所があることなどを挙げ、明智光秀の背後にいたのは足利義昭であると結論づけています。
第三章 「秀吉神話」を解く
秀吉の行った情報戦、本能寺後の光秀の迷走、中国大返しから山崎の戦いまでの経緯、秀吉の天下統一、についてのさらっとした解説。歴史のおさらいといった感じで、特に目立った特徴はありません。
以上、各章解説でした。
本能寺の謎解きというより、非常に影の薄い足利義昭にスポットを当てた書と言った方が正しいかと思われます。
飽くまで義昭黒幕説の証明だけで、信長が無防備状態で本能寺にいたミステリの謎解きや、秀吉or家康陰謀説の潰し等は行っていません。
ま、新書なので分量の問題もあるでしょうが……。
歴史の再確認、という意味では面白いと思います。
ただし、「謎はすべて解けた!(どっかの探偵少年?)」みたいな内容を期待すると肩すかし喰らうので注意。