つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

萌えやがれ

2006-01-15 23:23:58 | ファンタジー(現世界)
さて、タイトルに「勝手に」をつけるのを忘れたの第411回は、

タイトル:HAPPY LESSON THE TV
著者:吉岡たかを
出版社:電撃文庫

であります。

2連続でその手の話を読んでしまったので、半分どーでもいい感じで、せっかくだし、と言うことで3連続。
なので、このセリフも3連続。

この手の話が苦手なひとは、覚悟して買う、もしくは目に入ってもあえて見えてないことにする、ことが最良且つ最善の策だろう。

さて、ストーリーは幼いころに両親を亡くし、天涯孤独となった仁歳チトセと言う高校生と、チトセが通う高校の教師であり、チトセの押しかけママとなった5人の女性との話。

私はぜんっぜん知らなかったのだが、どうやら同名のテレビアニメの前日談と言うことで、5人の教師がなぜチトセの家に同居し、母親役をやるようになったか、と言うのをノベライズしたものらしい。

いちおう、主人公のチトセは暴力沙汰で中学のころから問題のあった生徒だが、その実、孤児院での「姉」や「妹」、さらには微かな両親の記憶から、ひとりが気楽と強がっても、ほんとうは家族というものに強い憧憬を隠している、と言うお約束の設定を有してはいる。

そうした隠れた憧憬を感じ取り、母親役を買って出たのが5人の教師と言うわけで、まぁ確かに、解説にあるように、いわゆるその辺にいくらでも転がっているギャルゲーの設定とは、やや趣を異にしている。
とは言うものの、中身はただ攻略相手である女性キャラの立場をちょろっと変えただけとしか言えない、と言うのに異論はなかろう。

さて、そのゲームであれば攻略相手となる5人の教師だが、これも「教師」という立場以外にはまったくのギャルゲーそのままのキャラ造形である。

おそらくはヒロインであろう一文字むつき。
チトセが通う高校に古文の新任教師としてやってきた女性で、属性は内向的、思い込んだら一直線、やや天然気味で、黒髪ロングのお嬢さま系ビジュアル。
基本的にこの本は、チトセとこのむつきを軸にして進んでいる。

二ノ舞さつき。
化学教師で元世界征服を企んでいたがそれをやめてチトセのママ役に回る。
属性はマッドサイエンティスト、無表情で、感情を表に出さないタイプ。
三世院やよい。
専任の校医兼養護教諭で、代々続く陰陽系の巫女さん。
属性はお姉様、巫女などであきれる以外にない設定のキャラ。
四天王うづき。
美術教師でビジュアルを見て、どこが教師だと100%のひとが疑ってしまう脳天気キャラ。
すべての価値基準が「面白いか否か」で、属性はロリ系。
会話の最後に「きゃはっ☆」という単語が幾度となく入り、おそらくいたら殴り飛ばしたくなるようなキャラである。
五箇条さつき。
体育教師で、典型的な単細胞キャラ。
属性はボーイッシュ。拳でわからせる、と言う教育的愛情表現を使う。

……キャラ紹介書いてて頭が痛くなってきた……。
あと、教師ではないが、クラスの委員長である七転ふみつきと言うキャラがいるが、紹介する気はなし……。

詳しいストーリー?
各5人の教師が、学校などでの出来事からいかにチトセの押しかけママを決意したか、ってだけ。
もちろん、どういう理由でなったかは、キャラ紹介の各属性からおしなべて想像可能と思われる。

総評。
もし、こういうのが大好きでなければ、おもしろいぞと言われて勧められても「あー、そう、おもしろいのね、よかったねぇ」と一蹴する程度のもの。

あとがきに、これを読んだら是非アニメも見てもらいたい、と言う言葉があったが、著者さんよ、悪いが、見ねぇって
これ以上、頭を腐らせたくはないんでね。



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